第8日 8月7日(水) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程 Garnish House --- Kenmare市内(Henry Street, Bridge Street, Roman Catholic Church, Cromwell's Bridge) ---
Ring of Kerry(Sneem, Waterville, Portmagee, Gleensk Viaduct, Rossbeigh Strand) ---
Muckross House(Jaunting Car, Torc Waterfall) --- Crystal Springs
今日の走行距離 398 km
今日の万歩計 10,800 歩
出発時の外気温 21 ℃
ガーニッシュ・ハウス Garnish House
楽しかったコークも今日でお別れだ。この街は次の機会にはもっとゆっくり滞在したい。
ブラーニー城の"Wishing Steps"に願掛けしたからきっとその日は来るだろう。
今日のホットミールは"Fresh Salmon & Potetoes"をオーダーした。何と、これはディナーにもなりそうな一品だ。
ふんわりと身がほぐれジューシーな味わいだ。妻は"smoked salmon & scrambled eggs"。ここのブレックファストは最高だ。
これなら、サマセット・モームの名言”イギリスで美味しい食事を取りたいならば、3食朝食を食べるべき”が納得というものだ。
美味しいパンもしっかりいただき、ランチ代わりにするフルーツケーキも少しお持ち帰り。いざ、ケンメアへ!
ケンメア街歩き Kenmare Town Walk (Henry Street, Bridge Street, Roman Catholic Church, Cromwell's Bridge)
ケンメアには2006年の旅でディナーに立ち寄り、少しの買い物とパブのアイリッシュ・ミュージックを楽しんだが、昼間ゆっくり訪れたいと感じた街だ。
ヘンリー・ストリート(Henry Street)を北上する。カラフルに塗り分けられたお店が並ぶ(写真下左)。
それでいて、雑然としていないのはほとんどが2階建てで、屋根の高さが揃えられているからだろう。そして、屋根の上にはまた整然と煙突が並ぶのが愉快だ。
そんな中、シックな石壁のお店が4、5軒並ぶ。その一つの"White Room"
が目に入る(写真左から2枚目)。アイルランド特産のリネンとケンメア特産のレースの店だ。知人へのお土産を物色。候補を決め購入は帰りにする。
ヘンリーストリートの突き当たり、タウン・パーク(town Park)沿いにマーケットが出ている(写真右から2枚目)。アクセサリー、衣料品、スイーツ、
果物など雑多な店がテントを連ねている。冷やかして歩くのが楽しい。
ブリッジ・ストリート(Bridge Street)を進むと橋に出る。下流を見ると古い石橋が見える(写真右)。
クロムウェル橋(Cromwell's Bridge)と名付けられているが、アイルランドを征服したオリバー・クロムウェル(Oliver Cromwell)はこの地に来たことはないのだという。
11世紀のものとも17世紀のものともいわれるようだ。歩行者用の橋だったというが、このアーチをどうして渡れというのだろう。
タウン・パークの向こうにゴシック建築の教会が見える。"Holy Cross Church"だ(写真右)。
1864 年に建てられたものというが、随分新しく見える。美しい教会だ。ケルト十字も重厚感に満ちている。
メイン・ストリートの"Quill's"
というカラフルな店に入ってみる(写真下右)。知人へのお土産2点、孫へのお土産2点、自宅用にリーズナブルな
テーブル・センターを求める。アイルランドの国花”シャムロック”をデザインしたものだ。
ヘンリー・ストリートに戻り、"Kenmare Gift Shop"というみやげ物店に入る。土産物店にしては品揃えが良い。知人へセーターを1枚と
妻が気に入ったというベストを求める。順調にお土産が揃っていく。
"White Room"で目星のテーブル・センターを求めてお買い物レースは終了する。いざ、リング・オブ・ケリーへ!
