
第12日 6月 10日(日) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程 Eastwrey Barton --- Dartington Crystal --- Rosemoor --- Abbotskerswell Gardens(NGS) ---
Babbacombe Model Village --- Bovey Tracey Gardens(NGS) --- Eastwrey Barton
今日の走行距離 192km
今日の万歩計 17,600歩
出発時点の気温 13.5℃
イーストウェリー・バートン Eastwrey Barton
今年の旅はお天気に恵まれなかった。今朝も陰鬱な雨が落ちている。サンルームからの景色も台無しだ。
今日は昨朝に特に美味しかったベーコン、マッシュルーム、スクランブルエッグの3品にする。
ブラウン・ブレッドのトーストにバターとジャム、ミルクティーで腹ごしらえは十分だ。今日も盛り沢山のスケジュールが待っている。
今夜のディナーもB&Bでいただくことにする。それには午前中にオーダーしなければいけない。メニューはスターター、メイン、デザートが
それぞれ2品ずつしかないから迷うこともない。20時スタートでお願いする。これで心置きなく観光が出来る。
ダーティントン・クリスタル Dartington Crystal
ここまできたら英国王立園芸協会(The Royal Horticultural Society RHS)のローズムーアに行っておきたい。地図で見ると南デボンから北デボンまで
遠くに感じるが、AAのルートプランナーによれば1時間足らずで着くのだ。
ローズムーアに行くならダーティントン・クリスタルも直ぐ近くだ。
過去2回訪れて、ワイングラスや、タンブラーなど求め、納得のショッピングが出来た。ということで、B&Bから丁度1時間で遣ってきた。
この冬のこと、ガラス製の水差しにうっかり熱湯を注ぎひびを入れてしまった。代わりを求めるのが今回の目的だ。
水差しは"Jug"とか"Pitcher"の名で置かれているが、品揃えは多くない。大きさ、形、価格など勘案の末、取っ手(ハンドル)が
"Forest"と名付けられた緑色のジャグを選ぶ(写真右)。
ショーケースの中でクリスタルの飾り物が光り輝いている。記念にとは思うが、価格票を見ると手が出せない。
隣に美しい文鎮(Paperweight)が並んでいる。こちらなら何とか手が出せそうだ。球のガラス(価格から推察するにクリスタルではないだろう)の2面を
カットして、その1面が底になり、他の1面から中に仕込んだサファイア色の花(Sapphire Blossom)と回りにプリントしたパステルカラーのドットが浮かび出る仕組みだ(写真右)。
きらきら輝いて美しい。子会社のケイスネス・グラスという会社の製品らしい。
イギリスではペーパーウェイトで知られ、王室御用達の有名な会社なのだという(過去形かもしれない)。
ここでスーツケースに入らなかった ウォール・アーチの梱包用の段ボール箱を分けてもらえないかと、店の裏口など覘いてみるが見当たらない。まだ先がある。焦るまい。
英国王立園芸協会 ローズムーア RHS Rosemoor
王立園芸協会(The Royal Horticultural Society RHS)は園芸を愛する人々に奉仕することを目的とした公益法人で、1804年の設立だ。
総裁はエリザベス女王が務められ、世界の会員は約37万人で、会員に様々な情報を発信し、 園芸の普及と発展のための活動をしている。
ナショナルトラスト(The National Trust NT)、 ナショナルガーデンスキム(National Garden Scheme NGS) と共に英国のガーデニング文化を支える組織だ。
さすがに”庭師の国”、”ガーデニングの本場”イギリスだ。(マイサイトの中で過去2回同じことを記述した)
RHSは、ここの他にウィズリー(Wisley サリー州)、ハイド・ホール(Hyde Hall エセックス州)、
ハーロウ・カー(Harlow Carr ノース・ヨークシャー州)と3つのガーデンを所有し、公開している。ローズムーアは3回目。ハーロウ・カーは2回、
ウィズリーは1回訪れている。ハイド・ホールはまだ未訪問だが、近い内に訪れたいと念じている。
