第9日 6月 7日(木) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程 La Fosse --- Milton Abbas --- Branksome China --- The New Forest Centre ---
Fairweather’s Garden Centre --- Burley Fudge --- La Fosse
今日の走行距離 230km
今日の万歩計 15,300歩
出発時点の気温 14.5℃
ラ・フォセ La Fosse at Cranborne
今朝も雨が降っている。テレビの天気予報では"Hard rain and windy"と言っている。早めに目が覚めてしまったが、朝食は8時からだ。
昨日パスしたものと今日の予定を含め、雨用のスケジュールの見直しをするが、元来アウトドア派だから室内のアトラクションは予定していない。
ショッピングくらいしかない。妻はポストカードを数葉認める。
フレッシュフルーツだけでなくドライフルーツやジャム、蜂蜜など色々用意されている。私はヨーグルトにレーズンと?ジャム、妻はストロベリーを選んだ。
ホットミールは私はスモークトハドックとスクランブルエッグ、妻は今朝もスモークトサーモンとスクランブルエッグだ。余程のサーモン好きだ。
ミルトン・アッバス Milton Abbas
昨日の訪問予定であったミルトン・アッバスは見逃せない。18世紀の家並みが残る村である。
オープン時間も関係ないので、朝一番で向かう。
9時40分到着。降りしきる雨の中、まだ村は眠りの中のようだ。東から村に入る。林が開けると唐突にその村は現れた。村は眠っているが、こちらは目が覚めた。
通りに幾つか車は止まっているが、景観の邪魔にならないよう村の外れに車を止めて降りる。
雨もものかわ、夢中でシャッターを押す。どこか高いところから撮りたいが、それらしい場所も見当たらないし、足元も極めて悪い。
今度は晴れた日に脚立持参で来よう。と真剣に思う。今回は間に合わないのでGoogle Mapを参照あれ。
この美しい家並みは”イギリスで最初の計画的に造られた村(The first planned settlement in England)”といわれる。
1780年に初代ドーチェスター伯爵(1st Earl of Dorchester)のミルトン卿(Lord Milton)が建築家のウィリアム・チェンバーズ(William Chambers)と
ランドスケープ・ガーデナーのケーパビリティー・ブラウン(Capability Brown)に造らせたものだ。錚々たるメンバーだ。
と言うと、”立派な伯爵様”に見えるが、それがどうやら違うようなのだ。私が集めた情報の中から勝手に解釈したストーリーはこれだ。
上記"Google Map"を左上に動かすと"Milton Abbey School"がある。当時は"Milton Abbey"だったのだが、その南に新しい邸宅を上述の二人に造らせたのだが、
新居の南にあった村の景色が気に入らなかった伯爵は村を破壊し、森や湖を造らせたのだ。これが18世紀に流行ったランドスケープ・ガーデン(Landscape Garden)なのだ。
その村人たちを移住させたのが新しく造ったミルトン・アッバス村という訳だ。十分な軒数が確保されていれば問題はなかったのだが、
36軒しかなく1軒に大勢が押しこまれったのだという。中には抵抗する者もいて裁判沙汰になったとの記述も見られた(伯爵が敗訴)。イギリスの階級社会の一端だ。
それは兎も角、さすがに当代一流の建築家とガーデナーによるものだ。緩やかに湾曲する広い通りに広い芝の前庭、家と家の間も広く当初は
"Chestnut Tree"で仕切られていたのだ(1953年病気のため伐採)。家の裏の森の植栽も見事なものだ。
家は白く塗られた土壁に草葺の屋根、教会やパブもあったのだ。230年後にこんな景色を楽しめるのも、伯爵様の横暴のお陰となると複雑なものだ。
イギリスでは個人の家に名前がついているが、ここの建物にも嘗ての職業が偲ばれる名前が付いている。"Baker"、"Blacksmith"、"Brewery"などだ。
現在は救貧院(Almshouses)、パブ(Pub) 、郵便局(Post Office / shop)、学校(School)、教会 (Church)などの他は個人の家だ。