リング・オブ・ケリー(ケリー周遊路) Ring of Kerry (Sneem, Waterville, Portmagee, Gleensk Viaduct, Rossbeigh Strand)
アイルランド南西部で大西洋に突き出た幾つもの半島の中で最も大きいアイベラ半島(Iberagh Peninsula)を周遊するツアーを リング・オブ・ケリー(Ring of Kerry)と呼ぶ。一周は約180kmだ。アイルランドきっての景勝地ということでコーチによるツアーも盛んだ。 しかし、道幅が狭いのでコーチ同士の 擦れ違いをなくすため、コーチは反時計回りと決められている。乗用車については擦れ違いが危険だから、 コーチ同様”反時計回りが良い”という説とコーチの後を走るとのろのろ運転や渋滞に合うから”時計回りが良い”という説がある。 そこに、左側通行で海岸線を走る場合は時計回りのほうが断然見晴らしは良くなることを加味すれば、自ずと答えは出る。”時計回り”だ。
N70を西進する。最初の街らしい街はスニーム(Sneem)だ。観光客でかなり賑わっていて、パーキングスペースがない。
この街もカラフルな家が立ち並ぶ(写真上左2枚)。絵葉書を投函する。そういえばポストオフィスは緑だった。まだピンとこない。
06年にアランセーターを求めた店も健在だ。人混みより大自然を求めて通過する。
スニームから10km程はゆったりとした起伏の丘陵地帯を行く(写真上右から2枚目)。道路も整備され快適なドライブだが、
サイクリストには十分な注意が必要だ。程なく、前方に青い海が見え始める(写真上右)。天気も上々、気分爽快だ。
「海が美しい」と言っては止まりシャッターを、「山の形が良い」と言っては止まりシャッターを押す(写真下左2枚)。
大自然のスペクタクルに翻弄されるばかりだ。後続車がないからこんなこともできるのだ。”時計回り”で正解。
息を呑むほど美しい白浜の海岸が眼前に迫る。"O'Carroll's Cove"だ。路肩は車で埋まっているが、僅かな隙間に苦労して収める。
海岸と書いたが、手持ちのミシュラン(Michelin)の30万分の1の地図ではケンメラ川となっている。
5kmも先の対岸のベラ半島(Beara Peninsula)が霞んで見える(写真上右から2枚目)。
やはり、ここはもうアトランティック・オーシャンと言って良いだろう。
入り江を囲む黒い岩と海岸の白い砂のコントラストが素晴らしい。海岸はオートキャンプ場でキャンピングカーが並んでいる。
海岸では泳ぐ人や水辺で戯れる人の姿が見える(写真上右)。今日は確かに朝から暖かな日だが、泳ぐには少々気温が低いと感じられる。
程なく行くと、またもや撮影スポットだ。路肩に駐車し、暫し撮影タイム(写真下左3枚)。前に進まない。
リング・オブ・ケリーの南西の角っこ辺りの海岸だ。手前の島がディーニッシュ(deenish)、奥がスカリフ(Scariff)だ。その先に北大西洋の水平線が見える。
少し北上するとウォータービル(Waterville)の街に着く。喜劇王と謳われるチャールズ・チャップリンがお気に入りの街で別荘があり、度々訪れていたという。
穏やかな湾内の海岸沿いの緑地帯にチャップリンの銅像が立っている(写真上右)。お馴染みの山高帽にちょび髭、だぶだぶの燕尾服に杖という姿で笑っている。
妻はチャーリーと腕を組み、私は肩を組んでそれぞれ記念写真を撮る。
チャーリーに別れを告げスタート。ケリー周遊路の中の小さな周遊路"Skellig Ring"を回り道する。N70を左折しR567からR566と海岸線を走る。
道は突然、両側にヘメロカリスのオレンジ色の花が現れたり、赤いフクシアの生垣に遭遇したりする(写真下左)。
R566の終点バリンズケリグス(Ballinskelligs)からポートマギー(Portmagee)までのアイベラ半島の西端を北上するローカルロードが"Skellig Ring"だ。
その名の通り左手に北大西洋に浮かぶ"Great Skellig"と"Little Skellig"が見晴らせる道路だ(写真下左から2枚目)。沖合い15kmほどにあり、
手前の"Little Skellig"は無人島で奥の"Great Skellig"に6世紀の修道院跡”スケリグ・マイケル(Skellig Michael)”があり世界遺産に登録されている。
スケリグ・マイケルは絶海の孤島に切り立った200mの断崖の上にあるのだというが、今日の穏やかな天候ではその雰囲気は窺えない