RHSは最も有名なフラワー・ショーのチェルシー・フラワー・ショー(Chelsea Flower Show)を始め幾つものフラワー・ショーを開催している。
また、ブリテン・イン・ブルーム(Britain in Bloom)という自治体単位の園芸キャンペーンでいわゆる花の街・村コンテストだ。
自治体は規模別に"Village"、"Town"、"City"のそれぞれ大・中・小3部門他、計12部門に分けて審査・表彰している。等々、多彩な活動をしているのだ。
ローズムーアに到着したが、恨めしくも雨脚は衰えることもなく降り続いている。 意を決して入場する。さすがにRHS、この雨でも入場者はそこそこ見られる。ハウスのテラスの下の通路の脇は長いボーダーが走る。潅木と宿根草の厚い植栽だ(写真上左)。
ローズムーアには2つのローズガーデンがある。"Queen Mother's Rose Garden"と"Shrub Rose Garden"だ。
デビッド・オースチン(David Austin Roses)の200種類・2000本のバラが植栽されているという。
ガーデンマップの順路に従い、Queen Mother's Rose Gardenに入る。イチイのヘッジで囲まれた方形のルーム・ガーデンだ。
バラは5分咲きといったところか、それなりに咲いているが、今一つ華やかさがない。木バラの株が若く厚みに欠けるからだろう。新苗を植え込んだばかりの部分もある。
ホームページによれば、真菌に感染し枯れてしまったようだ。そういえば、ヘッジの柘植も黄色くなり始めていた(10月には枯死してしまったようだ)。
ところで、RHSの4つのガーデンにはそれぞれの名を冠したバラがあることをご存知だろうか? いずれもデビッド・オースチン(David Austin Roses)の作出で、
2004年にRHSの創設200周年を記念して作られたものだ。順に紹介しよう。写真はデビッド・オースチンのHPから拝借した。
最初はローズムーア(写真右)。可愛い花だ。陽だまりに迎えたいバラだ。
Queen Mother'sの南に"Model Garden"がある。RHSのガーデンは全てが園芸愛好家へのモデルであり、提案なのだが、ここでは "Town Garden"、"Terraced Garden"、"Shade Garden"の小さなモデルが見られる(写真上左)。
"Winter Garden"を通り、Queen Mother'sの西隣のルームのスパイラル・ガーデン(Spiral Garden)に入る。柘植のヘッジで通路が螺旋状に仕切られ、
そこここにベンチが置いてある(写真上左から2枚目)。植栽は柔らかなパステルカラーで心休まる。ここでも真菌による被害が出ている。
写真の中央右手の半円形のベッドは柘植のヘッジだったはずだ。用土毎そっくり掘り起こされ、今は苗木が植栽されている。
その北側のルームは"Hot Garden"だ(写真上右から2枚目)。こちらの通路は方形(Square)で、植栽は珍しい植物が沢山あり、色彩はホットだ。
全てがスパイラル・ガーデンとは対照的だ。
200周年のバラ2つ目はウィズリーだ。ただし、04年作出のウィズリーは花が下を向いて咲くため改良され、2008年に発表されたもので、
”ウィズリー2008”と区別されている(写真右)。美しい花だ。これも陽だまりに迎えたい。
04年のウィズリーが陽だまりに2本あるのだが、確かに下向きで撮影には苦労する。あれこれ細工して撮影した写真は拡大写真からご覧あれ。
その東側のルームが"Shrub Rose Garden"だ(写真上下、各4枚)。ここのバラは今、正に満開だ。雨は相変わらず降り続いている。ゴアテックスを着ていても暑くはない。
旅行記を振り返ると、2004年には今日と同じ6月10日、09年は6月5日に訪れているが、いずれも半袖姿だ。何という差だろうか。
素敵なフォルムのオベリスクにバラとクレマチスがコラボしてため息の出るような美しさだ。こんなものを見せつけられるとガーデニングの奥の深さを
改めて思い知る。足元は悪いが、2回り彷徨う。
ローズムーアはアン夫人(Lady Anne Palmer)が30年掛けて南アフリカ、パプアニューギニア、ニュージーランド、米国、日本
