第5日 6月20日(月) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
Mid Wales
テレビのニュースでNorth Yorkshireで洪水があり大きな被害が出ているとの報道だ。旅の後半に訪問予定の
Sutton-under-Whitestonecliffeというイギリスで最も長い名前の村が映し出されている。
訪問までにはまだ20日あるが復旧出来るだろうか。心配である。
今日は南ウェールズを後にし、北ウェールズへの移動だ。Pembrokeshire Coast National Parkや中部ウェールズは
今回は情報も少なくスキップした。それでも途中、幾つかの街を訪れて行こう。
A470をひたすら北上すれば北ウェールズだが、途中B道路に逸れ景色を楽しみたい。
一昨日訪れたLlangoed Hall、Builth Wellsを過ぎWye川に沿って進む。穏やかな山が重なり、豊かな牧草地が広がる。
Welsh Royal Crystal
ショッピング情報としてWelsh Royal Crystalを見付けた。
Rhayaderという街中にVisitor Centreがある。早い時間だがお客さんもちらほら見られる。
今年もワイングラスを求めようと決めてきた。4種類のパターンがあり2つに絞ったが、どちらのパターンにするかで迷う。
結局ケルト紋様の入ったCeltic Patternに決定。ワイングラス2客と、タンブラー1客を求める。満足行く買い物だ。
Elan Valley
美しい渓谷が見られるというElan Valleyに寄る。
Visitor Centreの脇を綺麗な水の小川が流れ、芝の広場が広がる。ピクニックを楽しむ家族連れなどで賑わう。
この大きな壁の向こうがダムだ。4つの大きな貯水池がある。放水されていたらさぞかし美しく涼しげな光景だろう。
あの橋の上がビューポイントか。Visitor Centreの入り口にLove Spoon(後述)を模した道標があった。
この奥のReservoirも魅力だが、北ウェールズを目指す。
Mid Wales
A470に戻り、途中からB4518に入る。時に小さな村を通り過ぎるが、おおかたは写真のようなパッチワークの光景だ。
牧草地・ジャガイモ畑・麦畑などの色の違いでパッチワークに見える。時折菜の花の黄色やポピーの赤なども混じる。
そして、緑の中に白いヒツジが茶色の牛が草を食む。こんな道を走っている間は眠気もやってこない。
A470に戻りA489を経てNewtownにやって来た。Laura Ashleyゆかりの地でありショップもあるとの情報だ。
情報で得た場所で見つからず、近くを歩いていた2人組の女性に聞くとショップは街の中だという。私たちも街まで
行くので案内するといって乗り込んできた。慌てて後部シートを整理し、2人を乗せ出発。何と10分も走ったか、
Newtownの中心街にやって来た。指示される通り駐車場に車を入れ、付いていくとショッピング・アーケードの中に
ショップがあった。じゃあ、お買い物を楽しんでね、と2人は去って行った。ところが琴線に触れるものがない。
苦労して来たのだから何か記念にと物色したが、見事な空振りだ。
気を取り直してドライブ再開。B4569で遠回りしてB4518に戻る。LlanidloesからLlanbrynmairまでの間の
景色は絶品だ。
写真下左の景色を臨む斜面に次の写真の家があった。新築の家で夫婦らしき2人がガーデニングにいそしんでいた。
エントランスやエクステリアも今正に工事進行中だ。二人の構想が見えてくる。あそこにあんなものが、こちらも面白いね。
でもこんなアイディアはどう?いや、こうした方が良いよ。などとしばし他人の家で楽しむ。こんな家が持てたら…は
言いっこなしにしよう。
Llyn Clywedog湖の眺めも最高だ。至る所がフォトポイントで、その都度止まっていたら先に進めない。水の色がその深さを
