
Sygun Fawr Country House
Sygun Fawr最後の朝、いつもより目覚めが早い。というのも昨夜から今朝のお天気に賭けていたのだ。もし快晴なら
もう1度Snowdon Mountain Railwayに乗ろうと。出来ればスノードン山の頂上に立ってみたい。それがウェールズでの
最大のお楽しみだったのだから。
カーテンから差し込む光の強さで快晴が分かる。カーテンを開けると昨日までの2日は霧に隠れていたスノードニアの
山々がはっきり見える。加えて10m先の芝の上にウサギが2匹遊んでいる。
迷いもなく再チャレンジと決定。ルートを検討しスケジュールを大幅変更する。
ウサギの方は写真を撮ろうと急ぎ着替えて出てみたが、警戒心が強くてままならない。
頂上は寒いし、天気が変わり易いという情報が多い。長袖を着て、防寒・雨具もリュックに収めた。荷造りも早々に済ませ、
朝食時間を待つ。ラウンジにも心地良い朝の陽射しが差し込む。
フルウェリッシュでしっかり腹ごしらえして出発だ。
Country Houseを出てマクレガーさんの庭を覗くと笑顔で出てきてくれた。記念に準備していた和紙製の栞をプレゼントする。
大袈裟に喜んでくれた。握手で別れる。また何時かこの友に会いに来たい気持ちだ。
Wide Load
Llanberisに急ぐA498の行く手に1台の車が道を塞いでいる。路肩に寄れという。屋根に"WIDE LOAD"と書かれている。
何事かと係員に聞くと、何やら対向車が来るまで5分間待てという。電子辞書で"load"を調べると”積み荷”と出た。
どうやら幅の広い荷物を積んだ車が来るのでここで行き過ぎるのを待たなければならないようだ。仕方がない。
丁度ここはViewpointだ。車から降りて景色を楽しむ。近くの山は上天気だが、Llyn Llydaw湖の向こうのスノードン山には
雲が掛かってきた。心配だ。朝ごはんの終わったヒツジが草むらに横になっている。のどかな風景だ。
5分と言ったが、既に15分。待たされる車の数もどんどん増えて30台位になったか、待ちきれなくてUターンする車も
出始めた。20分程経った頃ようやくエンジンの音が聞こえてきた。
何とWide Loadはログハウスだった。Wideを通り過ぎ、道をはみ出している。屋根で周りの木立をなぎ倒すようにバリバリ
音を立てて進んできた。イギリス人にも珍しいのかカメラを構えているのは私だけではない。聞いてみると「レアケースだ。
酔狂なやつが居るもんだ。」と苦笑いだ。20分のロスは珍しいものの見学料としておこう。
さて、開通したがそのスタートに首を捻る。後から来た外のレーンで待っていた車から、サッサとスタートする。
先から待っている車が後回しなのだ。先を急ぐ身には釈然としないが誰も文句も言わない。これがイギリス流か?
