2012年の旅 サウス・イースト サウス・ウエスト

花花

第11日 6月  9日(土) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。

今日の行程       Eastwrey Barton --- Cockington Country Park --- Totnes 〜 Dartmouth 〜 Kingswear == Paington ---
                         Totnes(Round Robin) --- Hound Tor --- Widecombe in the Moor --- Eastwrey Barton
今日の走行距離     99km
今日の万歩計      23,900歩
出発時点の気温     12.5℃

イーストウェリー・バートン   Eastwrey Barton

久々に朝から太陽の顔を拝むことが出来た。今日は2度目のラウンド・ロビン(Round Robin)のチケットを取ってある。 出来ることなら晴れて欲しいと願って眠りに就いたが、心地良い朝だ。窓から見えるダートムーアの森も緑に輝いて見える。
朝食は8時30分からだ。荷物の整理、お土産チェックなどしながら待つ。時間になったのでダイニングに下りていくと すでに昨夜話しをした先生は食事を進めている。今日はここを発つのだと言う。

Eastwrey Barton Eastwrey Barton Eastwrey Barton Eastwrey Barton

先ずはメロンとイチゴにヨーグルトをたっぷり掛け、オレンジジュースと共にいただく。お腹が刺激され、グーグーなっている。 ホットミールはフルイングリッシュ、卵は私はスクランブルで妻はフライドにしてもらう。お天気が良く、ダイニングのサンルームに陽が射す所為だろうか、 食材の色が濃くて美味しそうに見える。実際にどれをとっても美味しい。
サンルームの窓から見える景色が、またご馳走だ。昨日までの雨で全てが洗われクリーンだ。青い空、白い雲、ムーアの森の緑は多彩だ。 ピンクのバラも早く出ておいでと呼んでいる。上品な姿の女性像が美しい。

Eastwrey Barton Eastwrey Barton Eastwrey Barton Eastwrey Barton

コッキントン・カントリー・パーク   Cockington Country Park

コッキントン村は1086年に発行された"Domesday Book England"という英国全土の国勢調査書に載っている古い村だ。 2004年に訪れたが、”イングランドで最も可愛らしい村 The prettiest village in England”と呼ばれる通りの印象だった。 あの時は18時過ぎの訪問で「またいつかゆっくり」と思い続けてきた。

Ceramic Tile

今回はクラフト・センター(Cockington Court Craft Centre)でのショッピングもお楽しみの一つだ。10時丁度、クラフト・センターのパーキングに着く。 クラフト・センターは3つに分かれている。一番奥にある"Sea Change Studios"は昨年の6月に完成したばかりで、モダンな建物だ。 まだ開店準備中の店もある。買うのは帰りにするとして、品定めだけする。
"Devon Guild of Craftsmen"という各種クラフトを揃えたお店に入る。 Penny Simpsonという作家のハンドメイドの"Ceramic Tile"が気に入った。 知人3人分と自家用の4点を求めることにする(写真右)。
"Cockington Chocolate Company"のチョコレートがお土産になりそうだ。 「日本へのお土産にして、融ける心配はないか?」訊いてみると「大丈夫」とのことで詰め合わせを2つ求めることにする。
他にもギャラリー、テキスタイル、家具などかなりの高級品店が並んでいる。

Cockington Cockington Cockington Cockington

Sea Change Studiosを出て、階段を下りると"Rose Garden"がある。25m×40mほどの壁に囲まれたガーデンでは今正にバラの満開を迎えている。
ガーデンの外周のオベリスクとオベリスクの間にロープを張り、つるバラを這わせてある。見事だ(写真上4枚)。
ローズ・ガーデンに隣り合って2つ目のクラフト・センター"Stable Yard Studios"がある。細長い中庭を囲みロの字に元厩舎が囲んでいる。 赤い色の石を積み上げた壁が素朴で良い雰囲気を醸し出す。様々なアイテムが飾られている。壁にはハンギングバスケットが吊り下げられ、 壁際には草花のコンテナが飾られている(写真下5枚)。