表し、思わず身震いする。中部ウェールズの豊かな自然を満喫し、北ウェールズに入る。
Plas Brondanw Garden
北ウェールズに入ると道路わきの山の様相が南と大きく異なってきた。南のなだらかで女性的な山に対し、
北の山は岩がゴツゴツとむき出しで男性的だ。高さも総じて南より高いようだ。
北ウェールズ最初の訪問地は
Plas Brondanw Gardenだ。
パーキングからは濃密な林の坂道を登る。入り口には誰もいない。今擦れ違ったコーチのお客さんたちはどうしたのだろう。
とにかく入れてもらおう。入ると小さな池があり、兵隊の姿?をした少年が持つ銃?から水が噴出している。
ガーデンは櫟の生垣とトピアリーで仕切られている。草花は多くない。この緑の中を周遊し楽しむ庭らしい。
空色と金色で彩色されたフェンスや扉がハイソな雰囲気を醸しだす。ゆったりと一巡り、緑と静寂を楽しむ。
結局入場料を払う場所は見つからなかった。
Portmeirion
情報収集の段階でPortmeirionはテーマパークであり、
ガーデン巡りの我々にはマッチしないと考えていたが、立ち寄ってしまった。案の定、後悔させられた。余りにも狭小な場所に
建てられた建物はいかにもまがまがしい。というよりまがい物か。
安くない入場料を払ったからというさもしさから、花のある場所を探して撮影。どうしてこれがイギリス人に受け入れられるのか?
聞いてみたい。Plas Brondanw Gardenの付けが廻ったのかもしれない。
Criccieth Castle
Lleyn Peninsuraの付け根の海岸の崖上に
Criccieth Castleが雄姿を見せた。
この城の歴史も13世紀に遡り、複雑な変遷があるようだ。私にはそおいった歴史は関係ない。このロケーションにこの城。
ただ登ってみるのみだ。強風に翻る旗が呼んでいる。(ただのおのぼりさん)
期待通りの絶景が展開する。眼下にはCricciethの街並みを見下ろし、白い砂浜がゆるく湾曲する海岸が伸びる。
海岸を見下ろす丘の白い建物はホテルか?リゾート・ヴィラか?。その先の雲に隠れた山はスノードン山に違いない。
風も心地良く、崩れた石の城壁から見るこの光景には心を洗われる。
リンボウ先生に出合った
景色に見蕩れていると、日本語が聞こえる。見るとお髭のおじさんと若い男女の3人組だ。「この城は日本人に占拠されたね。」
と上手いことを言うおじさんだ。「では…。」と分かれて暫し、妻が「リンボウ先生じゃない?」と言う。
「そうだよ!確かめなきゃ。」と引き返すと、3人で打ち合わせ中だ。お髭のおじさん(リンボウ先生)が
若い男(カメラマン)に撮影アングルを指示している。スケッチをするリンボウ先生を岩窓の中に撮るというのだ。
ムー、いいアングルだと、一人勝手に納得する私。私も1枚言われたとおりのアングルで。ついでにリンボウ先生を撮る
カメラマンも1枚。その間に妻は若い女性(編集者)に確認する。間違いなくリンボウ先生で、取材旅行中だとのこと。
リンボウ先生(公式サイト Rymbow Live!)は
「イギリスはおいしい」で日本エッセイスト・クラブ賞(1991年)を受賞されたエッセイストだ。私はこの本を機に
イギリスに関する著書を読んだ。イギリスの文化・衣食住・生活など様々なジャンルをテンポ良くユーモア溢れる筆致で
楽しませてくれる。イギリスへの思いを触発され、イギリスを理解する糧として大いに役立った。
当サイトでも「ラウンドアバウト Roundabout 」や「イギリスはおいしい 」に先生の名前が登場する。
そのリンボウ先生にお会いできるとは極めてラッキーだ。記念撮影をお願いし、握手して別れる。
専門は書誌学・国文学だが小説・詩・能楽・自動車評論などの著書多数で、音楽や絵画にも造詣が深い。詳しくは公式サイトを。
私が読んだリンボウ先生の著書
ホルムヘッドの謎 | 文芸春秋 | 1995年 |
イギリスはおいしい | 文芸春秋 | 1995年 |
イギリスは愉快だ | 文芸春秋 | 1996年 |
