第7日 6月22日(水) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
Sygun Fawr Country House
今朝はグレープフルーツジュースとヨーグルトでスタート。初めてキッパーをいただいた。ニシンの燻製と聞いていた。
かなり強いスモークだ。油も乗っている。これにトーストだが少し物足りない感じだ(フルウェリッシュのボリュームに較べて)。
妻は卵料理をスクランブルに変えてのフルウェリッシュをぺろりと平らげている。
さて、今日は北ウェールズでの2大お楽しみのスノードン登山電車とボドナント・ガーデンだ。お天気もまずまずだ。
その前に昨日預けたクリーニングを受け取りにCaernafonに廻る。覚めやらぬCaernafon Castleを横目に、
まだ買い物客も観光客もまばらな商店街でクリーニングを受け取りLlanberisに急ぐ。
Snowdon Mountain Railway
スノードン山への登山電車
の山麓駅はLlanberisにある。到着は10時。チケット売り場に急ぐと、そこには”Rocky Valleyで折り返し”とある。
残念!今日はサミットは強風のため途中のRocky Valleyまでなのだ。仕方ない。それでも次の10時30分発は満席で、
11時発の往復切符となる。
駅前の広場は人で溢れている。操車場では蒸気と煙が上がり石炭を焚く匂いがしてくる。期待は高まりそわそわして来る。
10時30分発はディーゼル機関車のようだ。我々の機関車は蒸気だと良いのだが…。
昨日Conwyでお会いした日本人ご夫妻に会う。11時30分の便だという。妻は日本人と間違えて声を掛けた韓国人と、
その友達のコッツウォルズ在住のイギリス人と話しこんでいる。土産物店などひやかして10分前に乗り場に戻ったら、
もう大勢の人が乗っている。駅員に急かされ開けてくれたドアーから乗り込む。
窓際は先客に取られた。残念!それにつけても、イギリス人は早くから並んで待つものだ…。
客車は1両だ。4名がお見合いで計8名のコンパートメントが7つで定員56名だ。これを機関車が後ろから押して登る形だ。
我々の機関車もディーゼルだ。残念!
スタート直後は穏やかな牧草地帯を進む。線路の直ぐ近くでヒツジが草を食む姿も見られる。
しばらく進むと右は深い谷となりずっと下まで放牧場が続く。左は岩だらけの急な崖となる。あの岩が落ちてきたら、
この小さな電車はひとたまりもない。背筋が寒くなる。
そこかしこで登山者が手を振ったり、カメラを構えたりしている。子供連れや犬と一緒の人も多い。
この急坂は下りでも厳しいことだろう。時折、霧が視界を塞ぐ。
電車はHalfway Stationを過ぎいよいよ急峻な坂を上る。椅子は硬くて床に対し垂直だから急坂に来ると、
進行方向に背を向けている乗客は、前のめりになる。極めて腰に良くない。
しばらくして両脇が谷になった尾根で停車する。ここがRocky Valleyだ。駅ではない。はるか下に見える道路はA4086だ。
霧が谷底から涼気を連れて吹き上げてくる。心地良い。10分ほどの停車の間にすっかり晴れてきた。
この分なら頂上までいけそうな…と未練を残して下山となる。(後で聞いたところ、この日は終日Rocky Valleyまでだった。)
下の5枚は停車中の同じ位置からの撮影だから、代わり映えしないが悪しからず…。
Snowdon Mountain Railwayの駅は下から、Llanberis(標高 104m)、Hebron(標高 350m)、Halfway(標高 500m)、 Clogwyn(標高 779m)、Summit(標高 1,065m)の5駅だ。売りは何と言ってもスノードン山とアプト式電車だろう。 看板が物語る。Since 1896とある。100年以上経って今なお保存され、運転されていることが凄い。嬉しい。
アプト式(アブト式)と言われるが、公式サイトではRack and Pinion Railway(アプト式の一種)と記載されている。
写真下中央のレールの間の歯型(Rack)と機関車に設置された写真上右の歯車(Pinion)がかみ合い強力な推進・制動力を得る
仕組みだ。いかにも力強く頼もしい。保線の係員が点検している姿も見えた。。
雄大な景色の中をゴトゴトと登ってくる電車はおもちゃのように可愛い。もちろん単線だ。駅以外にも複線部分があり、
そこで擦れ違う。先ほど会ったご夫妻とも手を振って擦れ違う。お先に。
Llanberis Lake Railway
Snowdon Mountain RailwayのLlanberis Stationの目の前が
Llanberis Lake RailwayのLlanberis Stationだ。
