2009年の旅 デヴォン・コーンウォール・ノースサマーセット

花花

第11日 6月7日(日) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程       Southcliffe Guest House --- Dunster --- Cleeve Abbey ---
                    Walled Gardens Cannington --- Heathrow  LONDON 19:00 (JAL 402) -----
今日の走行距離    310km
今日の万歩計     12,600歩

Southcliffe Guest House

Southcliffe Guest House サウスクリフ・ゲストハウス

とうとう今年の旅も最後の朝だ。この旅で7度目のフル・イングリッシュ・ブレックファーストをいただく。 ベイクドビーンズは除き、卵はスクランブルにしてもらう。
サマセット・ モームをして「イギリスでおいしい食事にありつこうと思ったら、朝食を3度食べることだ」と言わしめた フル・イングリッシュだ。7度位で厭きようはずがない。05年には29泊の内、26食をフル・イングリッシュにしたことがあるのだ。
そんな風に揶揄されてきたイギリスの食事だが、今は事情が異なる。パブでもレストランでもとても美味しくなった。 ただ、量の多いのには閉口するが・・・。

Exmoor

Exmoor エクスムーア

AndyとSueに別れを告げ出発だ。雨は上がったが、雲の多い天気だ。エクスムーアの高台では霧に覆われたが、間もなく晴れる。 しかし、ウェールズの陸影はまだ見ることはできない。
ポーロックを過ぎ、Porlock Hillの勾配25%の坂を下る。フットブレーキをなるべく使わないよう、エンジンブレーキのギアは ほとんどローに入れたままだ。
所々にブレーキが利かなくなった車両のための緊急避難路があるが、本当にあそこに突っ込まなければならない事態を想像すると 背筋が寒くなる。そこにあるだけで無謀運転の抑止力になるのかもしれない。

Dunster ダンスター

ダンスターも5年前の旅で印象に残った街だ。街の入り口にヤーン市場(Yarn Market)が建っている 6角形の面白い形をした建物だ。ここから1km足らずの緩やかに蛇行するメインストリートの両脇に、中世を髣髴させる 街並みが続く。
今日はダンスター城はパスして Dunster Working Watermill を目指したがオープンは11時からということだ。ここにも準備不足が露見した。しかし、裏道を歩いたお蔭で民家の素晴らしい 佇まいを見ることができた。

Dunster Dunster Dunster

もう一つのお目当てはGallox Bridgeだ。 15世紀に架けられたというpackhorse bridgeだ。幅1.2m、長さは13mほどで、アーチが2つある。 English Heritageの管理だが、今も立派に現役で、自由に渡れる。その昔、羊毛を積んだ馬がこの橋を渡り、 Yarn Marketに向かった姿が思い浮かぶ。昨日の雨で水量豊かだが、水が濁っているのが残念だ。

Dunster Dunster Dunster

Cleeve Abbey クリーブ・アビー

19時のフライトだから16時にはヒースローのハーツに着きたい。The AAによれば本日の走行距離は300km、 所要時間4時間だ。逆算するとフリーの時間は2時間だけだ。ということで、先を急ぐのだが、道路マップのRuined abbeyの マークが気になって仕方がない。 Cleeve Abbeyに ちょっと寄り道する。
12世紀に設立されたシトー派修道院の廃墟だという。どっしりとした構えのGatehouseの建物が現れた。天井の梁が素晴らしい。 イギリスは石の文化と思いがちだが、ティンバーハウスなどでも分かるように建物には木も沢山使われている。 Gatehouseは16世紀に改修されたもののようだが、それでも500年も昔の技術に驚くばかりだ。
本体はGatehouseのかなり先に立っているが、レンガの大きな塊のような無骨な建物だ。見る限りでは余り魅力を感じない。 時間もないのでパスする。

Cleeve Abbey Cleeve Abbey Cleeve Abbey Cleeve Abbey

Southcliffe Guest House Southcliffe Guest House

Samuel Taylor Coleridge

A39を東に進んでいるとナショナル・トラストの Coleridge Cottage という看板が目に入る。迷わずUターンしてNether Stoweyの村に入ってみるが見当たらない。NTにしては案内板が少ない。
村人に聞いて「たぶんあれがそうかも」と教えてくれた場所にあった。18世紀の詩人が住んだコテージのようだが、 何の変哲もない民家だ。味のあるコテージを期待していたのだが残念。しかも、オープンは14時からだ。 来訪記録に写真を撮り先を急ぐ。

