第3日 6月18日(土) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
Llwyn Onn Guest House
静かな夜だった。主要道路A470沿いのB&Bだが、夜は交通量が少ないのだろう。
今日もフルイングリッシュ(いや、ここではフルウェリッシュだ)。自宅の朝食の2倍のボリュームとカロリーだろうが、おいしいからぺろりと平らげる。
ベーコンやソーセージの塩気を卵やトマト・マッシュルームが和らげる。ミルクティーもまた同じ役割だろう。
当然だが、食前のフレッシュ・ジュースやフルーツやヨーグルトが食事を進ませる。そんなこんなでご馳走様。
食後はダイニングの窓から見えていたガーデンに出て一巡り。小さいながら良く管理された庭だ。
南ウェールズでのお楽しみの一つに、Horse Riding挑戦がある。ウェブサイトで高原をトレッキングする馬と湖の写真を見て、
何が何でも乗ってみたいと思った。乗馬の体験は子供達が小学生の頃、
白樺湖畔で15分ほど手綱を牽いてもらって乗ったのみだが、何とかなるだろう。今は曇り空だが、予報は晴れだ。
乗馬日和と決め、今日はHorse Ridingに行こう。
Brecon Beacons National Park
午前中はBrecon Beacons National Parkのドライブを楽しもう。A470を北に進み、貯水池の手前でA4059に入り南下する。
急坂をしばらく登ったところで路肩に駐車し、南ウェールズの最高峰Pen-yFan(886m)の雄大な姿を背に、
旅のパートナー・フォードと迷ナビゲーターを1枚。
進む道路は360度ゆるやかな牧草地が拡がる。Breconにあるのは緑の木と牧草、そして、白い石とヒツジ。それが全てだ。
数え切れないヒツジの中から優雅さと気品を兼ね備えた美ヒツジを見つけた。
昨日からカーブや急坂の手前にSLOW/ARAFのペイント標識が見られる。ARAFの意味が分からず嫌な気持ちでいたが、
妻がハタと気付いた。ウェールズ語との二重表記だと。疑問氷解。スロー/アラフ安全運転します。
A465・A4109・A4221と乗り継ぎ、今度はA4067を北上する。景色が変わってきた。尾根の上から
パッチワークのように仕切られた牧草地や湖を眼下に見下ろしながら、快適なドライブが続く。思わず歌いだしたくなる。
牛の横断用信号が現れた。始めて見た時には、にわかには理解できなかったものだ。
それにしても、この標識はご丁寧に並べたものだ。更に進むうちに青空も覗いてきた。やっぱり、乗馬日和だ。
Brecon
Brecon Beacons National Parkの中央北部の街、その名もBreconにやって来た。パーキングを探していると、折り良く路上に
1台のスペースが空いた。すかさず駐車し、先ずはは電話だ。Horse RidingのGilfach Farm(B&Bでも紹介してくれたが
検討の結果、サイトで調べた湖の近くのFarmにした。)に予約を入れる。1時半からのトレッキングコースが取れた。
これが終わって移動すれば、あのローラ・アシュレーの館Llangoed Hallに4時過ぎに着くだろう。アフタヌーンティーに
丁度ピタリだ。電話をするとあいにく満席とのこと。土曜日だけに…残念。
となれば、夕食はかねて用意のAward受賞のレストランにしよう。こちらは20時で予約OK。楽しみだ。
続いてBreconの街を散策。Post Cardが目に付き入ったお店はカードの専門店だ。折りしも父の日前日とあって、Dadのカードが
沢山並んでいる(写真左)。Birthday Cardは年齢別に用意されている(写真中)。だから膨大な数だ。
Wedding用も記念日用など各種揃っている。楽しいカードがいっぱいだ。あれこれ見本を検討し、幾つか購入する。
そういえば、B&Bでグリーティングカードを壁に飾ったり、暖炉の上に並べたりしているのを何度か見た。
何かにつけカードを贈りあう習慣のようだ。
ギャラリーに入る。良い絵に出合ったのだが予算が合わない。最初に良いものを見てしまったので、他を探してもなかなか
しっくりこない。Thank Youで店を出る。次はパン屋さん。おいしそうなパンがズラリと並んでいる。
コーニッシュパスティがあった。本場ではないが去年を思い出し1つ、他に小さなパイを2つ求める。
スーパーマーケットに入ってみる。ワインの特売だ。今日のB&Bには珍しいことに冷蔵庫があったから白ワインを
冷やして飲もうと1本購入。小さなガーデンセンターを見つける。小物を求める。土曜日とあって、買い物客や観光客で
溢れ出しそうに賑やかだ。天気は暑いほどに晴れてきた。
Crickhowell
Horse Ridingまでまだ時間がある。サイトで”石橋のある可愛い街”という情報を得ていたCrickhowellに立ち寄ることにした。
途中、景色の良いパーキングで木陰に駐車し、Breconで求めたパイで昼食。こういった駐車場や路肩の空き地などに駐車し、
椅子やテーブルを出してピクニックをしている人達を良く見かける。公園とか観光地でなくちょっとした場所で日がな
時間を過ごす。閑雅なことだ。