Artisan Leather

鍛冶屋に面白いものが沢山ある。ガーデン・ファーニチャーやオーナメント類が垂涎物だが、余りに大きく、重い。涙を呑む。 ガラス工房もある。素晴らしい作品が見つかるが、こちらも重過ぎる。残念至極。
"Rocking Horses"の専門店もある。 日本でいう”春駒”(写真右 大阪府立大型児童館HPより)と全く同じようなおもちゃが置いてある。子供が跨いで遊ぶおもちゃだ。 "The Traditional Hobby Horse"と謳っている(上記ホームページの一番末尾に載っている)。春駒も平安時代からあるというからその共通性に驚く。
革製品の"Artisan Leather"という小さなお店で良い物が見つかる。 友人と自分用にベルトを2本。友人の奥様にブックカバー(商品名は"Notebooks")と栞をセットにしてもらう。ハンドメイドが良い。

Cockington Cockington Cockington Cockington Cockington

3つ目のクラフト・センターはローズ・ガーデンとStable Yard studiosの東のマナーハウス(Cockington Court)の中にあるが、ショッピングはここまでとして 広大なカントリー・パークの散策をしよう。
マナーハウスの直ぐ南に"Church of St George and Saint Mary"という長い名前の教会が建つ(写真下左)。その歴史を1069年に遡るという。
林の小道を西に進むと門番小屋(Gate Cottage)が現れる(写真下左から2枚目)。そこから南に歩を進め、森の中を歩くと"Gamekeeper's Cottage"に行き着く(写真下右2枚)。 1517年の建築で1900年代の初めまで狩猟の猟場の管理や猟の準備をするゲームキーパーが住んでいたという。 屋根下の格子に組んだ部分に獲った獲物をぶら下げて置いたのだという。なかなかに立派な建物だ。 この周囲の森も獲物を育てるために1800年頃植樹されたものだという。

Cockington Cockington Cockington Cockington

門番小屋に戻り、村の散策に移る。村の中心部にある家は全て茅葺のまま残されている。それぞれ個性的だ。玄関ポーチの屋根が素敵な家がある(写真下左)。 庭も美しい。ピンクの壁のティー・ショップは"Weaver Cottage"の看板がある(写真下左から2枚目)。機織職人のコテージだったのだ。
ギフトショップ(写真右から2枚目)の看板には"Old Granary"の文字がある。穀物倉庫だったのだ。 反対側には"Cockington Forge"が建っている(写真下右)。実にユニークな形をしている。元は鍛冶屋だ。今も真鋳の馬具とか金属製の小物などが沢山置かれたお店だ。

Cockington Cockington Cockington Cockington

こちらのピンクの壁の家は玄関アーチに"Rose Cottage"の文字が見られる(写真下左)。現在はティー・ガーデンのようだ。 写真下左から2枚目はギフトショップOld Granaryの側面だ。間口は狭いが、奥行きはあるのだ。穀物倉庫だったことが頷ける。
その奥にもティールームがある(写真下左から2枚目)。村中観光施設なのだ。その奥に広い芝の広場を前庭にした "Drum Inn"が見える(写真下右)。 随分大きな建物だ。設計はあの売れっ子建築家 エドウィン・ランチェス(Sir Edwin Lutyens)なのだ。1936年の建築だ。

Cockington Cockington Cockington Cockington

マナーハウスの敷地に戻り、広大な芝の緩やかなスロープをマナーハウス目指して登っていく(写真下左)。マナーハウスは17世紀の建築だ。 芝の広場の一角に変わった建物が現れた(写真下左から2枚目)。どうやらこの芝の広場はクリケット場(Cricket Pitch)のようだ。 ほとんど平らなところはないがこれで良いのだろう。そして、この建物は"Cricket Pavilion" 、選手控え室兼観客席という訳だ。
再びローズ・ガーデンを通り、クラフト・センターでチョコレートとタイルを求める。クラフト・センターとパーキングの間に"Organic Kitchen Garden"がある。 イギリス人はオーガニックがとても好きなようだが、本格的に”オーガニック”を名乗るガーデンは経験上余り美しくない。 しかし、念のため覗いてみる。案の定、美しいとは言えない(写真下右2枚)。