などから集めた4000本の植物を含む3.2ヘクタールのガーデンと13ヘクタールの牧場を1988年にRHSに寄付したことに始まる。
1990年には一般公開され、その後も開発が続き、現在では26ヘクタールの敷地にローズガーデンを始めとする"Formal Room"形式のガーデンと
より"Natural"な部分が展開し、およそ1万種の植物があるという。 200周年のバラ3つ目はハーロウ・カーだ(写真右)。
ローズガーデンだが、数々の宿根草との組み合わせが絶妙だ。背丈も実に良くマッチしている。青色のゲラニウムやオダマキが印象的だ。
シュラブ・ローズガーデンの北のルームが"Herb, Potager and Cottage Gardens"だ(写真上4枚、下左2枚)。
これぞ19世紀末に生まれたイングリッシュ・ガーデン、すなわちコテージ・ガーデンの見事なお手本といえよう。
拙文”英国ガーデンは楽しい”でも述べたが、
19世紀末になると世紀中頃に流行した華やかなガードネスク・ガーデンに対する反省が出始め、より自然なイギリス古来の草花や素朴な田舎家を取り入れた
コテージ・ガーデンが生まれてきた。アーツ・アンド・クラフツ運動の台頭とも無縁ではないだろう。
ガーデンの名前が全てを表している。ハーブがありポタジェがある。キッチン・ガーデンとは一味違う。野菜の植栽もより装飾的であり、
支柱なども鑑賞性が高い。厚みと立体感が感じられる。そして肝心のコテージは藁葺きの素朴な雰囲気を醸しだす。ただうっとりするばかりだ。
200周年のバラ4つ目はガーデンもバラもまだ見ぬハイド・ホールだ(写真右)。
写真下右はシュラブ・ローズガーデンのサンダイアル。年の前半は上部のスケールで、後半は下のスケールで時間を計るという変り種の日時計だ。
ショップで花の種を物色、4種類の種を求める。1袋£2.99、約400円だ。値段は日本と変わらないが、量が違うからこちらがお買い得だ。
ただ、日本の気候で発芽する保証はない。友人へのスカーフも求める。
アボッツカーズウェル・オープン・ガーデン Abbotskerswell Gardens(NGS)
ナショナル・ガーデン・スキーム(NGS)のガーデン訪問は今年の旅のテーマの一つだった。オープンの多くは土・日に集中しているが、 今回はダイアモンド・ジュビリーのホリデーと重なったため旅の期間中に訪問地域でオープンのガーデンは24件も見つかった。 内、7つのガーデンをスケジュールして来た。しかし、ロケーション、オープン時間が短いことなどが災いして、予定通りには訪れることができない。 昨日までの5つの予定の内、2つしか訪問できていない。
しかし、それを一気にリカバリーできるのが今日のNGSだ。
というのは、アボッツカーズウェル・オープン・ガーデンは
村の8つのガーデン・グループが一斉にオープンするのだ。規模の小さな個人のガーデン(とはいっても、エーカー単位だが)だけに、
マイガーデンや陽だまりでのガーデニングの参考になる点が多いと期待できる。それで入場料(Combined Admission)は£5とお得だ。
村外れにある"Fairfield"というお宅のミニチュア・シェトランドポニーの牧場がオープンガーデンのためのパーキングとして開放されている。
雨の降りしきる中、合羽を着た10人ほどのボランティアがテントの中で待機していて、誘導してくれる。
NGSのオープンガーデンはガーデンのオーナーだけでなく、こうしたボランティアの協力があってこそ成り立つのだ。
日本人の闖入にボランティアの方も興味津々、あれこれ質問が飛んでくる。10ポンドを払い、NGSの黄色いシールと手描きのマップをもらう(写真右)。
地図の裏(イギリスではこちらが表)は例によって文字による"Direction"が記してある。
黄色のシールは本来は衣服の胸などに貼り付け、入場料を支払った証とするのだが、雨で剥がれるといけないので地図に貼り付けた。
1軒目はパーキングの隣の"Fairfield"だ。
取り付け道路の両脇に支柱にロープを張りバラを伝わせる"Rose Ropes"(と呼ぶらしい)が立っている(写真上左)。
それぞれの支柱に12種類のバラが順次咲いていく狙いのようだ。
ハウスの前は壁と生垣で囲われたウォールド・ガーデン(Walled Garden)になっている。入り口から玄関への通路はラベンダーで塞がれそうだ。