CrickhowellはA道路の車の往来が激しく渋滞気味だが、
商店街は適度な活気で楽しくウインドーショッピングだ。
果物屋の店先が花屋と見まごうばかりに飾り立てられていた。こんな店の果物は甘いに違いない。
可愛い街は分かった、石橋はどこだ。私の感ではA4077に架かる橋だ。小さな店で冷たい飲み物を買って車に戻り、
A4077に入る。案の定ありました。交互通行の信号が。青になって進むと、立派な石橋を渡る。これがそうなのだ。
渡っただけじゃダメなのだ。写真を撮らなきゃ。でも、狭い道路に交通量が多い。車を停める場所がない。仕方なく
先に進んでUターン。信号待ちの車の窓から丁度良いアングルだ。カメラを出して構えた時には青信号。残念。
もう一度橋を渡って川の土手の細道に車を突っ込む。なんとこれがBridge Street。上手くできている。
なんとか駐車場所を探し撮った写真がこれです。念願成就、美しい。
さて、そろそろGilfach Farmへ向かおう。幾つかの小さな村を抜けてB4560を進む。左手に湖が見えてきた。
これがサイトで見た湖だ。いやが上にも期待は募る。Gilfach Farmの駐車場は車が一杯。心がはやり急ぎ足になっている。
レセプションはこちらの心を見透かしたようにゆったりと応対だ。顔を見て”電話をくれたイーチダね”と来る。
”No! ウーチダです”。いろいろ説明し、同意書にサインをさせられる。私のリュックも、妻のショルダーも預かるという。
リュックからカメラを出すとダメだという。記念写真は終わってからにしてくださいと厳しい。
オイオイ、そんなに厳しいトレッキングなのか?妻にもう一度ビギナーであることを確認させる。にこやかにNo Problemと来た。
不安ながらインストラクターの人懐こいお嬢さん(写真)にヘルメットとブーツを借りて準備する。本当はあのかっこいい
乗馬帽をかぶりたかったのだがダメらしい。残念。
生徒はもう一人イギリス人の若い女性と3人。乗せてもらう馬とご対面。鼻面など撫でてご挨拶。私の愛馬はミッドナイト。
真っ黒だからだろうか?足の先の毛がふさふさした優雅な古馬だ。妻の愛馬はカーデュー。まだ若いおとなしそうな馬だ。
鞍を着けてもらい、乗ってみる。高い!ミッドナイトは大きな馬だからかなり高く感じる。(実は私は高所恐怖症)
手綱の扱いなど説明してくれるが、大半分からない。妻から説明されてもミッドナイトは言う通りにはしてくれない。
あちこち勝手に動いてくれるうちに、鞍が傾いてきた。インストラクターに伝えたいが、なかなか通じない。
ようやく分かってくれて直してくれた。
さて、トレッキングのスタートだ。馬小屋を出ると直ぐに丘の斜面を登り始める。かなりの坂道を直登だ。
一気に高度を稼ぎ、水平な道に入る。なんという眺めだろう。緑の潅木のずっと先、青い湖に白いヨット。
モーターボートも白い筋を引いて走る。その先に連なるウェールズの山々。ぬけるような青い空。思わず歓声を上げる。これだ。
イメージした通りの光景に満足。インストラクターはイギリス人のお嬢さんと盛んにお喋りしているが、
そんな声も忘れるほど光景に没頭だ。このシチュエーションの中、音も無く移動していく自分がいるだけだ。
カメラを持たせてくれれば良かったのにと恨めしく思う。
トレッキングは続く。もう少し整備したらと思うような道(といえるかどうか?人は歩けないだろう)を馬は行く。
時には木の枝をくぐって避ける。柵の木戸を抜け、恐ろしいほどの崖っぷちも行く。そのうち馬は文字通り道草を食う。
木の葉も食う。(トゲのあるサンザシも好きな木の葉のようだ。馬酔木だけは食べないでね。)
首を上げ下げする度にこちらの体も大きく揺れる。ミッドナイト君道草はいけないよと手綱を引くと、
凄い力で首を下げ返す。思わず前に引かれてビックリ。落ちなくて良かった。楽しさと怖さのトレッキングが1時間。
そこで引き返す。帰りは麦畑や牧草地の中を通る。ミッドナイトは麦が好きでコントロールに大童だ。
インストラクターが何か説明している。妻に聞くと走らせるから膝で鞍を支えろと言う。ヌッ、なんだ?と思う間もなく
走り始めた。おっとビックリ!!鞍にしがみつき耐える。早く言ってよ!(言ってたか?英語で)。インストラクターの馬が
する通りにするよう躾けられているから、こちらが何をしなくても走り出すのだ。インストラクターを良く見ていないと
振り落とされかねない。相当な上下運動だ。奥歯がガチガチ言う。これで分かった。カメラを持ってこれない訳が。
トロット(というらしい)を何度か繰り返しながら戻る。Farmでは乗馬教室が開かれていた。
あのかっこいい乗馬服・乗馬帽に身を包んだ人が大勢汗を流している。若い女性が多い。手を振ってご挨拶 Hello。
たっぷり2時間のトレッキング。お尻は痛いが楽しい経験をした。満足満足。ミッドナイトとカーデューの労をねぎらい、
帽子とブーツを返して戻ると、リュックを渡しながら写真撮影を急げという。すっかり満足で忘れていた。
もう鞍を外してあったのにもう一度載せてくれて記念撮影だ。(ピンボケだがこれ1枚きりしかない。)
記念撮影の後、顔や手を洗ってサッパリし、アイスクリームなどいただきながらお尻を癒す。さて、この後はどうしよう?