Cockington Cockington Cockington Cockington

ラウンド・ロビン   Round Robin

さて、今日のメイン・イベント”ラウンド・ロビン”とは、 ペイントン ⇔ 蒸気機関車30分⇔ キングスウエア ⇔ フェリー7分 ⇔ ダートマス  ⇔ クルーザー90分 ⇔ トットネス  ⇔  バス25分 ⇔ ペイントン  と4種の交通機関も楽しみながらの周遊ツァーのことだ。
どこから乗っても、どちら回りに巡ってもOKだ。便も決められているものではないからタイム・テーブルと照らし合わせて自由に選ぶことが出来る。 ただ、シーズンのクルーズは混雑するようだ。行列に並ぶ時間を節約する意味でもクルーズからスタートし、チケットを予約しておくと安心で効率的だ。
ペイントン ⇔ 蒸気機関車 ⇔ トーキー(Torquay)の往復がプラスされた ”ラウンド・ロビン・ゴールド”というトーキーからの利用に便利なツアーもある。

 トットネス   Totnes

トットネスに向かう途中でまさかの雨が降ってきた。 それも少しの雨ではない。朝からの天気が信じられないくらいだ。これがイングリッシュライクなお天気ということだ。
トットネスの船乗り場に近い大きなパーキングは満車だ。オーバーフローのパーキングは空いているがペイ・アンド・ディスプレイのマシンがない。 通りのどん詰まりのパーキングのマシンまで行く羽目となる。前回はショート・ステイのパーキングに止め、規定の3時間を越してしまったために駐車違反の罰金を科せられた。 今回はロング・ステイを確認し、6時間分の£6を支払おうとした妻が「小銭が足りない」と言う。私の手持ちを足しても£5にしかならない。 目の前のボートクラブの人に£5札を両替が出来ないかお願いすると事務所を探したり、お客さんに頼んだりしてくれたが、どなたもダメだ。 後から入ってきたおじいさんにお願いしたところ、£4と少しの小銭しかない。それで十分だから£5札と替えてくれと頼むが 「それはいけない。車の中にまだあるかもしれない」と言って車の中を探してくれて、£1コインを4つと細かいコインをどっさり掻き集め£5にしてくれた。 本当に律儀で親切な方たちばかりだ。
”いつでも小銭を切らさない”はカントリーサイド・ドライブの鉄則として分かっていながら、同じ轍を踏んでしまった。自戒。

チケット・センターに顔を出すと、何も言わないうちにチケットが差し出された。日本から早くに予約をしてあったので、待ち構えていたのだろう。 「クルーズの出発は13時45分だから、1時30分にここに戻ってくれば良い。街でショッピングを楽しんだら」とのお勧めだ。 勿論、その予定だ。
トットネスに城が築かれたのは907年のことだ.12世紀には重要な市場町(Market Town)として発展していたという。 現在でも火曜日にはエリザベス朝時代のマーケットが金曜日と土曜日にもマーケット開かれているのだ。
トットネス橋(Totnes Bridge)を渡り、フォア・ストリート(Fore Street)を西に進む。一車線の狭い上り道の両脇に新旧の建物が立ち並ぶ。 ほとんどが3階建てだ。白やパステルカラーの壁が多いので明るい雰囲気がする。歩道も狭くてただでさえ擦れ違いがやっとなのに、 雨が強くこちらの方もさすがに傘を差しているから、擦れ違いは車道に下りなければならない。危険な道だ。
左手に古い建物が現れた。"Totnes Elizabethan House Museum"だ(写真下左)。1575年に建てられた重厚なタウン・ハウスだ。
その先に"East Gate Arch"が見えてきた(写真下左から2枚目)。16世紀にはここから先、お城までが壁(Town Wall)で囲われたタウンセンターだったらしい。 通りの名前も"Higu Street"に変わる。オリジナルのアーチは木で出来ており、1990年の火災で焼失し、再建されたものだ。
右手に赤い砂岩(Red Sandstone)のタワーが突如現れる。"Church of St Mary"だ(写真下中)。現存するのは1450年に建てられたものだという。