湖畔鉄道も魅力だ。13時30分の便のチケットを求めると、3本後の16時の最終便しか残っていないと言う。人気の鉄道なのだ。
今からBodnant Gardenへ行って戻ってくるのはタイトなスケジュールだ。残念!(今日は残念が多い)諦めよう。
電車が巡る湖はLlyn PadarnだからPadarn Lake Railwayとも呼ぶのだろうが、ややこしい看板だ。
昔はスレートを運んだトロッコに花が植えられている。超狭軌が良く分かる。後方にはPadarn湖が青く横たわっている。
Bodnant Garden
Bodnant Garden
はウェールズで最も人気の高く最も美しいGardennとされる。
ここの呼び物は何と言ってもキングサリのトンネルとCanal TerraceのPin Millだろう。楽しみだ。
写真が美しいサイトはこちら。
さすがに広大なパーキングを有す。入園すると80エーカーの庭にトイレはない。パーキング脇のトイレで済ませてから入園しよう。
(私はこれで時間のロスと我慢を強いられた。)
National Trustであるから会員証を提示して入園すると、右側の高く長い塀に沿ってボーダー・ガーデンが続く。
(塀の中はナーサリーで帰りはここを通ってでる。)高さと厚みのあるボーダーだ。パープルを基調とした色合いも相まって
重厚な雰囲気だ。先に見えるホールもそれに一役買っている。
ボーダーが終わった地点を真っ直ぐ進めば、ホール前のテラスガーデンに行けるが、楽しみは後に回し外回りを巡ってみる。
石楠花やつつじの花は終わってしまったが、樹木の大きさ・数・形・色に魅了される。その多くは18世紀に植えられたという。
緑色って何種類あるのだろう。枝はどこまで伸び、どこまで広がるのか。木々の間からホールが覗く。
瀟洒なお屋敷(Bodnant Hall)はAberconway卿がお住まいで公開されていない。ホールの直ぐ前のテラス(写真下右)は
バラやカンパニュラの花壇だが、最盛期を過ぎたことを考慮してもいまいちの感がある。
2段目のテラス(写真下中)は緑のローンテラスだ。
2段目のテラスから3段目のリリーポンドを見下ろす(写真下左)。睡蓮の咲く池は空の色を映して美しい水色だ。
その先は広大なウッドランド(ここはDellと呼ばれるランドスケープらしい。広大な森の中には、川が流れ、滝が落ち、
Mill Houseがあり、季節にはつつじや石楠花や椿が咲き乱れるらしいが、今日は残念ながら時間がない。)
の上にスノードニアの山々が連なる。
3段目から4段目のローズガーデンと5段目のカナル・テラスを望む(写真下中)。ローズガーデンは盛りを過ぎていた。
ローズガーデンからカナル・テラスへは2段の優雅に湾曲したパーゴラの下を進む。両脇の花は大きな豆のような種を付け
行く手を阻む。下り口には美しく少し艶めかしいスフィンクスが鎮座していた(写真下右)。
呼び物のThe Pin Millが見えてきた。予想以上に可愛い建物だ。Gloucestershireの運河(Canal)の脇ににあったサマーハウスを
1930年に移築したものだというが綺麗に保存されている。
写真左はローズガーデンからのPin Mill。4隅に睡蓮が咲くCanal Pondの水面に映Pin Millを狙ったが、風でさざ波が立ち
少しボケてしまった。残念!
Canal Pondを挟んでThe Pin Millの反対側のテラスだ(写真下左)。この緑の椅子に座りたくて空くまで根気良く待った。
この雄大なシチュエーションはその価値ありだ。天気も最高!
ウォーターテラスのリリーポンドでもう一度足が止まる(写真下中)。このガーデンの値打ちは200年を越す歴史だとつくづく思う。
その先のスノードニアは有史以前の尊さだ。
レストランで冷たい飲み物を求め、パーキングに戻り車の中でショートブレッドの昼食をとっていると、
直ぐ前の草むらで動くものがいる。見ればウサギではないか、この目の大きさは何とも可愛い。これこそイギリス。
もう一つの呼び物がキングサリのトンネルだ。5月末から6月始めが見頃と聞いていた。是非見たいとは思ったが、
この1ヶ月の旅行の最良の時期を模索した中で、Bodnantのキングサリは諦め、この日程にしたのだ。しかし、
そのトンネルをくぐることはしておきたいと場所を探す。手入れ中のガーデナーに聞くと、入り口の直ぐ近くにあったのだ。
何とそれは私たちを待っていてくれたのだ。強い陽射しの木漏れ日を受け、正に金色に輝いていた。キングサリだ。
トンネルだ。このLaburnum Archは55メートルもある。時期外れだけに訪れる人も少ない。我を忘れ叫んでしまう。
ファンタスティック!!!やって来た母娘カップルも同じように叫んでいた。娘さんにツーショットの写真を撮ってもらったのだが、
頭上のキングサリより足元の道路の方が広い構図だった。残念!