古い家並みは西の"Old Barn"(写真下左)から東のパブ"Hambro Arms"(写真下右)まで500m余りの道則だが、道路を川のように雨水が流れている。
今度来る時には本当にB&Bで脚立を借りてこよう。
渋滞 Queues Likely
楽しみにしていた馬車は無理だろうと思うが、10時になったので電話をしてみると、「トゥデイズ オール キャンセルド」とのことだ。 VTRで小川か? フォードか? を走るシーンを見て、 是非にと楽しみにしてきただけに残念だ。またの機会としよう。
今朝書いたポストカードをポストオフィスのポストに投函し(写真下上から2枚目)、出発する。次のガーデンを目指し、A354を南下し始めたところで、
迷ナビが「ミルトン・アッバスのポストオフィスでポストカードを買えば良かったわ」と言い出す。Uターンして戻る。ナビ子ちゃんは再検索に余念がない。
さて再出発するが、雨は益々酷くなってくる。このままガーデンに着いたところで見学どころではない。
「今日のガーデン巡りは”オール キャンセルド”」と宣言、ニュー・フォレスト(New Forest)での買い物とドライブに変更する。
先ずはお目当てのボーンチャイナの工房を訪ねることにする。
4日のラ・フォセの項で述べたように、2002年宿を探して時間を費やした挙句、
満室だった宿泊施設付きレストランで紹介していただいて泊まった街フォーディングブリッジ(Fordingbridge)にある店だ。そういえばあの日も土砂降りだった。
ところが、A31がウィンボーン・ミンスター(Wimborne Minster)とリングウッド(Ringwood)の街を通り過ぎるのに渋滞で時間をロスする。
雨で景色も楽しめずストレスとなるが、"Queues Likely"の道路標識にはクスリと来る(写真右)。
ブランクサム・チャイナ Branksome China
店のホームページに載っていたパーキングまではナビ子ちゃんが難なく導いてくれた。しかし、雨が強いので車の中で待機しているとスーパーマーケットの案内が見える。 丁度ナイトキャップも切れているし、物色しようと外に出る。スーパーまでの50mを傘を差して歩いたのに足元は再びずぶ濡れだ。 トイレを借り、色々目星をつけ、帰りに買い物することにして外に出る。スーパーの表がハイストリートだ。先ずはマークが教えてくれた店を探す。 ハイストリートにあるとのことだったが、見つからない。それらしき店に2、3軒入ってみるが希望に適うものはない。諦めて本命を探すが、 これが一向に見つからない。向こうからやってくる長身の絵に描いたような紳士・淑女(紳士は黒、淑女は赤のレインコートで強い雨が降るのに傘は差していない)に 訊ねてみた。親切なことに小柄な妻が手にする資料を屈み込むように覗いて見てくれて「知っている」と大きく頷いて丁寧に教えてくれた。 二人は颯爽と近くのレストランのドアーに吸い込まれた。
ブランクサム・チャイナはさっきパーキングに入る時に通った通りにあった。 如何にナビ子ちゃん任せで運転しているかが分かる。想像よりずっと小さな店だ。工房にも人影はない。ランチタイムかもしれない。 店主らしき男性が現れる。「見せてもらって良いか?」と問うと、ショーケースの説明をして奥に去った。 じっくり品定めし、カップ・アンド・ソーサーを2客とスープ皿2枚を求めることにする。 店主を呼んでオーダーすると品物を揃えるのに時間がかかる。チェックをしてOKを出すと、ラッピングにまた時間がかかる。 支払いの段になって「チェックはOKか?」と訊ねると「銀行に訊いてみる」と電話を掛けた。一旦切って「どこの銀行のチェックか?」と言うので、 チェックを見せると再び電話を掛ける。長々と話しているので「ダメなら結構」とクレジットカードを示すが、電話は終わらない。 やっと終わったと思ったら、使えない理由をあれこれ話す。こちらにとってはOKかNOかが問題なだけだ。最後は「時間がないから急いでくれ」だ。
トラベラーズチェックは昨年久しぶりに購入したが、ほとんど使わなかった。今年は積極的に使おうと決めてきたが、使える店がなかなかない。
ダーンハースト・ハウスでもNOだった。銀行で換金してもらうしかないのかもしれない。