Totnes

更に坂道を登って行くと左手の広場でマーケットが開かれている。入り口のテントにフェアリーを刻んだクラフトを見つけたが、石製だ。 心動いたが、とても持ち帰りは無理と諦める。。雨が強くこれ以上見て回る気になれない。
ハイ・ストリートを上り詰めたところ、マーケット広場手前辺りから右側の歩道が広くなり、その歩道に迫り出した上階を石柱で支える構造のハウスが立ち並ぶ、 アーケードのような通りになる(写真下右から2枚目)。"Butterwalk"と呼ばれ、市場の商人を荒天(Devon Weather)から守ったり、 酪農品やゲーム(狩猟で獲れた獲物)に日陰を与える役割があったのだという。
雨の日はショッピングに限る。子供服専門店が見つからず、3つの洋品店で孫4人分の洋服をゲット。妻は靴屋で長靴を見つけ気に入ったようだ。 そんなに嵩張るものをと思うが、気に入ってしまったものは仕方ない。アーチの時計は13時23分を差している(写真下右)。 ショッピングの荷物が増えた。これをもってラウンド・ロビンは辛い。車へ置きに行ってくるにはギリギリの時間だ。といいながら、 土産物店のウインドーにフェアリーを発見(写真右)。テラコッタ製で見た目よりずっと軽い。即購入。

Totnes Totnes Totnes Totnes Totnes

 ダート川クルーズ トットネス 〜 ダートマス   Totnes 〜 Dartmouth     クルーザー

妻をチケット・センターに残し、車まで急ぐ。片手に傘だから、片手で下げた荷物が嵩張って歩きにくい。片道400mほどだが、厳しい。
何とか出発5分前に戻ったが、後から続々遣ってくる。これがイギリス時間だ。最後の客は母親と子供二人を先に寄こしておいて、 自分はテイクアウェーの食べ物を両手に悠々と遣ってきた。子供たちは「パパ大好き」だ。この雨では全員キャビンの中だ(写真下左から2枚目)。
ようやく出航、階下のカフェーに一番乗りだ。04年の時には晴天でのどが渇き、1パイントのビールをと楽しみにして乗り込んだが、 周りの誰もが飲んでいなかったので諦めた記憶は鮮明だ。今年は雨模様だが、先ほどの強行軍で喉はカラカラだ。 エールビール・ハーフパイントを2つとクリスプス(Crisps)1袋を求め、ソファーに座って船窓を流れる景色を見ながらのエールは最高だ。 喉がころころ喜んでいる。ビネガー味のクリスプスが塩気と酸っぱさが癖になりそうな味だ。日本でいうところのポテトチップスはこちらではクリスプスと呼ぶ。 そして、日本でいうポテトフライまたはフライドポテトがイギリスではチップスとなる。エールを半分ほど飲んだところで、沢山残っている妻のグラスとこっそり交換する。

Dartmouth Dartmouth Dartmouth Dartmouth

ダート川(River Dart)はトットネスを出て3km歩ほど南東に下ると川は急激に広がり始め、蛇行し始める。滔滔たる流れだ。雨も幸い小止みになった。 カメラマンがデッキを動き始める。両岸の景色はほとんどが緑豊かな牧草地だ。 時折、高台に瀟洒な別荘と思われる建物が見える(写真上右)。そんな別荘の船着場らしき小屋も幾つも見られる(写真下左)。
ヨットやクルーザーとも盛んに行き交うようになると丘の上には新しい別荘群やパステルカラーのハウスも見られるようになる(写真下中2枚)。

Dartmouth Dartmouth Dartmouth Dartmouth

グリーンウェイ・ハウス(Greenway House)は15世紀末に始まる。現在の建物は18世紀後半に建てられたもので、 1938年からはアガサ・クリスティー(Agatha Christie)が購入し、クリスティーは晩年をここで過ごした。彼女の死後、妹さんご夫妻が住んでいたが、 1999年にナショナル・トラスト(NT)の所有となったものだ。このクルーズの見ものの一つだ。見えるのはほんの一瞬だ。見逃すまいと左岸を見つめる。
最初に見えてきたのはフェリー着き場(Greenway House Ferry Landing)だ(写真上右)。今正にフェリーからお客さんが降りている。。緑のバスはNTのものに違いない。
左に大きく旋回すると、左手丘の上に白亜のグリーンウェイ・ハウスが林越しに垣間見える。シャッター・チャンスは2度か3度、その姿は林に中に消えた(写真下左)。 そして、間もなく左手にグリーンウェイ・ハウスのボートハウス(Boathouse)が現れる(写真下左から2枚目)。
09年に訪れたグリーンウェイ・ハウスの旅日記はこちらから どうぞ