写真下右から2枚目の島は"Puffin Island"だ。その名の通りパフィンという可愛い海鳥が住む無人島だ。この辺りの海岸は"St. Finans Bay"というらしい。
ここだけは何故か白波が立っており、多くのサーファーの姿が見られる。ここから見ると2つの島が重なって一つに見える(写真下右)。
ようやくポートマギーに到着した。ケンメアを発ってから3時間が経っている。普通に走る倍以上は掛かっただろう。
朝食の後、ここまでお茶以外は口にしていない。今日の朝食はフルアイリッシュに比べると少し軽かった分、お腹が空いた。
派手にペイントされた"The Moorings Restaurant"に入る(写真下左)。
オーダーはギネス・ハーフパイントを2つとチャウダーを1つだ(写真下左から2枚目)。シーフード・チャウダーが出てくるものと思っていたら
ビーフ・チャウダーが出てきた。肉が柔らかく煮込まれ、口に中でほろほろ崩れて美味い。ギネスに良くマッチする。
パンが2種類ついいる。二人でいただいて丁度良い腹加減だ。
隣の土産物屋""Cois Cuain"を冷やかす(写真下右から2枚目)。どうやら、レストランと同じ経営のようだ。それにしてはすっきりとセンスの良い外見だし、店内の品揃えだ。
妻はビーチ・ハウスがアップリケされた小さなクッションが一目で気に入ったようだ。私はステンドグラス風のヨットの置物(Glass Sailboat)が気に入った。
旅の思い出に求める。小さな街を一巡りした。
羊の形のテラコッタにカンパニュラが咲き溢れた見事なディスプレイにお目に掛かった(写真下右)。素晴らしい。
すっかり時間を食ってしまったのでバレンシア島(Valentia Island)をパスし、幾つかの観光情報はあったが、カシビーン(Cahirciveen)の街も通過だ。
カシビーンはダブリンのオコンネル・ストリートの銅像のカトリック解放運動の指導者であるダニエル・オコンネル(注)が生まれた地だ。
美しい"O'Connell Memorial Church"を横目で見ながら通過する。
"Kells Bay Gardens"も時間があればと思っていたがパスする。しかし、N70から見下ろす"Kells Bay"が美しい。思わず撮影ストップ。
見える海は"Dingle Bay"向こう岸は"Dingle Peninsula"だ(写真下左)。明後日の午前にはあの辺りを走っていることだろう。
スタートすると間もなく右手にビアダクトが現れる。グリーンスク高架橋(Gleensk Viaduct)だ(写真下左から2枚目)。緩やかに弧を描いているところが美しい。
"Great Southern and Western Railway"のファランフォー(Farranfore)からバレンシア島を結ぶ支線で1893年に開通して1960年に廃線となった。
N70からR564に繋いでロスバイ・ストランド(Rossbeigh Strand) に到着する。ディングル湾に4kmほど突き出した金色の砂浜だという。
期待を込めて寄ってみたのだが、金色の砂浜はない。赤茶けた石がごろごろした海岸だ(写真下右から2枚目)。
突き出した先のほうに行けばそれが見られるのかもしれない。16時30分を過ぎ、さすがに風は冷たく感じられるが、泳いでいる人がいる。
こちらの人の寒暖に対する神経は理解しがたい。とは言いつつもアイスクリームの誘惑には勝てない。
ここの地形はとても面白く、対岸のディングル半島からも同じような砂浜(Inch Strandという)が突き出しているのだ(写真右)。明後日そこも訪れる予定だ。
マックロス・ハウス(ジャンティング・カー、トアク滝) Muckross House (Jaunting Car, Torc Waterfall)
さすがにアイルランド有数の保養地キラーニー(Killarney)周辺の道路は渋滞が激しい。今日からの宿泊地キラーニーに到着したのは18時少し前だ。 しかし、このまま宿に入ってはキラーニー観光のスケジュールがこなせない。マックロス・ハウスのガーデンだけでも見ておこう。
生憎、正面の入り口は修理工事中だ(写真上左)。ビシッと黒いスーツを着込んだ係員の女性が近付いてきて「最後のガイドツアーが直ぐにスタートする」と急かされる。
「ガーデンオンリー」と断る。ジャンティング・カー(馬車のことをこう呼ぶ)の客引きから声が掛かる。「ガーデンを見てからね」とかわす。観光地らしい雰囲気だ。
