英国ガーデンは楽しい

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5. The National Trust (NT)   水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
                         写真説明のガーデン名をクリックするとガーデン紹介にジャンプします。

英国のガーデンを語るのにナショナル・トラストは外せない。
200を超す王族の城や貴族の館を所有し公開しているのだ。
前回の「英国ガーデンの変遷」で述べたように、
これらには立派なガーデンが備えられているからだ。
また、ガーデナーの養成もしており、
極めてメンテナンスの良いガーデンに巡り合える。

ザ・ナショナル・トラストは1895年に設立された民間非営利環境保存団体だ。
歴史的建造物や街並みなどの文化遺産と美しい海岸線や
田園などの自然遺産を次世代に引き継ぐために、
メンバーの会費や寄付でその所有者となりそれらを維持・管理している。
3人の博愛主義者により設立され、その一人が湖水地方の牧師
ハードウィック・ラウンズレイ(Hardwicke Rawnsley)であり、
ピーターラビットの生みの親ビアトリクス・ポター(Beatrix Potter)がこれに共鳴し、
湖水地方の美しい風景を守るために印税を寄付し、
自分の住まいHill Topをも寄付したことは多くの方の知るところだ。
会員340万人に達するという。そしてスタッフは4千人を数え、
特筆すべきはボランティアが4万人にも達することだ。
また、イギリス社会のみならず国際的に深く根を下ろした団体である。

Wakehurst Place
この項の写真はNTの年間訪問者数Best10(2005/06、2004/05ともほぼ同じ)の内
筆者が訪れたプロパティーを掲載する
NTには世界遺産も5つある 筆者は全て訪れた
No.1 Wakehurst Place 2002
Royal Botanic Gardens キューガーデンの分室
年間40万人を超える訪問者を誇り連続No.1
沢山の彫像やモニュメントも楽しい

プロパティーの数々をホーム・ページから拾うと
  •  215 houses and gardens (家と庭)
  •  600,000 acres of countryside (2,500kuの田園地帯)
  •  704 miles of coastline (1,126kmの海岸線)
  •  57 villages (村)
  •  28 castles (城)
  •  150 museums (博物館)
  •  2 gold mines (金山)
  •  25 medieval barns (中世の納屋)
  •  127 factories and mines (工場と鉱山)
  •  4,280 pre-historic sites (有史以前の地)
  •  47 dovecotes (ハト小屋)
  •  78 mills (製粉所)
  •  19 pubs (パブ)
  •  12 lighthouses (灯台)
  •  31 nature reserves (自然保護地)
と記載されている。何とも魅力的なプロパティーの数々だ。
これに付随した家具.・調度品、10,000点の油絵、500,000冊の書籍などの文化遺産も含まれるのだ。
有料で公開している建物や庭園への訪問者は年間1,200万人、
無料公開している田園地帯や海岸線には年間5,000万人が訪れているという。
Stourhead House & Garden Fountain Abbey Polesden Lacey
No.2 Stourhead House & Garden 2004
ランドスケープガーデンの代表格
湖の畔に佇むパンテオンやテンプル
避暑用の洞穴( Grotto )や石橋などが印象深い
No.3 Fountain Abbey 2005
修道院の遺跡を取り込んだ
広大なランドスケープガーデン
世界遺産に登録されている
No.5 Polesden Lacey 2002
素晴らしいコレクションのローズガーデン
気品ある館の前に遥かに広がるランドスケープ
クイーンマザーが新婚時代を過ごした館だ

私達は最初、会員になればこれらの大半への入場料が無料になるから、
年に夫婦で5、6ヶ所廻れば元が取れるという経済的動機で入会したが、
ボランティアの方々の温かな歓迎とその素晴らしい庭園・美しい海岸線・自然豊かなカントリーサイド・
壮麗な城・荘厳な教会・タイムスリップしたような村などに出会い、
The National Trustの精神に心から賛同し継続して会員になっている。
本部から年3回ほど冊子などが送られてくる。
The National Trustはイングランド、ウェールズ、北アイルランドを統括しており、
スコットランドには独自にThe National Trust for Scotlandがある。
しかし、どちらかの会員であれば相互のプロパティーへの入場が無料となる。
私にとってThe National Trustのメンバーシップであることは今や誇りであり、喜びである。
英国には同様の趣旨で政府が関与した機関として、
歴史的建造物を保護するイングリッシュ・ヘリテージ(English Heritage)と
自然保護機関であるイングリッシュ・ネイチャー (English Nature)がある。
また、第2回の「英国ガーデンのマインド」で述べたナショナル・ガーデン・スキム(National Garden Scheme)と併せ
数多くの多様なガーデンを楽しむことが出来る。

St. Michael's Mount Lanhydrock Sheffield Park Garden
No.6 St. Michael's Mount 2004
モンサンミッシェルのイギリス版
満潮時は海に浮かび 干潮時のみ歩いて渡れる
自然が残っているという意味ではこちらに軍配
No.7 Lanhydrock 2004
17世紀の素晴らしいゲートハウス
ベゴニアのフォーマルガーデン
トピアリーに囲まれたローズガーデン
No.9 Sheffield Park Garden 2002
Capability Brownによるランドスケープガーデン
深い森の落葉樹は紅葉の秋が素晴らしいという
一方南洋的な針葉樹も多く見られる

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