Dartmouth Dartmouth Dartmouth Dartmouth

続いて左手に高架橋(Viaduct)が見えてきた(写真上右から2枚目)。この後乗るキングスウェアーからペイントンに向かう蒸気機関車の線路だ。
雨は上がったのだが、風が冷たく、外に出る乗客は少ない。スピーカーからはガイドが流れ、盛んに笑いを誘っているが、ちんぷんかんぷん。
それでも、見所は事前準備で調べているし、それを探し当てる嗅覚は発達しているつもりだ。

Dartmouth Dartmouth Dartmouth Dartmouth

右手に船体のみが黒で他は真っ白な帆船が現れた(写真上下左)。瀟洒な姿だ。貴婦人を思わせるが、英国王立海軍大学(Britannia Royal Naval College) の訓練船との情報もあるが、確認は取れていない。その先の丘の上に英国王立海軍大学の威厳ある校舎が見える(写真下左から2枚目)。 ここで海軍士官養成が開始されたのは1863年のことであり、ダート川に係留された木造軍艦"Britannia"で行われたらしい。 現在の建物は1905年に建てられたものだ。エリザベス女王がプリンセスの頃、ここの学生であったフィリップ殿下に初めて出会ったのだという。 また、ウイリアム王子もここで学んでいるという。その由緒ある大学も財政難で閉鎖の危機にあるらしい。
川幅は500mにも広がり、川岸には係留されたヨットのマストが林立している。物凄い数だ。 両岸の丘陵にはパステルカラーの家がびっしりと立ち並ぶ(写真上中2枚、下右から2枚目)。壮観だ。見飽きることがない
ダートマスからグリーンウェイ・ハウスのフェリーは極めて小型だ(写真上右)。豪華クルーズも何隻か係留されている(写真下右)。

Dartmouth Dartmouth Dartmouth Dartmouth

ダートマス   Dartmouth

ダートマスのフェリー・ターミナルに到着した頃には陽射しさえ出てきた。絶好の行楽日和だ。
桟橋を渡ると目の前にハーフティンバー(Half Timber)の建物が大迫力で飛び込んでくる(写真下左)。1階は新聞・雑誌からFoods & Drinksまで扱っている店だ。 このハーフティンバーの北側に"Boatfloat"と呼ばれる小さな船着場がある。これを囲む辺りが"The Quay"といわれる最も繁華な場所だ。
船着場の北に"Royal Avenue Gardens"がある。何やら華やかな歓声が聞こえてくる。結婚式後のライスシャワーが行われたらしく紙吹雪が舞っている。 女性のファッションがカラフルで華やいだ気持ちになる(写真下左から2枚目)。
このガーデンはビクトリア女王の在位50周年を祝って1887年に造られたものだ。現在のガーデンは1990年にデザインし直されたものだという。 トロピカルな樹木とバラに囲まれて"War Memorial"が立っている(写真下中)。8年前に初めて会ってすっかりファンになった像に再会する。 "Piscatorie"というタイトルの像だ(写真下右から2枚目)。イタリア製の大理石の像で1950年に地元の資産家から寄贈されたものだ。 少年と少女の像と思い込んでいたが、少年二人だというサイトもある。私にはあくまでも少年少女に見える。少年は魚を手掴みにしている。
噴水が真新しくなったと思ったら、エリザベス女王のダイアモンド・ジュビリーを祝いこの5月に出来たばかりなのだという。 噴水の後方、白い壁に赤と青の賑やかなダイアモンド・ジュビリーの飾り付けをした建物が"The Royal Castle Hotel"だ。

Dartmouth Dartmouth Dartmouth Dartmouth Dartmouth

今日は沢山歩いているので,小腹が空いた。8年前に食べたテイクアウェー専門のシーフード・サンドウィッチ・バーを探す。 ”ダート川沿いの道路から細い小路を入ったところ”の記憶通り、一発で見つかる(写真下左)。8年前は左の白い窓から買い求めたが、 今は右のドアーを入ってオーダーするシステムに変わったようだ。
中に入って先客が終わるのを待つ間に観察する。二人いる女性の内、若い方の女性が8年前に一緒に写真を撮らせてもらった女性に違いない。 ”スモークト・サーモンとシュリンプ”のサンドウィッチとカプチーノをオーダーし、「8年前にここを訪れ、あなたと写真を撮ったと思う」と伝えると 「日本の方ね?」とか「母と一緒に仕事してた?」とか質問をし、「思い出した。それきっと私よ」と歓声をあげる。 「今回も記念に写真を撮らせてください」というと「やだー。こんなに変わっちゃったもの」と騒ぎ立てながらもポーズをとってくれた(写真左から2枚目)。
川沿いの歩道のベンチで道行く人や桟橋を行き交う人を眺めながらいただく。パン・サーモン・シュリンプ・サーモン・パンと具沢山だ。 シュリンプはプリプリ、サーモンの香りもとても良い。もう一つ欲しいくらいだ。
クリスマスカードに今年の写真と8年前の写真を添えて送った(拡大すると8年前の写真も)。次のダートマス訪問が今から楽しみだ。