走り出して納得。車は時速50〜60マイル(80〜96km)で列をなして突き進む。これだけスムースに走れれば、
少々の前後はノープロブレムだ。さあ急げ、A4086は岩山の谷底を心地良いスラロームを描き伸びる。
Llanberis Lake Railway
10時丁度にLlanberisに到着。Snowdon Mountain Railwayのチケット売り場は長蛇の列だ。取れた切符は13時発だ。
このお天気を見て多くの人が期待して繰り出して来たのだ。
となればこの間にLlanberis Lake Railway
に乗れないものか?期待を込めチケット売り場に急ぐ。11時10分発に乗り往復すると、12時20分に帰るとのこと、
お誂えの様だ。
最前列の席を確保せんと、プラットホームの先端で待つ。公式サイトによれば1フィート11インチ2分の1のゲージだから、
約60センチだ。プラットホームから線路までの高さも50センチ足らず、極めて可愛い線路だ。
プラットホームのベンチの背もたれのデザインも蒸気機関車の形をしている。愉快だ。線路の向こうの道路を双子の赤ちゃんを
ベビーカーに乗せたお母さんが通る。我々の孫と同じくらいか?とても可愛いので声を掛ける。二卵性でBoyとGirlだそうだ。
お供の犬も可愛い。
あの湖Llyn Padarnの向こう岸を湖の外れまで行くのだ。遠くで盛んに汽笛の音は聞こえるのだが、電車の姿はいっこうに
見えてこない。
ようやく木々の上に白い煙が立ち、シュシュポポ・シュシュポポの音も聞こえてきた。黄色のミニSLが緑の客車を後ろ向きで
引っ張ってくる。待ち客に対してか、終点を告げるのか、しきりに汽笛を鳴らす。期待感を掻き立てる。
ここで機関車を接続し直す。行きは前向きで引っ張っていくようだ。目論見どおり最前列を確保。
ミニSLはゆっくり進む。踏切を渡り、何やら工場を過ぎ、可愛いSLが沢山整備されている操車場を過ぎる。この辺りは
Padarn Country Parkだが線路の脇にはスクラップになった客車や貨物車が置き去りにされている。いささか興を殺ぐ光景だ。
我慢すること暫し。景色は一変する。左側にLlyn Padarnが満々の青い水を湛え、その先のスノードニアの山々がなだらかな
雄姿を見せる。木の間隠れの眺めも楽しい。蒸気機関車の音も林の木や湖の水に吸収されるのか静けささへ感じる。
スノードン山がなかなか見えて来ない。かなり進んでから、二つの山の上に勇躍して現れる。シャープな山頂の形が良い。
山頂に雲の姿はない。楽しみだ。
終点のPenllyn駅までノンストップで進む。ここでまた機関車は後ろ向きに接続され帰路に着く。暫しの休憩時間。
スノードンとSLを入れた良い写真が撮れた(写真下左)。SLは磨き上げられている。金メッキの部分はピッカピカだ。
大切に保存されている様子が窺える。
往きに湖岸でカヌーの準備をしていた子供たち(小学生か?)が湖面に出ている。写真はカヤックをダブル・パドルで
鮮やかに操る子供たちだが、他に6人乗りのカナディアン・カヌーで先生と共に楽しんでいる子供たちもいる。
夏休み満喫だろう。
帰りは各駅に停まる。Cei Lldan駅だ。ここからPadarn Country Parkをハイキングする人達も多いようだ。
次の駅はGilfach Dduだ。操車場のある駅だ。空色と赤いSLがいた。ブルーのディーゼル車もいる。立ち入り禁止だから
良いアングルが取れない。お土産売り場も充実している。孫へのトーマスのミニSLとトーマスの型の大きなポストカードを
ゲット。
工場に見えたのはMuseum of the slate industryだった。一昨日訪れたCaernarfon Castleの叙任式の行われた丸いスレートの壇は
ここで切り出され磨かれたのだ。ウェールズは繋がっている。
20分ほどの停車時間の後出発。ミニとはいえ踏切にはしっかり遮断機が下りている。
間もなくLlanberisという地点で、左手に見えてきたのは
Dolbadarn Castleではないか。
この城は予定していなかっただけに嬉しい。こんな山の中にどうして城が必要だったのだろうか?