晴れていれば足で掻き分けて通るとラベンダーの香りが一層立つことだろう。ラベンダーの後ろはジギタリス、フロックスなどが花盛りだ(写真上左から2枚目)。
芝の中央のバードバスの周りのラベンダーも見事に茂っている(写真上右から2枚目)。
ベランダの前の植栽が素晴らしい(写真上右、下左2枚)。ベランダの屋根には藤が這い、支柱をバラが立ち上がり、ペチュニアのバスケットが吊り下がる。
足元はラムズイヤー、ゲラニウム、リクニスなどの宿根草が飾る。(沢山咲いているピンクの花の名前を知らない)
こんなシチュエーションでアフターヌーン・ティーなどできたら天国だろう(願わくばシャンパン付きで)。
壁際のボーダーはトリトマ、ラミウム、ジギタリス、デルフィニウム 、ルピナス 、シャクヤク、ラムズイヤー、ゲラニウムなど、
さながらオールスターの競演といった華々しさだ(写真下右から2枚目)。
隣のポタジェ(Potager)に通じるアーチのクレマチスも華やかだ(写真下右)。反対側はスイトピーが立ち上がっている。
敷地の南面には植物園(arboretum)と果樹園(orchard)が広がっているが、この雨ではとても歩いて回れない。
このガーデンがまだ6年しか経っていないというのが信じられないほどに充実している。
次のガーデンに向かっていると民家の生垣からエルダーフラワー(西洋ニワトコ)の花が溢れている(写真右)。そういえば、昨日のコッキントンで野生のこの花を
摘んでいる男性がいた。シロップ漬けにしてジュースやソーダ割りにしたり、ハーブティーにしたりするそうだ。
アボッツカーズウェルも昨日のコッキントンやダートマスの項で述べた1086年に発行された"Domesday Book England"という
英国全土の国勢調査書に載っている歴史ある村だ。リンゴ酒(Cider)のリンゴ栽培で栄えた村だという。
2軒目はどうしたことか留守のようだ。先客がいて木戸を開けて中に入り、声を掛けたが返事がない。3軒目に向かうと茅葺の家が現れた。
普通の民家として使われているようだ。ダイアモンド・ジュビリーの飾り付けがされている。見るほうにとってはノスタルジーを誘われ良いものだが、
住んでいる人は色々不便もあるだろう。それでも古いものを大切にするのがイギリス人だ。他でも茅葺屋根の民家が見られた。古い村なのだ。
斜向かいに3軒目の"Abbotsford"がある。
ホームページでは"Georgian farmhouse"と謳っているが、ファームハウスとは思えない端正な佇まいだ。
歩道より1段高い敷地のハウスの前庭は決して大きくはないが、ボーダーとなっており、バラ、アリウム、ユーフォルビア、シャクヤク、ヒューケラなどの
厚い植栽がガーデンを広く見せる(写真上右、下右2枚)。
ハウスの横に回ると、シダ、竹、グラス、パイナップル・フラワーなどの大きなコンテナが並べられたコンテナ・ガーデンがある(写真上左)。
スペースとコンテナの数のバランスが絶妙だ。ついつい沢山置きたくなるものだ。
次のコーナーが"Walled Outdoor Dining and Barbeque Area"と称する部屋だ。炉には赤々と火がくべられ暖かさにホッとする。
そして壁際は前庭と異なる雰囲気のボーダーだ(写真上下左から2枚目)。バラを用いていないことや、エッジが曲線であることにより、
華やかさよりシックな雰囲気をかもし出しているようだ。その中央の芝生のガーデン(写真上右、下中央)には
勝手にミニ・コンテナ・ガーデンとミニ・コニファー・ガーデンと名付けた。このガーデンもまだ4年しか経っていないという。驚きだ。
その斜向かいが5軒目のガーデン"Priors"がある。
フロント・ガーデンの緑の芝生に白樺が印象的だ(写真上左、上右)。お隣は大きな茅葺の家だ。
このガーデンのデザインは芝生の縁に島を作り、樹木や潅木、宿根草を厚く植え込むスタイルだ。大胆な切れ込みを入れることで、
芝のエッジの総延長を長くすることでガーデンに広がりを演出していると見受けた。心憎い。ホームページで"Spot the Space!"と呼ぶのがこれだろう。
また、トピアリーも幾つも見られる。樹木の種類も様々で葉色や形の変化を楽しめる。こちらのガーデナーは奥様のようでゲストの対応に追われている。
ご主人はといえば、自慢のペットの亀を子供のゲストに披露して楽しんでいる。平和だ。