Dartmouth Dartmouth Dartmouth Dartmouth

ダートマスもコッキントンの項で述べた1086年に発行された"Domesday Book England"に記載されている古くからの港町なのだ。 河口にはダートマス城の廃墟もあるが、今回もそこまで訪れるほどの時間はない。次回の楽しみも残しておこう。
"Saint Saviour's Church"を見て、ショッピング街のフォス・ストリート(Foss Street) に回る散策に出る。The Quayから続く"Fairfax Place"にリゾートとはいえ イギリスでは珍しい極彩色に飾られたティンバー・ハウスがある(写真下左)。首を傾げる。
"Smith Street"を通り、"Anzac Street"という小路を進むと教会の壁沿いに出る。その歴史を1286年に発するという教会だ。 恐ろしく古いし、随分狭いところに押し込められたものだ。壁の外の道路からでも西正面(West Front)を収めるのがやっとだ(写真下右)。

Dartmouth Dartmouth Dartmouth Dartmouth

フォス・ストリートはとても明るく清潔感のある商店街だ。1店1店のショーウインドーも大きい。ウインドー・ショッピングが楽しい(写真上中2枚、下左)。
通りに入って直ぐ左手の"Lazy Sundays" というお店(写真下左)のウインドーに 銀製品の小物が並んでいる。店に入り手にとって見ると、蟹の形をした小さな"Salt & Pepper"が見つかる。友人へのお土産にピッタリだ。1セット求める。
通りの外れにその名もズバリ"Kitchen Shop"(動画 音が出ます)というキッチン用品店がある (写真上右から2枚目)。これは見逃せない。覗かせてもらう。例により使い途が分からない品物があって頭を捻ったり、質問したりして楽しい。 幼児用のエプロンを見つける。昨年は上の孫娘にヒースローのハロッズでエプロンを求めたので、今年は下の孫娘に”はらぺこあおむし”がデザインされたものを選ぶ。
キッズ用品店も覗く。店主が話しかけてくれて、お勧めなど見せてくれるが、すでにトットネスで求めてあるので食指は動かない。「ソーリー サンキュー」
フォス・ストリートを引き返し、デューク・ストリート(Duke Street)を東に進む。この通りでもトットネスで見た"Butterwalk"が見られる(写真下右2枚)。 この古い建物でも酒屋やパン屋(写真下左から2枚目)が普通に商売をしている。使いながら保存する。これがイギリス流だ。

Dartmouth Dartmouth Dartmouth Dartmouth

 ダート川フェリー ダートマス 〜 キングスウェアー   Dartmouth 〜 Kingswear     フェリー

もう一度Royal Avenue Gardensを一回りする。片隅に花時計(Floral Clock)がある(写真下左)。英国王立海軍大学の紋章をデザインしたものらしい。 手前にある丸いのがその紋章だ。
3mほどの岸壁からから糸を垂れている親子を発見。カニ釣りをしているのだ。しばらく見ていると結構掛かるのだが、 引き上げる間に落ちてしまう。獲物はまだ2匹のようだ。「食べるのか?」と訊くと「いや、これは小さすぎて食べられない。帰りにはリリースするよ」とのことだ。
そろそろ、蒸気機関車が出発するキングスウェアーに向かうフェリーに乗ろう。へリーは引っ切り無しに往復している。所要時間は7分。 フェリーが着いたので妻を先に載せて、記念写真を撮ろうとしたら「時間がない直ぐ乗れ」と叱られてしまう。仕方なしに乗り込むと直ぐ出発した。 二人の貸切だ。船員が「写真を撮りましょうか」と言う。ご親切に甘えると3枚も撮ってくれたが、アングルもなかなか良い。写真下右は擦れ違うフェリー。