Snowdon Mountain Railway
さあ、いよいよSnowdon Mountain Railwayだ。
改札で駅員が何か言ったが聞き取れない。空いている席の窓際に座り込む。後からやって来たグループの乗客が、
「席が違うようだわ、チケットを見せて。」と言う。チケットを差し出すと、「あなた達はコンパートメントDだから、
隣よ。」と指摘された。「ソーリー、サンキュー」、さっき駅員が言っていたのは「コンパートメントDへ」だったのだ。
昨日は駅員の開けてくれたドアーから慌てて乗ったので、指定席とは気付かなかった、
コンパートメントDはまだ誰も乗っていないかったで、窓際を確保できた。やれやれ…。
駅構内のアプト式の歯型(Rack)は昨日見たものと少し違うようだ。推察するに勾配の少ない所はこのように単純な歯車で、
勾配の強い所では昨日見たようにプロテクトされているのだろう。今日も歩いて登る人、下りる人の姿が見られる。
皆ウキウキしているようだ。
今日は蒸気機関車が牽引してくれる。勾配の強い坂に差し掛かると、蒸気釜の圧力を上げるのだろう一旦停車する。
力を蓄え再スタートだ。イギリスの蒸気機関車も「なんだ坂・こんな坂、なんだ坂・こんな坂。」と言いながら登る。
愉快だ。昨日の折り返し点Rocky Valleyを過ぎ、Clogwyn駅を超えた辺りから下界に湖の姿が数多く見られる。
それぞれの湖水の色が微妙に異なり美しい。
この辺りの急坂では、進行方向に背を向けて座っている人は、前のめりになり足を踏ん張っている。愉快な電車だ。
さあSummit駅到着!ここが標高1,065メートル。頂上まではあとわずか20メートル。岩だらけの道をヒョコヒョコヒョコと進むと、
直径15メートル高さ5メートルばかりのケルンがあり、その上が頂上だ。10人も登れば満杯のSummitには長居は出来ない。
抜けるような青空、心地良い涼風、見事なパノラマ。来られて良かった。最高。車内放送では"This Summit is Heaven of UK."
と言っていた。同感。
周辺で記念撮影をし駅舎に入る。先ずはポストを探し昨夜書いたポストカード(待ち時間にスノードン山の頂上で投函と追記)
を投函する。カフェでコーヒーとケーキで一息入れながら更にポストカードを書き、切手が切れていたので売店に買いに行くと
カードを出せと言う。請求された価格が通常の47ペンスより高い。では、さっき投函した47ペンス切手を貼ったカードは
どうなるの?と聞いてみた。それは届かない。カフェの男性がポストの鍵を持っているから出してもらってここに持って来い。
とのこと。さあ一大事!5枚出した葉書は1枚がなかなか見つからない。電車の出発時間は迫るし焦りに焦る。結局この5枚は
麓駅のポストに投函した。でも「頂上で投函」に嘘はない。一旦投函だが…。
(大騒ぎの元凶のスタンプの写真は、後日正規に山頂から投函した唯一の絵葉書の受信者から映像をいただきました。)
この電車は頂上での滞在時間30分で、同じ電車に乗らないと後の席の確約はない。今日は到着が遅れ25分の滞在時間しか
なかった上に、アクシデントで最後に乗ったのだが、「あなたは写真を撮るから窓際が良いでしょう?」と席を譲ってくれた。
女性3人連れでLiverpoolからきたと言う。地元と言えるほど近いから何度も来たけどSummitまでは初めてだと喜んでいる。
あなた達はラッキーだと言うから、2日続けての乗車だと言ったら呆れた様子だ。
大自然の中、小さな電車はシュポシュポ・ゴトゴト・ポッポーとのどかに下る。写真でもお分かりいただける通り、
かなりの急坂・急カーブもあるが、Rack and Pinionで確実に安全に下りて行く。頼もしいSLだ。
Chirk Castle
2つの蒸気機関車の旅を楽しめた。満足だ。個人旅行の最大のメリットを活かせた。既に3時半だが、今日予定していた
3つのガーデンの内の1つには今からでも間に合いそうだ。それは
Chirk Castleだ。
こちらのサイトもお薦め。
到着は17時15分になったが、幸い18時までオープンだ。ナショナルトラストのプロパティーである。会員証を提示し入場。
4つのタワーを城壁で繋ぐ形は一昨日見た世界遺産の3つの城に似ているが、住居部分も付け加えられているようだ。
何となく新しい感じもするが13世紀末の城だという。
長く住まいとしての役割を果たしてきたので、ガーデンも充実している。トピアリーの数は相当なものだ。手入れも良い。