少し西に進み右手の緩やかな上り坂の取り付け道路登っていくと "Briar Cottage"がある。写真上左は上から振り返った眺めだ。 ここもガーデンの一部だ。ガレージの中の受付では家族総出で迎えてくれる。孫娘ほどの小学生がいて、目が合うとはにかんだ顔が可愛い。
ハウスを取り囲むようにガーデンが築かれている。フロント・ガーデンはアヤメや菖蒲のような尖った葉の植物が多い。
ここもバラとジギタリス、ラミウムが満開だ(写真上中2枚)。片隅の像もモダンだ。
かなりの傾斜地にあり、バックヤードへはレンガの通路や石板の階段を登って行く。バックヤードは何段かのテラス状になっていて、
斜面は石が組まれロックガーデンでもある。上から水路が流れ池に流れ込み、池には水生植物が植栽され、緋鯉が泳いでいる。
石組みの一部はアルペン・ガーデンだ(写真下左から2枚目)。コンテナや彫像も効果的に配されている。
周囲は樹木で囲まれ緑豊かで静かだ。晴れていればテラスのベンチで鳥のさえずりを楽しめるだろうに、雨は止みそうにない。
帰り際にオーナー家族にお礼を言うと、少女がプレゼントだといっておずおずと右の絵を差し出した。お礼に成田で求めたあった髪飾りを贈ると笑顔を見せてくれた。
次のガーデンは少々離れたところにある。NGSの道案内は少ない。年に1日か2日のことだから、A4の黄色の用紙に"ngs
garden open for charity"と記されたものが壁に貼り付けてあるだけのところが多い。写真下左のような看板は多くない。
道を尋ねたり、犬の散歩をする人と挨拶を交わしたりしなが、街の裏通りを歩くと人々の生活に触れる思いがする。
オープンガーデンのお宅だけでなく、どのお宅もフロントガーデンが美しい。フロント・ガーデンは街の景観を考慮した社会性を持っているのだ。
(こちらも参照あれ)
写真下左から2枚目のお宅も小さなフロント・ガーデンだが、お手本のように造り込まれたラブリーなガーデンだ。(NGSではない)
このお宅の向かいが6番目のNGSの"8 Court Farm Barns"だ。
小さなフロント・ガーデンに夫人が待ち受けていてガーデンのコンセプトについて話してくれる。ハンギングバスケットやコンテナ、トレリスをうまく使っている。
傾斜を活かした高い壁にこれでもかというほどクライミング性の植物が誘引されている(写真下右)。しかし、これだけ? と思うほど小さなガーデンだ。
その斜向かいに7軒目の"Karibu"がある。
その前にお隣の前庭のオーナメントが気に入った(写真上左)。手押し車の植え込みは何だろうか?
1ヶ月もすれば花で溢れるのだろう。同じく白く塗ったベンチも素朴だ。
ガーデンへはハウスの裏の30ヤードのスロープを登って行く。登りきった先は2階屋の屋根より高い裏山の広場だ。オーナーご夫妻が迎えてくれた。
"Stunning Views"と謳うのに依存はない。教会を含む村の家並み(写真上左から2枚目)、遠くデボンの田園風景(写真下左から2枚目)など素晴らしい景色だ。
階段を下りて屋上に出る(変な表現だが、そうなのだ)。ポット(コンテナ)を駆使した楓・ホスタ・ガーデンが斬新だ(写真下右から2枚目、上右)。
屋根の上にまでポットが置いてある(写真下右)。花はそんなに多くない。花色も抑え気味な植栽が見て取れる。白いクレマチスが印象的だ(写真上右から2枚目、下左、右)。
"Secret Jungle Garden"とも謳っている。裏山の広場に低木や竹を濃密に植栽し、細い通路をめぐらせて、そこここにオーナメントやスカルプチャーなどが 隠されている(写真下5枚)。これらを探して歩き回るのはガーデン歩きの楽しみの一つだ。しかし、雨は上がったものの、細道だから体が木に触れる度に雫が落ちて冷たい。
少し歩いて8軒目の"1 Lakeland"に到着する。 オーナーの夫人が1人、雨後の手入れをしている。挨拶をして記念写真をお願いすると、ご自慢のバラの前でポーズを取ってくれた(写真上右)。
バックヤードに入る。塀際のボーダーガーデンが素晴らしい(写真上左3枚)。樹木(低木)が良い。若葉色の楓、銅葉のセイヨウニワトコともう一つは名前不詳、
コニファー、濃緑のコニファー、ピンクのハクロニシキなど。塀をクライミングするクレマチスが良い。宿根草がまた良い。デルフィニウム、ジギタリス、ルピナス、
