2005の旅 スコットランド編

花花

第17日 7月2日(土) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程   Melrose --- Jedburgh(Abbey, Woolen Mill) --- Peebles --- Greenbank Garden --- Pollok House --- Cardross
今日の走行距離   283km   今日の万歩計   15,629歩

Fauhope House
今朝も良く晴れて爽やかだ。朝食のテーブルに着くとパッションフルーツが出ている。トロピカルフルーツとの印象だから、 スコットランドでどうして?でも、おいしいから少しも構わないのだが…。フルスコティッシュはポテトに代わってビーンズが 乗っている。これも時にはおいしい。ポテト・スコーンも出た。ホステスのSheilaは素敵な笑顔でサーブしてくれる。
食事中から気になって仕方ないのが、下のテラスでぴょこぴょこ動くウサギだ。今日は足元も乾いている。しかし、 うかつに近寄ると素早く潅木の下の雑草の中に逃げ込まれる。息を凝らして気長に待っていたら、ようやく出てきてくれた。 可愛いポーズがたまらない。我々が喜んでいると、Sheilaは"Thousands of rabbits"と言って顔をしかめている。 ピーター同様、悪さをするようだ。Eildon Hillsも朝日に輝いている。
記念撮影をしてお別れする。滞在中は気が付かなかったが、玄関に1897とある。優に100年を越す建物だったのだ。

Fauhope House Fauhope House Fauhope House Fauhope House Fauhope House

Jedburgh Abbey
Jedburghに向かう途中でもう一度Leaderfoot Viaductの優美な姿を眺めA68を南下する。Jedburghの街に入って間もなく 右手にAbbeyが見えてくる。街のパーキングに車を入れ、早速Abbeyへ、思ったより小ぢんまりしている。
Visitor CentreにはFree Costumeとして古代の民族衣装か?修道士の普段着か?自由に着られる衣装が置いてある。 妻は早速着込んで悦に入っている。
Jedburgh Abbeyは 1138年創建という。昨日訪れたDryburghやMelroseのAbbeyと同時期の創建だ。この地域に3つの大きなAbbeyが 建てられたのにはそれなりの歴史があることだろう。(実はあんまり興味がない。このシチュエーションに花!それが目的。)
ここも他の2つと同じようにイングランドの攻撃により破壊されているが、最も良く残っていて建築様式が良く分かる。
写真中は南から見た身廊部分。左手に立派な入り口がある。華やかに芍薬が咲き乱れているところは、かつての中庭だ。
写真左は身廊(nave)の西側部分。当時の入り口だろう。バラ窓が美しい。かろうじて切妻の上に十字架が残っている。
写真右が身廊(nave)の東側部分。タワーの先に祭壇が置かれていたと思われる。最も破壊されている部分だ。

Jedburgh Abbey Jedburgh Abbey Jedburgh Abbey

左は場外の歩道からの写真だ。後陣(apse)と呼ばれる祭壇の後ろ部分からバラ窓まで見事に見通せた。
右は南の翼廊(transept)跡。破壊し尽くされている。右から2枚目はFree Costumeの妻。キルティングのポンチョのようであり、 今日の天気では暑すぎる。

Jedburgh Abbey Jedburgh Abbey Jedburgh Abbey Jedburgh Abbey Jedburgh Abbey

Jedburgh
厳粛な気持ちで表に出ると、バグパイプの音色が聞こえる。そういえば街中が青と赤の三角旗で飾られている。 フェスティバルが開催されているようだ。
大勢の人が歩道に並んでいる。程なくバグパイプ隊を先頭に騎馬行列がやって来た。可愛い子供も白馬の女性もおじさんも おばさんも皆笑顔で手を振って行く。心から楽しんでいる様子が分かる。 行列の最後にはパトカー・救急車に続いて道路清掃車が馬の落し物を掃除して行く。愉快だ。