音の晩餐 | 集英社 | 1996年 |
リンボウ先生イギリスへ帰る | 文芸春秋 | 1997年 |
イギリス人のガーデニング | 世界文化社/別冊家庭画報 | 1998年 |
リンボウ先生の閑雅なる休日 | 集英社 | 2005年 |
Sygun Fawr Country House
今日からの宿は、Sygun Fawr Country Houseだ。A498から500m余りだが歩行者との擦れ違いもままならぬ道を行く。
1644年に建築された当時の部屋が3室残っていて、その1室に通された。私の生まれる丁度300年前に建てられたことになる。
部屋は少し狭いし窓も小さいが360年の重みを噛みしめよう。まさかユウレイは出ないよね。
スーツケースを解き、少しお洒落をしてディナーに向かう。Conservatoryでお薦めのWeles産のRosewineをいただき、
メニューを選ぶ。他の客と目が合うとグラスを上げて笑顔でGood Eveningが返ってくる。気持ちが良い。
準備が出来ダイニングに通される。ここも360年前からの部屋だ。真っ黒なむき出しの梁は低い。重厚な雰囲気だが
肩がこるというほどのものではない。打ち解けたムードだ。階段下の席が今日から5食の指定席となった。
メニューはうろ覚えだが左から、レバーのパテ、モッツァレラチーズとアボカド、ラムのグレービーソース、
海老とコッドのソテー、付け合せ野菜だ。
メインは写真撮影前に手を付けたことが明白だ。デザートは半分以上食べてから気が付いたので写真なしだ。
デザートが済んでConservatoryでチョコレートとコーヒーを楽しんでいると、支配人がやってきてチーズは食べないのかと聞く。
チーズもあったのだ。でも、もう満腹だ。
食後は暮れなずむお庭の散策。多肉植物が花を付けていた。左の花は何だろう?
少し寒さを感じ室内に入り、ラウンジでスコッチをいただき寛ぐ。
我々より少々年配のご婦人が顔を出し話をする。旦那は読書をしていて相手をしてくれないと嘆く。
今日スノードンの登山電車は頂上までは行けなかったとのこと。下界ではあんなに晴れていたのに、山上は悪天だったのだ。
我々は明日にすべきか?明後日にすべきか?晴れてくれると良いのだが。ご夫人は「余りほっとくと心配するから。」と
部屋に帰った。愛犬同伴のお客さんもいるようだ。散歩させている姿が見える。
”Topic” Love Spoon Topic一覧はこちらへどうぞ
Love Spoonは数百年前からWelesの
若者が思いを寄せる女性に愛の告白をするために贈ったものだ。それは1本の木から手彫りされ、
彫り込まれるシンボルにメッセージを込めたというロマンティックなものだ。
現在ではウェールズ土産としてポピュラーであり、婚約・結婚式・結婚記念日・誕生日・クリスマス・バレンタインデイなどにも
贈る習慣が、広く世界中に拡がっているという。土産物屋の店先のカゴに並べられたリーズナブルなものから、一流の手彫師の
手による高価なものまである。ウェールズ訪問記念としてPaul CurtisのHand Carvedの作品を2点購入した。
共に長さ26cm。添付ラベルもスキャンした。
Love Spoonのシンボルに込められたメッセージ
ハート (Heart) | 不変の愛 | ケルト紋様 (Celtic Knotwork) | 永遠の愛 永遠に一緒 |
ベル (Bell) | 至福の結婚 | 籠の中のボール (Ball in Cage) | 子供の数 |
鎖 (Chain) | 永遠に一緒に 子供の数 | 十字架 (Cross) | 神の祝福を |
ひし形 (Diamond) | 富 幸運 | 馬蹄 (Horseshoe) | 幸運を |
鍵/鍵穴 (Key/Keyhole) | 安全 私の家はあなたのもの | 錨 (Anchor) | 固定した愛 |
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