ところで、ブランクサム・チャイナは1945年創業だ。店のポリシーは"Fine and light , yet strong and durable , designed for everyday use"だ。
"twin -tone pastel"が売りでそれがとても気に入った。毎年の結婚記念日にはカップ・アンド・ソーサーを1客ずつ求めているが、
リーズナブルな価格なので今年は久しぶりにペアーで求めることにした。そのカップ・アンド・ソーサーは
結婚記念日 カップ・コレクションをご覧いただくとして、
もう一つのスープ皿(Soup bowl two handled)は写真右のように内側はライト・イエロー、外側がライト・ブラウンで把手が付いた面白いデザインだ。
長径18cm、深さ5cmだ。(真横から見た写真は拡大写真から とても重宝している)
スーパーでスコッチほか求める。パーキングに戻ったら、ペイ・アンド・ディスプレイの時間を5分過ぎていた。
ニュー・フォレスト New Forest
後はニュー・フォレストで遊ぶことにしよう。
ニュー・フォレストは1097年、かのウィリアム征服王がこのエリアを自分の鹿狩りの猟場とし、"New Hunting Forest"と名付けたことから、
1000年経った現在も"New Forest"なのだ。それゆえに古代の森が残っているのだ。国立公園(National Park)に指定されている。
先ずはThe New Forest Centreがあるリンドハースト(Lyndhurst)に遣ってきた。
しかし、雨が激しいので外で遊ぶことが出来ない遠足の小学生で溢れかえっている。ショップも買い物どころではない。
そこで情報のあった木工製品の店"Down to the Wood"を覗く。
凄い雨だ。お店も雨宿り小屋のように子供でごった返していた。おもちゃも置いてある店だから保護者も安心して選んだのだろう。
面白いもの、楽しいものが一杯ある。こちらも童心に返って、色々触ってみる。"Rose Puzzle Box"なる小物入れが女性向けお土産にぴったりだ。
開けるのにほんのちょっとの細工が必要なシークレット・ボックスだ(13cm x 6cm x 9cm)(写真右上)。
妻を含め我が家の女性4人と友人用に5つを求める。これで在庫0、日本人の買占めだ。
もう一つは木の形をした置物だ。デザインした木の木材を使って彫刻してあるという(写真右)。グッド・アイディアだ。自家用に求める。
ニレの木(Elm Tree 左)と胡桃の木(Walnut Tree 右)だ。高さはそれぞれ、18cmと14cm、厚さは2.5cmとしっかりした作りだ。
ここでクイズ=”木は重いか? 軽いか?”。 答=”旅行者にとっては重い(しかも嵩張る)”
次はガーデンセンターに行ってみよう。雨のB3056を進むと牛の群れに行く手を阻まれる(写真下左)。毎度のことだが、これには勝てない。
"Fairweather’s Garden Centre "の目の前まで来ていながら、
そこはレストランと思い込んで、先を探す。ナビ子ちゃんが導いたのはさっきと同じ所。ナビ子ちゃんに指示を入れ直してスタート。
また同じ場所に着いた。レストランはガーデンセンターの中にある"Steff's Kitchen"で、自慢のレストランだったのだ。
15時30分、ティータイムのお客さんでここも大混雑だ。
ガーデンセンター巡りで一番楽しみなのはオーナメントやオブジェ、特にフェアリー物を探すことだ。持ち帰りを考えると大きさ、重さも制限され、
なかなかお気に入りは見つからないものだ。残念ながらここでも空振りだ。次の楽しみはガーデンで見つけた陽だまりで育ててみたい草花の種探しだ。
豊富な種類が揃っているが、これもなかなか見つからないことが多い。ガーデンで気に入ったものが宿根草であることが多いから、
種からというよりは苗の需要・供給となるのだろう。ここでは4種類の種をゲットする。1袋£1.99〜4.70、決して安くはない。
リングウッドの東5kmに、ローカルロードしか通わないバーリー(Burley)という小さな村がある。ここに
"Burley Fudge"というファッジ屋さんがあるとの情報だ。
ファッジとはイギリス発祥のお菓子で砂糖、牛乳、バターを加熱溶解し、型に入れて冷やし固めたものだ。さまざまなフレーバーやナッツ、ドライフルーツなどを