Walled Gardens of Cannington

Walled Gardens of Canningtonの情報は 極めて少ないが、私がガーデン巡りの情報源として頼りにしている Gardenvisit.comの"Garden Finder"で見つけ、 Walled Gardenの語句に惹かれ訪問先に組み込んだ。
イングリッシュガーデンには素晴らしいWalled Gardenが沢山ある。レンガあるいは石の壁に囲まれた庭だ。 古くからの城や教会の壁、屋敷の塀などが上手く活用されているのだ。高い壁は立体感を生み出すなどの装飾的な機能や 風や霜、害獣から植物を保護する機能もある。また、隔離された庭に入る時の期待感という心理的な効果も無視できない。
そして、壁に沿うボーダーガーデン、中央にはフォーマルガーデンであったり、噴水のあるウォーターガーデンであったり、 様々なモニュメントを配したガーデンであったりと、多彩なガーデンスタイルを目にすることが出来る。
そして、壁に囲まれた、程好い広さも頃合いに感じられ(あまり広すぎる庭は貧乏性の私には現実味に欠ける)、 私の最も好きなガーデンスタイルなのだ。
さて、Canningtonの街に来たが場所が分からない。ポストコード(郵便番号に近い)で調べた地図の場所は大学構内だ。 これも準備不足を露呈することになるが、このガーデンはBridgwater Collegeの敷地内の中世の教会(写真下左)の壁を利用して 造られているのだった。
最近大改装して市民にも開放されているが、本来は学生の教育環境としてのガーデンなのだそうだ。恵まれた学生だ。
誰かに訊ねようにも日曜日で学生の姿は見当たらない。歩き回った末、ようやく探し当てる。 The 'hot' herbaceous borderは赤、オレンジ、黄色の草花のボーダーだ(写真下中2枚)。 ローズガーデンはハーブと組み合わせたフォーマルガーデンに仕上げられている。

Walled Gardens Cannington Walled Gardens Cannington Walled Gardens Cannington Walled Gardens Cannington

The blue gardenの植栽は私好みだ(写真下左2枚)。Sub-tropical walkは亜熱帯植物を集めている。 いずれも、部分部分を見れば素晴らしいが、全体の調和が感じられない。通路の縁がむき出しで直線であることも気になる。 発展段階にある若いガーデンという印象だ。

Walled Gardens Cannington Walled Gardens Cannington Walled Gardens Cannington Walled Gardens Cannington

Heathrow

Southcliffe Guest House

CanningtonからHeathrowまで約260kmをM5、M4と繋いで2時間30分、一気に走り切り、予定時間に到着する。
チェックインの係員は目ざとく左前部のキズに気づいたようだ。「電話連絡したキズだ」と報告するが、 事故についての質問は一切ない。事務所に来いと言ってカウンターに座るとコンピューターを操作し、伝票の "Excess Damage Charge 550.00(£)"の項を示し、「OK?」と一言だけだ。想定の範囲だったので、「OK」と一言、 それで全て終了だ。かなり痛い出費だが致し方ない。この程度で済んで良かったと考えることにしよう。


Southcliffe Guest House Southcliffe Guest House

ヒースロー空港のセキュリティーチェックは相変わらず厳しいが、無事通過。免税店で予定のお土産を求めれば、 いつものSeafood Barのカウンターで楽しい旅を無事に終えたことに感謝して乾杯だ。"Norwegian Salmon"、"Crab Salad"、 "Chardonnay VIU Manent"、いずれも18£はリーズナブルとは言えないが、豊かな時間ではある。
機内では何時になく良く眠れた。疲れが溜まっていたのだろうか?
検疫の書類を渡され、マスクをした乗客を見て、新型インフルエンザ騒ぎを思い出す。出発前に色々心配したのだが嘘のような 10日間だった。滞在中、新型インフルエンザの話題や情報は皆無だったのだ。

今年も長々と我が旅行記にお付き合いいただきありがとうございました。来年は個人旅行10年目を記念し、 再度、1ヵ月程度の長旅をしたいと考えており、明日から情報収集に専念するつもりだ。また、お付き合いいただきたい。 【完】


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