Kingswear Kingswear Kingswear Kingswear

 蒸気機関車 キングスウェアー 〜 ペイントン   Kingswear 〜 Paington     蒸気機関車

フェリーから折り返しのための蒸気機関車の入れ替え作業をしているのが見える(写真下左)。 キングスウェアー駅にはターンテーブルがないため、ここからペイントン行きは後ろ向きで引っ張って行くのだ。出発も間近だろう。
キングスウェアーに到着し、桟橋が終わったところが正に駅のホームだ。駅員が「間もなく出発です。ご乗車の方はお急ぎください」と呼びかける。 空席を探してホームを走る。駅員が「こっちこっち」と手招きする車両に飛び乗ると動き出した。
しばらくはダート川沿いに北上する。林越しに川を上下する船が見える。カーブに差し掛かると窓から一斉にカメラが出てくる様子も愉快だ(写真下左から2枚目)。 この写真では6人が車窓から1人が沿線からカメラを構えている。後ろのカメラマンのカメラには私も写っていることだろう。途中から山に入りトンネルも潜る。
1つ目の駅はチャーストン(Churston)だ(写真下左から2枚目)。「ABC殺人事件」の”C”はチャーストンの”C”だ。アガサ・クリスティーもこの駅を利用したことだろう。

Paington Paington Paington Paington

チャーストンを出ると間もなく海岸線に出る。イングリッシュ・リビエラと謳われるトーベイ湾(Torbay)だ。海岸に立ち並ぶカラフルな可愛い小屋は ”ビーチ・ハウス (Beach House)”と呼ばれ、着替えをしたり、ビーチパラソルやサンデッキチェアなどを保管する小屋のようだ(写真上右、下左)。 近くに別荘を持っているセレブ御用達なのだろう。同じ形なので個性を出せるのはドアの色を変えるしかないのだ。トーキーに近づくにしたがってその数は増えてくる。
そもそもイギリスで海水浴が一般化したのは、1750年前後のころ。海水浴が健康に良いとの著書が出て、人々が急に泳ぎにいくようになったが、 その当時は、まだ男女が人前で肌を晒す風習がなく、馬車に小屋を乗せたビーチマシンが発明され、その中で着替えたり、 馬車を海に入れて後ろのドアから他人に肌を晒すことなく海に入れたというのだ。当時は女性は、ガウンをまとい、男性も長袖、長ズボンのスイムスーツを着て泳いでいたという。 ビクトリア時代に入り、健康のために海水浴が盛んになり、ビーチに小屋が造られるようになったのがビーチ・ハウスの始まりだという。
閑話休題  蒸気機関車はペイントン駅に到着すると休む間もなく入れ替え作業が行われている。今度は前向きに連結されて引っ張っていくのだ。 例によりピカピカに磨き上げられている(写真下右から2枚目)。大切にされているのが良く分かる。すがすがしい気持ちになる。

Paington Paington Paington Paington

 路線バス ペイントン 〜 トットネス   Paington 〜 Totnes     バス

ラウンド・ロビンも最後の行程、ペイントンからトットネスへのバスに乗る。普通の路線バスだ(写真上右)。バス・ターミナルに行くと丁度バスが止まっている。 これも乗ると直ぐにスタートした。17時過ぎ、下校の学生やお買い物帰りの女性で結構込んでいる。渋滞もなくスムーズに進んで 17時35分にトットネスの船着場に到着する。約4時間のラウンド・ロビンだが、トットネスの買い物時間を含めると6時間のパーキング時間に余り余裕はない。 また何時の日か、楽しみたいものだ。