Conwy Teapot Museum
北ウェールズでの2大お楽しみのスノードン登山電車とボドナント・ガーデンをたっぷり楽しんだ。
”残念!”が多かった様だが、それは望むべくかなであり、紛いもなく今日はウェールズのトピックであろう。
時刻は16時。さて、何をしようか。幾つかのアイディアの中から、Conwy Teapot Museumを選択する。
勝手知ったる道路(結構土地勘は良いのだ)を走り、コンウィ城下へ。今日はCastle Streetにスペースを見つけ駐車する。
その直ぐ前がConwy Teapot Museumだ。しかし、入り口は閉まっている。架かっていた札には”御用の方は隣の○番の呼び鈴を
鳴らせ”と書いてある。しかし、その家は外科医のようだ。散々迷ったあげく、恐々とブザーを押してみた。
女性が出てきて”ミュージアムはクローズドだけれど、ショップだけならオープンします"と言う。それで良いと言うと、
ゲートを開けてくれた。
バックヤードの花を楽しみつつショップに入る。小さなスペースに、これでもかとティーポットが並んでいる。
あれもこれも楽しい。すっかりミュージアム気分で楽しみ迷った末、一つのティーポットを選ぶ。
昨年Cardew Tea Potteryで購入したアフターヌーン・ティーのポットの小型版が置いてあったので、”これと同じものを
持っていると自慢したら、”それはもう作られていない。”なのか”その会社は閉鎖した”というニュアンスの返事だ。
良く分からないが、いずれにしても良い買い物だったとしておこう。(帰国後Cardew Tea Potteryのサイトを見たところ、
会社は存続するようだが、サイトの内容は様変わりであり、どこかが変わっている様子である。)
Snowdonia National Park
帰りはB道路のドライブを楽しもうとB5106に入ったつもりが、どこでどう間違えたのか(土地勘は良かったはずだが)
とんでもない山道に迷い込んだ。遥か彼方にConwy Bayを見下ろせる。思惑とは反対の方角に出てしまったようだ。
(Sychnant Passの奥深く、名前もない道を走ったようだ。)
結局、A55−A5−A4086−A498と繋いで戻った。どこを通ってもスノードニアの山々は美しく絵になるのだ。
人工物はほとんど見当たらないかのようだが、これも手の入れられた自然なのだ。余りの絶景に停車し見蕩れることしばしばだ。
Country Houseへの狭い取り付け道路の民家の庭先で奥さんと食事をしているマクレガーさんを発見。向こうもこちらに気が付き
道路に出てきた。ここが自宅で一昨日は友達がCountry Houseに泊まっていたので一緒にディナーをしたのだと言う。
ウェールズを存分に楽しんでください。と送られる。
Sygun Fawr Country House
Country Houseに戻るとゆっくりする暇もなくディナーの時間だ。スターターはお互いに一昨日のものを推薦し合い、
妻はレバーのパテ、私はモッツァレラチーズとアボカドにした。メインは妻がウズラのソテー、私はまたしても
スモークサーモンだ(白ワインにこれが好きなんです)。
今日はデザートの写真を撮り忘れないようにと思い続けていたはずなのに、気が付いた時には半分なくなっていた。
オーダーを軽めにしたのはチーズもいただきたかったからだ。色々並んだ中から3種ほど選び楽しむ(私だけ)。
食後はラウンジで妻はコーヒー、私はまたしてもシングルモルト(これが好きなんです)。
イギリスの夏は22時を過ぎても明るい。Sygun Fawr Country Houseも最後の夜だ。もう1度周辺を散策する。 しじまの中に柔らかなピンクのバラがしっとりと咲いている。豊かな3日間だった。またいつの日にか訪れたい。
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昨年までの10日くらいの旅であれば、下着類は風呂のついでに洗えば済んでしまった洗濯だが、1ヶ月となると
色々と悩みの種だ。下着は100円ショップで求めたものや使い捨てのペーパー下着なども幾つか持ったが、シャツやズボンは
そんなに多く持つ訳にはいかない。
案の定Horse Ridingでズボンが汚れてしまったし、天気に恵まれ汗でシャツも汚れた。ドライクリーニングをしたい。
という訳で、ここ南ウェールズCaernafonの商店街のドライクリーニング店と、スコットランドではDumbartonという
街のスーパーマーケットの中のドライクリーニング店を利用した。大きな街を外して宿泊する我々にとっては、
預けるのは観光の途中だから良いとして、それを受け取りに行く時間がロスとなった。止むを得まい。
ドライクリーニングの仕上がりは明らかに日本に軍配だ。
一方下着だが、ペーパー下着は肌に馴染まなかった。100円ショップのシャツも安かろう悪かろうの見本だ。
そこでB&Bで洗濯機を借りようとお願いしたところ、1ヶ所ではゲスト用の洗濯機が用意されており、1ヶ所では有料でOK、
後2ヶ所では「こちらでやってあげるから、持っていらっしゃい。」との嬉しい返事が帰ってきた。
お蔭で大助かり、快適ライフだ。
帰国後、その1軒からメールが届いた。「無事に帰国しましたか。あなたの小さなソックスが私の洗濯物に混じっていました。
お送りしましょうか?」と。妻のソックスが片方、行方不明だったのだ。嬉しいメールへの返事は「その必要はありません。
何時か再びスコットランドを訪ねます。」だ。
写真たっぷりの旅行記をご覧ください
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