ハウスの西側も工事中だ。19世紀半ばに建てられたビクトリア様式の本来の美しいハウスは こちら)
迂回して南面に出るとサンクンガーデンだ。今、正に花盛りだ。スタンダード仕立てのバラの下に矮性ダリアから金魚草、ベゴニアと背丈をだんだん低くし、
周囲を白いスイートアリッサムと青いロベリアで縁取っている(写真上右2枚、下左2枚)。鮮やかな色使いだ。この縁取りは参考にしたい。
白いアガパンサスとピンクのペンステモンの取り合わせも斬新だ(写真右)。
残された時間も少ない。ここはジャンティング・カーを楽しんでおこう。先程の客引きのお兄さんに所要時間と料金を訊ねると「30分で1人15ユーロ」とのことだ。
納得して乗せてもらうことにする。正面玄関の直ぐ前に乗り場があり、客引きとは別のおじいさんの馬車に乗り、写真を撮って(写真上右から2枚目)いざ出発。
先ずマックロス湖(Muckross Lake)沿いに南下する。林の中の通路を行き交うウォーカーと手を振り挨拶を交わしたり、見え隠れする湖を眺めたり、
時折ぼそぼそ話すおじいさんの案内を聴いたりして進む。
夕方になり曇ってきた空の下の湖に哀愁を感じ、松島アキラの”湖愁”を口ずさむ(実はカラオケの18番)。
写真右はおじさんが自慢げに「写真を撮れ」と案内してくれた木。調べたところモントレー・イトスギのようだ。
馬車は広場に止まり「ここから歩いて5分でトルク滝(Torc Waterfall)に行ける。待っているから見てきなさい」とのことだ。
広場の美しい花など眺め(写真下右から2枚目)歩き始める。擦れ違う人との挨拶も気持ちが良い。確かに5分で滝に到着した。
落差は20m位だろうか、日本人にとってみれば何の変哲もないが、こちらでは有名な滝なのだ(写真下右)。
ここでも水に濡れて戯れる若者や子供が大勢いる。帰路も同じ道で芸がないが、十分楽しめた。僅かだが、チップを渡しサヨナラする。
ロバーティノス・イタリアン・レストラン Robertino's Italian Restaurant
B&Bに到着は19時15分だ。荷物を運び込み着替えをして街までディナーに出る。ホステスは歩いて15分だと言うが、
私の感覚では30分は掛かると思う。しかし、タクシーを呼んでもらうのも気が引けて歩くことにした。
案の定、30分掛かってレストランに到着したのは20時10分、腹ペコだ。
今夜は自分でリサーチしてきた中からリーズナブルなイタリアン・レストランの
ロバーティノスを選択した。オーダーは
・ パルマハムとメロン ・ フリット・オブ・ミスト ・ ピッツァ・マルゲリータ をシェアすることにした。
最初に出てきたのは”フリット・オブ・ミスト”。写真を撮り忘れたのに気が付いたのは二人とも1つずつ口にしてからだ。
それだけおなかが空いていたということだ。よく見ればこれはフリットではない。これは”エビフライ(Breaded Prawn)”に他ならない。
しかし、美味しいからこのまま食べてしまおう。”パルマハムとメロン”と一緒に写っているのはエビが3つ少ない”エビフライ”だ。
パルマハムとメロンが美味しくない訳がない。期待通りだ。
出てきたピッツァの大きさは何たることか? ざっと30cmはある。パスタもオーダーしようか迷ったのだが、3品にしておいて正解だ。
これを1ピース取って呆れる。カットが不均等なのだ。大きいピースと小さいピースでは3倍の差がある。(ピッツァの拡大写真でその様子をご覧あれ)
この旅のプラン作りで参考にしたサイトに
いい加減王国がある。
アイルランド人のいい加減さを語るエピソード満載の愉快なサイトなのだ。アイルランド人はお人好しで親切なのだが、
大雑把でいい加減なところがあることに要注意ではある。
トラットリアを思わせるような屋根やアーチがあったり(写真下左)、大理石の裸婦像が客席の直ぐ脇にあったり、写真や絵の額縁が沢山掛けられている(写真下右)。
イタリアンの雰囲気を出しているのだろう。本物を知らないからその気になっておこう。味、ボリュームとも満足した。
店を出たのは21時30分。キラーニーの街は観光客で大賑わいだ。バスカーズやストリートパフォーマーの姿も見える。
パブからは音楽が聞こえてくる。しかし、今日は長距離ドライブで疲れた。自重しよう。帰りはもちろんタクシーだ。
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