櫟の壁に沿ってボーダーガーデンが続く。色遣いも押さえ気味で落ち着ける庭だ。
城の前のトピアリーに囲まれたローンテラスの先に、ロングウォークが伸びている。緑の芝の中、潅木や樹木に誘われ 緩やかなスロープを描いて道が続く。時間があればもっとゆっくりと巡りたい庭だ。
城から門までかなりの距離がある。見事な白馬なども放牧される広大な城だ。外から見たゲートは金と黒とで彩られた 絢爛豪華な感じだったが、内側は白一色に塗られていた。ロマンチックな雰囲気だ。 その直ぐ内側に賑やかなティンバーハウスがあった。位置から見て門番の住まいだろうか。
The Old Barn
今日の宿はChesterとLlangollenを訪れるのに都合の良い”大きな街を外した宿”として上がった幾つかの候補の中から絞った
B&Bなのだが、ちょっと外しすぎたか?のどかな山道が寂しい山道に変わって心細くなった頃現れた。しかし、選定の目に
狂いはなかった。大きな部屋に白を基調に清潔感溢れる調度が置かれている。ベッドは特大だ。元気の溢れそうなホステスの
Christineは「私はパーフェクトが好きなの。必要なものは何でも言って。」と宣言している。
お言葉に甘えて洗濯機を借りたいと申し出ると、待っていましたとばかりに”お客様専用洗濯機。乾燥機”を用意してあると
言い、玄関脇の小部屋に案内してくれた。洗剤も柔軟剤も用意してある。今日は他に泊り客はいないと言うので、
食事に出ている間に洗濯を済ませることにした。
食事から帰り洗濯物を乾燥機に移して庭の散策をする。裏山の斜面を切り開いて造ったばかりのようだ。植木が若い。
植栽も工夫され種類も豊富だ。この庭に懐かしい”ハエ捕り紙"がぶら下がっていた。イギリスで今尚?と思ったが、
その後もう1ヶ所でもお目に掛かった。
The Hand
B&Bでお薦めのパブはThe Handだ。
何とThe Old BarnからB4500を更に奥には入って行き、B4500の終点の村Llanarmonにあった。
Christineが長年の夢であったB&Bwを3年前ここにオープンし、The Handが2年前に現オーナーに代わって以来、
お互いに協力し合ってやってきているとのことだ。
店のパーキングは満杯で道路にも車が溢れている。何とかスペースを見つけ店に入ると、Christineから電話が入っていたらしく、
オーナーが来てゆっくり楽しんでくれと言う。エールビールとGrilled gammon and 2 fried eggsと白身魚のソテー
(であったと思うが食べた本人に記憶なし)をオーダーする。チップスもたっぷりでホコホコしておいしい。
ビールにもワインにも良く合う。ゆっくり楽しみ、オーナーに明日も来る旨伝え店を出る。
食後は村を散策。例によって民家のお庭拝見だ。どの家も本当に綺麗に飾ってある。心が温かくなる。
帰り道、道路の先に何やらいる。ウサギかと思ったが鳥のようだ。雉の一種だろうか?ゆっくり近づくと、道路の脇を逃げて行く。
飛び上がらないのだ。しばらく追いかけっこをしていたが、対向車が来たので草むらに入り込んでしまった。
”Topic” ハエ捕り紙 Topic一覧はこちらへどうぞ
日本では久しく見かけなかった”ハエ捕り紙”をイギリスで2回も見た。帰国して2週間後、朝日新聞7月30日付土曜版の
「サザエさんをさがして」の記事にハエ捕り紙の話題を見付けた。今でも倉敷市の
カモ井加工紙というメーカーで製作していると言う。
商品名は”リボンハイトリ”だ。岡山の方言でハエをハイと言うらしい。我が故郷(焼津市)でもハイと言った。
この方言の分布はどうなっているのだろうか?どうでも良いことか?
今でも殺虫剤を撒けない食品加工工場や塗装・製紙工場で結構使われているとのこと、嬉しくなった。
海外へも沢山輸出されているらしい。B&Bで使われていたのが日本からの輸出品であったかどうかは不明だが、
この技術は日本ならではの感じがする。ちなみに海外の商品名は"KAMOI FLY CATCH RIBBON"だ。ひょとすると大判の
"KAMOI BIG RIBBON"だったかもしれない。嬉しくなってくる。
”創業から一貫して今日まで“粘着”商品の研究開発を通して社会へ貢献”(ホームページ引用)してきたカモ井加工紙も凄いし、
ハエ捕り紙でこれだけのことを書く小山内記者も凄い。私はこの項を書くだけでも四苦八苦なのだ。
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