混ぜたものある。とても甘いのだが、これがスカッチに合うから不思議だ。もちろん紅茶のお供にぴったりなのだ。口の中でほろりと融け崩れる食感が良い。
旅のお土産は最後にヒースローで求めれば一番楽なのだが、それだけではつまらない。地方の専門店などで求めたものを渡せたら、土産話も膨らむというものだ。
路上に車を止め店を探す。小さな村だから直ぐに分かった。それより面白そうな店が沢山並んでいる。ファッジは重いから後回しにしてお店を冷やかすことにする。
"Magpies Nest"は”がらくた収集家の隠れ家”といった意味だろうか、小さな店に小さなものが沢山並んでいる。ショーケースにおでこがくっつくほど近付けて品定めする。
高さ4cmしかないフェアリーが見つかる。連れ帰ることにしよう。
続いてマドラーのヘッドに鹿の頭がデザインされたものを見つける。長さは21cmだが、ヘッドの部分は2cmほどで銀製だ。
”ニュー・フォレストと鹿”はマッチする。マドラーも幾つかあって日替わりにすればナイトキャップも美味しくなるというものだ。
雨も上がり店先のアイスクリームのコーナーでは可愛いエプロン姿の女性がにこやかに勧めてくれるが、寒くて食指は動かない。
”ほうきに跨って空を飛ぶ魔女”の看板が気に入って"Coven of Witches"に入る(写真上右)。店中、魔女・魔女・魔女だ。何にでも魔女がついている。
店名どおり”魔女の集会”だ。残念ながらフェアリーはいないようだ。店の奥半分は魔女のコスチュームがずらりと並んでいる。ちょっと妖しい雰囲気だ。
他にも魔女グッズの店がある。"Witchcraft"とか"Odd Spot"などだ。その一つ"Sorcerors Apprentice"(魔法使い の見習い ゲーテの詩のタイトル)の
ショーウインドーにフェアリーを発見する。高さ10cmの可愛いものだ。4種類あったが、二人だけを連れ帰ることにする。
左はひまわりの精、右はドングリの精を表しているようだ。
バーリー・ファッジは随分流行っている。この分ならきっと美味しいファッジだろう。大量纏め買いだ。
雨に祟られた1日だったが、雨のお蔭でショッピングを楽しむことが出来たと考えれば楽しい1日を過ごせた。
ニュー・フォレストで検索した写真の中にぶなの木(Beech Tree)の巨木の並木を見た。場所は定かに特定できなかったが、
見当を付けた辺りの細い横道を何本も走ってみた。写真で見たような光景には出合えなかったが、鬱蒼とした森の静けさの中で野生の馬を沢山見かけた。
白馬が1頭だけこちらに向かって駆けてきた時には思わずブレーキを踏んだ(写真上中2枚)。森の中でナビ子ちゃんにB&Bをセットすると
自分ではとても選択できない細道のドライブを楽しませてくれた。今日は早めの18時帰館。
ラ・フォセ La Fosse at Cranborne
今宵のディナーは19時スタート。ラ・フォセでは4泊で3回目のディナーとなる。それ程評価できるということだ。オーダーは妻が
・ Land and sea asparagus salad with a mustard dressing ・ Slow cooked Aberdeen Angus steak and veal kidney with saute potato
and chestnut mushrooms で、私が
・ Blue cheese snd green vegetable soup ・ Char grilled lempn marinated chicken with warm potato salad
今年の旅で印象に残る食材は"Sea Asparagus"だ。何軒かで供された。海草かと思ったが、塩生植物といって海水で育つ野菜のようだ。
歯触りがシャキシャキしてとても美味しい。ミネラルも多そうだ。ちょっとはまった食材だが、まだ日本のスーパーでは見つけていない。
ブルーチーズのスープは美味しかった。青かびの香りが鼻腔をくすぐり、ワインが進む。スープはワインと会わないと思っていたが、どうしてどうして。
自家製パンも出されてはいるが、こちらの主食はポテトだと思う。様々な調理がなされて供されるし、美味しい。
ラ・フォセ最後の夜をゆったりと過ごす。これぞRestaurant with Roomsの醍醐味だろう。
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