アヤメ、ユーフォルビア、ベンケイソウ、ヒューケラ、ゲラ二ウムなどなど素晴らしい。小さいながら金魚が泳ぐ池(Raised Fish Pond)もある。
素敵なバラとクレマチスのアーチ(写真右)を潜ると2つのパティオ(Patio)がある(写真下左2枚)。
このデザイン・植栽には唸らされる。言葉もない。ただ感服あるのみだ。
2つの小屋(Garden Shed)を越えて奥に入るとキッチン・ガーデンだ。多品種の野菜とイチゴを始めベリー類が育てられている。
ワイルドに見えて、実は手入れは万全だ。温室も備えられている。小屋の一つは"Station Master"の看板がある。鉄道模型があるらしいが鍵が閉まっている。
そして、小屋の樋は容器に繋がっている。雨水を溜め、灌水用にするのだ。エコロジーにも配慮されている。
ババクーム・モデル・ビレッジ Babbacombe Model Village
8年ぶりにババクーム・モデル・ビレッジに遣ってきた。
ここも再訪を待ち望んだ場所だ。1963年にオープンしたもので、当初は理想とされたイギリスのカントリー・ライフの様子や
自然の風景や建物をミニチュアで表現したものだ。後に近代的都市の様子も加えられ、イギリスの生活と文化を400以上のモデルで描写している。
イギリス人ならぬ私も郷愁にかられるものがあるから不思議だ。12分の1のスケールで造られているのだが、ただ精巧に縮尺してあるのではなく、
微妙なユーモアと遊び心があり、それでいてリアリティーも感じさせる。その絶妙さがたまらない。
もう一つ素晴らしい点は、何百という植栽されている植物が全て本物であることだ。だから、モデル・ビレッジそのものが一つのガーデンといえるのだ。
写真下左から ビレッジ遠景、森の木々が素晴らしい。この景色の中だけでも何十もの建物がある。湖に泳ぐ鯉だけは縮尺できなかったようで大きい。
2枚目 田園風景 羊が群れ、牛が草を食む。トラクターも3台見える。手前の牧草地ではピクニックを楽しむ家族。その左は牛に追われて逃げ惑う男が。
3枚目 コーチやトラックが続々到着 これから狩猟でも始めるのか? 馬に乗った人の周りに猟犬が沢山いる。
4枚目 このThatched Cottagesはどこかで見た光景だと思ったら、"Mockington Village"と表示がある。何と昨日訪れた"Cockington"のもじりだ。愉快だ。
写真下左から 次はティンバー・ハウスの集落が現れた。手前のコニファーガーデンのコニファーも本物なのだ。その種類も大変なものだ。
2枚目 ここは病院だろうか? 中庭に花時計がある。この村の人口は1万3千人、それぞれが生き生きとした表情と姿だ。今にも動き出しそうに見える。
3枚目 こんな歪んだ屋根の家も良く見受ける BBQを楽しんでいるようだ。 ビレッジには中世からの様々な建築様式の家が点在している。
4枚目 イギリスで良く見られる住宅群。セミ・デタッチド・ハウスといい、2軒長屋になっている。フロント・ガーデンとバックヤード付きに拘るのだ。
写真下左から ストーンヘンジ(Stonehenge)が現れた。雨のストーンヘンジを翌日再現することになる。
2枚目 ホワイト・ホースもある。この旅、15個目のヒルフィギュア(12個目のホワイトホース)となる。
3枚目 カントリーサイドにはお城が付き物。"Merrivale Castle"だ。タワーには幽霊も出るとの噂だ。屋上にドラゴンが火を噴く様子は拡大写真から。
4枚目 教会も各村にある。今日は結婚式が行われている。式が終わり新郎新婦が教会から出てきたようだ。拡大写真で面白い光景が見られる。
写真下左から イギリス人は様々な屋外ゲームを楽しむ。クリケットもその一つ。ゲーム中にティータイムを取る優雅さで”紳士のスポーツ”と呼ばれる。
中には5日間に亘るゲームもあるという。写真右手の緑の建物は昨日コッキントンで見た"Cricket Pavilion"だろう。
2枚目 テニスとボーリングもローンがイギリス流だ。ボーリングはボールを目標球にどれだけ近づけられるかを競う球技なのだが、
投げるボールが偏った球なので投げるとカーブして目標球に近づけるのが難しいのだそうだ。
3枚目 フットボール(サッカー)も熱狂的だ。"Wombley Stadium"では、4年に1回の”サッカー欧州選手権(UEFA EURO 2012)”が開かれている。