ハウンド・トー   Hound Tor

今宵のディナーの予約はダートマスのサンドウィッチの時に電話した。ダートムーアの真っ只中のウィディコム・イン・ザ・ムーア(Widecombe in the Moor) という村の外れにあるインだ。あるサイトの"Dartmoor: ten of the best things to do"の"Best pub"に選ばれている。情報の信憑性は分からないが、 他の項目"Best walk"、"Best village"、"Best restauran"、"Best museum"、"Best viewpoint"、"Best cream tea"、"Best town"、"Best ruins"、 "Best hotel"からして、「当たらずとも遠からず」と判断した。restauran、cream tea、hotelは私には高級すぎる。 museum、town、ruinsは余り興味がない。walkのスタート地とゴール地、villageはすでに訪れた。残るviewpointのHound Torも一度訪れているが、 予約時間まで余裕があるので訪れてみよう。
行きがけの駄賃にと"Haytor"をナビ子ちゃんに指示した。A381、A382と繋いでB3387を通るルートと思っていたら、 とんでもないショートカットを指示して来た。A38に出て、Ashburton辺りからムーアのローカルロードに入り込んだ。 人っ子一人見当たらない荒野を走っていると心細くなる。大きなバイクに跨ったライダーが休憩していた。「ヘイ・トーはこの方向か?」と訊ねると 「後に着いて来なさい」とバイクをスタートさせた。先導車がいる運転はとても楽だ。ヘイ・トーが見えてくると指差して知らせてくれる。 間近に来て、左手の岩を指差し「あれがヘイ・トーだ」。右手の空き地を指差し「ここがパーキングだ」(走りながらだから聞こえはしないが・・・) と教え、手を振って走り去った。ナビ子ちゃんの指示と同じ道だが、なんとも爽やかな気分にしてくれる。写真下左がヘイ・トーだ。

Dartmouth Dartmouth Dartmouth Dartmouth

改めてハウンド・トーをナビ子ちゃんに指示して出発。パーキングにはかなりの車が止まっており、コーチからは人がぞろぞろ降りている。 この団体と一緒では敵わない。集合している間に先に進む。遠く道路からは眺めた事があるが、いざ近くに来ると大きな岩だ(写真上右2枚、下左3枚)。 ヘイ・トーが有名だが、規模ではこちらの方が大きいだろう。
高いところを見ると登りたがるお方が、例のごとく登り始める。程々にするよう注意するが、一旦下りても、また別の岩に登っている(写真上右)。
お仲間がいた。男性2人と女性1人のロッククライマーだ(写真下左)。7、8mの岩だが、苦戦している。1人がコーチで2人はビギナーのようだ。 「最初のロープは誰がどうして架けたのか?」と訊ねると「裏から登るのは簡単だよ」ということだ。「なるほど」。
近くの岩ばかりに目が行ってしまうが、遠くの景色も美しい(写真下右2枚)。クライマーに「あの岩は何という」と訪ねると、 あれこれ360度の岩を説明してくれた。写真下右がヘイ・トーだったと思う。。
ダートムーアには紀元前4000年からの遺跡(ストーンサークル、墳墓、住居跡)などが至るところに点在し、2つのレイラインが通っているとのことだ。 神秘な気配が首筋辺りから忍び込む。背筋がぞくぞくしてくる。
パーキングに戻ってくると、先ほどの団体がまだ下にいる。どうやら写真撮影の講習会らしい。全員が立派なカメラを提げている。

Dartmouth Dartmouth Dartmouth Dartmouth

ラッグルストーン・イン   The Rugglestone Inn

ウィディコム・イン・ザ・ムーア村(写真下左)を車窓見学で通過し、ラッグルストーン・インに向かう。 店に入って直ぐ「これは間違いない」と確信した。客の入りの凄さもさることながら、店が暖かな雰囲気に包まれている。 これは楽しい食事をしている時の雰囲気に違いない。テーブルは小さく、席と席の間も狭い。肩を寄せ合うような感じで賑やかに食事をしている。
隣の席を見ると1プレートがかなりのボリュームだ。これはメイン1皿ずつで十分だろう。そこでオーダーは妻が ・ Fisherman's Pie
私が ・ Steak and stilton Pie topped with short crust pastry served with vegetables and a choice of mash potato, chips or new potatoes にする。
チョイスはチップスだ。帰りの道中が狭く長い。ワインは赤のデカンタ500mlにしておく。狭いテーブルが幸いして、互いの料理を突きあう。 "the best things to do"の評価は間違いない。チーズが美味い。肉も魚も野菜も新鮮でジューシーだ。それでも完食は無理なボリュームだ。
黄昏のムーアをのんびりと帰る。パトリックからアイスキューブを分けてもらい部屋でシングルモルトを楽しむ。

Dartmouth Dartmouth Dartmouth Dartmouth

  

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