楽しみにしていたLlangoed Hallのアフタヌーンティーは満席で断られたが、ホールの外観だけでも見ておこう。
と、いうことでLiyswenに向かう。トレッキング中はピーカンの中でも涼しかったのに、車の中は暑い。
Llangoed HallはA470沿いの森の中にあった。
強い陽射しの中、眩しい姿を見せる。駐車された車の数が随分多い。不審に思いながら入ってみる。
Hello 呼びかけてみるが誰も出てこない。やっと出てきた人もタキシード姿だがホテルの人ではないようだ。
軽い会釈で行ってしまった。奥から音楽が聞こえる。先のロビーらしき部屋に入ってみると、窓から見えたのは
結婚パーティーらしい。着飾った大勢の人達が、バンドの演奏の中談笑している。これか!満席ではなく、貸切だったのだ。
納得し新郎新婦の幸多かれと祈り後にする。
その後訪れたLlanwrtyd WellのWoolen Millは5時までの営業時間に間に合わなかったが、中部ウェールズの高原ドライブは
カーブを廻る度、坂を越える度に異なる姿を見せてくれ飽きない。
いったんB&Bに戻り一休み。予約したレストランThe Usk Innに向かう。昨日レストランならCardiffのBayと言われて
呆れたが、実はThe Usk Innも30kmはあろうか?言えた柄ではない…。
A470・A465・B4560・B4558と繋いで行く。このB4560が凄かった。午前のドライブの比ではなかった。
荒涼たる大地に道も牧草地も無い。ヒツジも牛も無い。隔てるものは無く皆同居だ。往きも馬やヒツジに何度も遮られたが、
帰りの夜10時になってもヒツジさんは散歩をしていた。驚きの光景だ。
The Usk Inn
The Usk InnはThe AAのHospitality Awards 2004-2005の
Pub of the Year を受賞したInnだ。
この賞を取ったPubには昨年で味を占めているので今年も訪れた。
予約のある旨伝え、Pubのカウンターで1パイントのエールをいただきメニューを選ぶ。壁に飾られたプレートを見て
ビックリ。今年だけでなく5年連続受賞しているらしい。期待は高まる。
コースでなくアラカルトでオーダーする。程なく席の準備が出来案内される。Starterが出たので写真を撮った。
いつもは隣の席にお断りをするのだが、この日の席は柱を挟んで少し離れていたので、断りなしにフラッシュを焚いた。
(いつも通りウェイターの許可は取った。)ところが、隣の席の奥さんが立って来て「突然のフラッシュに驚いたわ、
言ってくれれば撮って上げたのに。」と。苦情なのか親切なのか、まくし立てる。"Sorry、Thank You"汗・汗・汗していると、
旦那さんを呼んで「撮って上げなさい。」と命令している。妻にも「あなたはここに座りなさい。」と指示している。
お蔭で少し引きつった顔になった。"Thank You Very Much"
写真を撮ってホームページに載せることなど説明し、旅の行程なども話した。このご夫婦はデザートが終わると
「さようなら、良い旅を楽しんでね。ウェールズ語で”おやすみなさい”は”ノースター”と言うのよ。ノースター。」
と言って帰った。「ノースター!」と返したら満足そうな顔をしていた。おやすみだから星もないのか?なるほどと
解釈したが、帰国後調べたら”Nos da”であった。
例外なくInnやPubの玄関・窓・壁には花がある。
この夜のお料理を紹介しよう。左から
◎ Salmon and crab fishcakes with Stilton and Spinach サクサクした歯ざわりのfishcakesと濃厚なStiltonが合う
◎ Spinach, walnut, Stilton and artichoke salad olive oil dressing Heart of artichokeがおいしい
◎ Smoked salmon and Brown bread with Butter このボリュームを堪能
◎ Monkfishのソテー、カレーソース パイナップルやアーモンドの入ったソースが最高
◎ All main dishes are served with the vegetables of the day or a salad and your choice from the day's potato dishes.
Mainは1つしかオーダーしなかったが、サービスで3つとも付けてくれた。でも、全部は食べ切れなかった。
素敵な食器、接客態度、雰囲気そして味、全てに満足だ。
写真たっぷりの旅行記をご覧ください
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