8. ウォールド・ガーデン ボーダー・ガーデン 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
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今回はウォールド・ガーデンとボーダー・ガーデンについて述べてみよう。
既に述べたようにヨーロッパの諸国のスタイルとイギリス独自のスタイルが融合し様々なガーデンスタイルが生み出されてきたのだ。
それぞれのガーデンを一概にどのスタイルと決めるのは無意味なことでもあるが、
その手法として、また、その機能としてガーデンスタイルを学んでみたい。
Chillingham Castle 2005 塀に沿ってボーダーガーデンが施されている 北イングランド最長のボーダー |
Crathes Castle 2005 隔絶された別世界に入り込む期待感 この門をくぐる時 胸がときめく |
Kellie Castle & Garden 2005 壁をバラとハニーサックルが這う バラの花びらを浴びて一休み |
☆ ウォールド・ガーデン (Walled Garden)
文字通り塀に囲まれたガーデンのことだ。ウォールド・ガーデの門をくぐる時の周りから隔絶された別世界に入り込む期待感はたまらない。
塀を這うつる性のバラやクレマチスは塀に描かれた絵のようでもある。それらは冬の落葉時をも考慮し植えられているのだ。
そして、多くは塀に沿ってボーダーガーデンが施されている。
宿根草が背丈や花色・葉色、開花時期などを考慮し植栽され、歩くに連れ変化を見出せる。
中央にはボーダーを幾重にも繰り返したり、きっちりとフォーマルガーデンやヘッジガーデンが施されたり、
噴水のあるウォーターガーデンであったり、彫像や日時計やバラのアーチなどのフォーカルポイントが設けられたりと多彩だ。
(異なるスタイルが見事に織り込まれている。)
機能としてはプライバシーを確保できることや植物を風や動物の食害から守れることなどが上げられる。
Crathes Castle 2005 ビビットなカラーの草花とブッシュの厚み スコットランドとは思えない植栽 |
Falkland Palace Garden 2005 ホワイト・ブルー・イエローと 優しい花色の変化が絶妙だ |
Hadspen Garden 2002 700m7色の半円形ボーダー レンガ塀をキャンパスに見立て色を置く |
☆ ボーダー・ガーデン (Border Garden)
これもイギリスで生まれたガーデンスタイルだ。
ボーダーだから他との境界であったり、塀や壁に沿った縁取りであったりする長いガーデンだ。
花壇(Flowerbed)が一斉に開花するのに対しどのシーズンも楽しめるよう植栽した庭だ。
宿根草やシュラブや球根や1年草を背丈や花色・葉色とその形、開花シーズンなど綿密な計算の元、植栽されたガーデンだ。
このスタイルも前回紹介したガートルード・ジーキルによって確立されたものだ。
その幅は1、2メートルから5メートルに及ぶものまで、長さたるや700メートルというものまである。
真っ直ぐに伸びるボーダーだけでなく、湾曲していてその先に何があるのかワクワクさせるような手法もある。
Hadspen GardenのCurved Borderが700メートルのボーダーなのだが、何と7色に彩られた半円形のボーダーだ。
機能としては境界としての役割とフルシーズン楽しめることだろう。
ボーダーとウォールドはしばしば一体となって楽しませてくれる。私の最も好きなガーデンスタイルなのだ。
Coton Manor Garden 2003 2段に築かれたダブル・ボーダー 厚みと広さを演出する |
Leith Hall 2005 湾曲したボーダーその先には何が? 期待感を抱かされ 歩が進む |
Sizergh Castle 2005 高さと幅のあるスケールの大きなボーダー それぞれの季節異なる顔を見せるのだろう |
Hadspenの7色のBorderが出たところで、次回はカラーガーデンから述べよう。
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