イングランドチームが攻め込んでいるが、ピッチにストリーカーが闖入したようだ。場外でも事件が起きている(拡大写真で)。
以上の4つのスポーツはいずれもイギリスの発祥だ。服装は推し量ったように白なのが面白い(サブッ)。イングランドチームも白だ。
4枚目 ビーチは日光浴を楽しむ人で賑わっている。このビーチ、実は上記の湖なのだが、近くで見れば海辺の白浜だ。ヌーディストもちらほら。
写真下左から 鉄道もイギリス発祥だ。ここには3つの鉄道が走り、総延長は300mに及ぶという。
2枚目 自動車も早くから蒸気自動車が実用化されたという。イギリスは車社会だし、交通網は素晴らしい。ここでは事故が発生し、救急ヘリも出動だ。
3枚目 コーチ(バス)路線も四通八達しているという。ここで取り上げられたのは道路工事。イギリスでも道路工事は評判が悪い。
"Typical Road works in the main holiday season"と揶揄されている。狭い道路(一方通行が多い)と渋滞の大都市には入らないことにしている。
4枚目 火災発生 消防車、救急車、パトカーなどが出動。野次馬も沢山出動している。イギリスの火災発生率は日本よりずっと高いといわれる。
写真下左から 大都市のミニチュアモデルだ。有名ブランドの看板が沢山ある。TDK、SANYO、MITUBISHIは日本の会社ではないか。
都心に緑地や子供の遊び場が整備されている。左下にアイスクリーム屋の車(水色の車の屋根に注目)があるのがリアルだ。
2枚目 こちらの通りではパレードが行われている。馬車に乗っているのはロイヤルファミリーだろうか。
3枚目 一巡りして最も高い位置にある出入り口に戻る。すっかりガリバーになったような気分だ。レストランとショップも"GULLIVER'S"だ。
写真を拡大すると面白い写真が見られる。是非クリックを!
4枚目 高い位置からもう一度振り返る。ホームページでは"The best advice we can give is TAKE YOUR TIME"といって2時間は掛けるよう言っている。
雨と寒さ、元来の”かっとび急ぎ旅”の癖で1時間で回ってしまった。毎年変化しているようだ。また訪れよう。
ボビー・トレーシー・オープン・ガーデン Bovey Tracey Gardens(NGS)
今日はもう一つガーデン・グループのオープン・ガーデンがあるのだ。それが ボビー・トレーシー・オープン・ガーデンだ。 6つのガーデンが一斉にオープンしている。ただし18時までだ。今から訪れると、1つか、ぎりぎり2つしか見られないが、それでも訪ねてみたい。
車を飛ばしてやってきたのが、6つの中で最も優先順が高い
"Whitstone House"だ。
ハウス前のパーキングは3台の車で満車だ。少し離れたパーキングに止めて歩いていくと、2台分が空いていた。時間がないときに間の悪いことだ。
ガーデンに入るとオーナーがハウスのテラスから顔を出す(写真上右)。NGSのシールを付けていないのを見て「ここが初めてか?」と訊く。
「もう余り時間はないが良いのか?」と心配するが、「構わない」と£8を支払いシールをもらう。
雨は上がったようだ。西の方角が素晴らしい見晴らしだ。まだすこしもやっているが、ダートムーアの谷を越え、向こうの丘が見渡せる(写真上左)。
ムーアといえば荒野を思い浮かべるが、これは豊かな光景だ。
敷地の傾斜に沿ってハウス西面に2段のテラス、南面に下がってもう1段のテラスが築かれている。言うまでもなく。全面緑のローンだ。
西面のテラスの段差がボーダーガーデンになっている。バラ、ホリホック、ジャーマンアイリス、キャットミント、ラベンダーなど実にお行儀良く咲いている。
段差の石垣はエリゲロンが覆い尽くす。絵に描いたような見事さだ。バードバスやサンダイアルなどオーナメントも心憎い配置だ。
これだけで来た甲斐があったというものだ(写真上下中2枚)。
南面には塀があり、その前が同じくボーダーだ(写真下左)。2色のカエデが素晴らしい。
比較的丈のある名も知らないシュラブや宿根草でボリュームのあるボーダーに仕立ててある。花は少ないが、素敵な植栽だ。
妻がオーナーと話している間に、西面のテラスから北のエリアに入る。大きな木が程よい間隔で幾つか立っている(写真下右)。
西日をさえぎり、ハウスに程よい木陰を提供してくれることだろう。
奥はキッチン・ガーデンだ。丹精こめた手入れが見受けられて気持ちが良い。案山子やグースのオーナメントがキッチン・ガーデンに相応しく、
腑に落ちるというものだ。気持ちが明るくなる。
もう18時になろうとしている。それでも、駄目で元々と第2優先の "Penny Park"に遣ってきた。 Whitstone Houseが街の北の外れの森の中に対し、こちらは東の外れの閑静な住宅地にあった。ガレージの入り口にテントを張りオーナー婦人と ボランティアと思われる女性がが座っている。シールを見せ、「遅くなったが入場できるか?」訊ねると「ユー・アー・ウエルカム」だ。
早速バックヤードに入る。ハウスと濃密な木立の囲まれた芝の広場の周りに植栽がなされている。植栽も濃密で緑が濃い。色彩は抑え気味で落ち着きがある。
石板の敷かれた小道を辿るとキッチン・ガーデンに出る。レイズドベッド(Raised Bed)で野菜が良い感じに生育している。果樹も幾つかある。
面白いデザインのパーゴラがある(写真上中)。斜交いになっていて棚が付いている。手造り感が溢れていて嬉しくなる。
樹木の傘つきのベンチも晴れた日には快適だろうが、雨の後ではしばらく座れない(写真上右)。
オーナメントやテラコッタも上手く使われている(写真上左2枚、下4枚)。上左から2枚目には木に登る小人の人形の他に
物置小屋の屋根にも鳥のオーナメントが置いてある。
フロント・ガーデンは円形のローン(Circular Lawn)の周りにカラフルな植え込みがされている。ここからの景色が素晴らしい。
築山にはユーフォルビアや潅木が葉色、葉形を変えて植栽されている(写真下右)。
ディナーのスタートは20時、ここからB&Bまでは10分足らずだ。まだ1時間30分の余裕がある。これは計算通りだ。
というのは、ダンボール探しがあるからだ。ガーデンの女性二人に「近くのスーパーマーケットは?」と訊ねると
「ボビー・トレーシーの街にスパー(SPAR)ならあるけど、大きなスーパーはニュートン・アボット(Newton Abbot)の街まで行かなければ」とのことだ。
ボビー・トレーシーのスパーは見つけられず、ニュートン・アボットに向かう。ニュートン・アボットのスーパーマーケット・アスダ(ASDA)は
昨日も今朝も前を通過している。パーキングはガラガラだ。今日は日曜日だから閉店時間が早かったのだ。裏口に警備員の姿がある。
「使用済みのダンボールが欲しい」と伝えると「今日は回収済みだからない。明日の朝来なさい」とのことだ。明日の朝はこの道は通らないのだ。
他を当たっても同じことだろう。明日に何とかなるだろう。家路に着く。
イーストウェリー・バートン Eastwrey Barton
B&Bに戻り、荷物の整理などして時間を過ごす。約束の20時にバーに行き、テーブルの準備が整うまで、食前酒をいただきながら待つ。 サンルームの特等席、眺めの良いコーナーのテーブルに導かれると待つ間もなく前菜が出る。"Melon with Oarma Ham"と "Asparagus with Poached Duck Egg and Parmesan Shavings"の盛り合わせが出てきた。 確か、私がメロン、妻がアスパラガスだったはずだが、これで異論はない。パルマハムとパルメザンの塩気が野菜の甘さを引き立てて美味しい。
メインは私が"Duck Confit"、妻が"Pan Fried Salmon with Lemon Butter Souce"だ。またしても妻はサーモンだ。呆れる。
共に外はカリカリ、中はジューシーに仕上がっている。ソースもそれぞれに満足。付け合せ野菜のニューポテトに付けても美味しい。
デザートは共に"Strawberries and Cream"にする。もう一方は"Panna Cotta with Roasted Rhubarb"なのだ。さすがに妻も”ルバーブ”には懲りたようだ。
この旅最後のディナーも大満足だ。妻の食後酒にシェリーをグラスでいただいて部屋に戻る。
私の分はフォーディングブリッジで求めたシングルモルトが沢山残っているのだ。いただいたアイスキューブでロックにして楽しむ。最後の夜は静かに更ける。
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