Jedburgh Jedburgh Jedburgh Jedburgh

ところでバグパイプはスコットランドでは軍隊で使われていたらしい。戦闘の際、先頭に立ち(?)その音で敵を威嚇し、 自軍の兵士を鼓舞したものだという。だから、このような行進にはピッタリなのだが、何故かうら悲しく聞こえても来る。 不思議な楽器だ。
行列を見送りながら隣にいた髭のおじさんが、”どうだ、楽しいだろう。毎年この時期に開かれるんだ。”と自慢げに言う。 笑顔でうなづくしかない。この街も花に囲まれた美しい街だ。

Jedburgh Jedburgh Jedburgh Jedburgh

Scottish Borders

Waterloo Monument

思い掛けない愉快な見物に気を良くして出発する。往路街外れで目を付けておいた"Jedburgh Woolen Mill"なるショップによる。 バーゲン中で50%オフのものもあるが、良いものは値引きが少ない。留守中庭の水遣りをお願いしている隣の奥さんへセーター、 知人へのタータンチェックのスカーフを幾つか求める。2階のゴルフコーナーで50%オフのストローハットをゲット。
A68を北上、右側に高さ150フィート(46m)の Waterloo Monument が丘の上に聳えている。1815年のBattle of waterlooはベルギーにおける戦いであるのにどうしてここにMonumentがあるのかは 知らない。

Peebles

再びMelroseを通り抜けGalashielsの街に入ってところで渋滞だ。Uターンしてくる車のドライバーが"Bus is broken."と言っている。 迂回路は分からない、近くのペトロール・ステーションでガスを入れ案内を乞うている間に開通した。ランドアバウトの周りには、 故障したバスから降ろされた人たちが屯している。この街もフェスティバル開催中らしく飾り付けや準備がされていた。
A72を西に進む。Peeblesの街が美しいとの情報だがショッピングや渋滞で時間をロスしているので車中見学のみ。 Old Parish Churchが目に付いた。

Greenbank Gardens
Jedburgh Woolen Millを出てから3時間、ようやくGlasgow郊外の Greenbank Gardensに到着。 ナショナル・トラストの庭だ。壁やイチイの木で幾つかに仕切られ、各々趣の異なるガーデンが楽しい。
左はヘッジの中に花でなくあえて葉色の異なるプランツを植栽した渋いガーデンだ。中はランブラーローズも足元の植栽も ボリューム感のあるスケールの大きなボーダーだ。右は一転色鮮やかな宿根ボーダーだ。

Greenbank Gardens Greenbank Gardens Greenbank Gardens

羨ましいほど健やかなフクシアに妻は足を奪われる。左右はトロピカルな雰囲気の珍しい花だ。

Greenbank Gardens Greenbank Gardens Greenbank Gardens

噴水の裸像はイギリスの著名な作家の寄贈によるものだとか。
Jedburghで求めた格好良いはずのストローハットが麦藁帽子になってしまうのは何故?
トピアリーも楽しい。写真中の手前は”いもむし”。奥は”子犬”と見た。その右の写真は”かたつむり”で間違いない。
ティールームでスコーンをいただく。クロテッド・クリームが置いてなくて残念。でもミルクティーとピッタリマッチし至福。

Greenbank Gardens Greenbank Gardens Greenbank Gardens Greenbank Gardens Greenbank Gardens

Pollok House
続いてグラスゴー市内のPollok Paryにある Pollok Houseだ。 ここもナショナル・トラストの庭だ。ここでもお館内のMuseumはパスして裏のガーデンに廻る。
様々なヘッジガーデンがある。ここまで出来上がるには時間と手間が要っただろう。形や色のセンスも見事だ。 石垣を埋め尽くすカンパニュラは目が覚めるほどの鮮やかさだ。

Pollok House Pollok House Pollok House Pollok House

芝生の広場で、またもや結婚式後の記念撮影に出会う。BrideもBrides Maidも健康優良児のようだ。ちびっ子Brides Maidも 同様だ。それに引き換えGroomとGrooms ManはDandyだ。因みにGroomは右から3人目だ。花嫁の父親におめでとうを言ったら、 ブスッとして一言"Thank you"と返事をして、右のような豪華な車で行ってしまった。若者達はシャンパンを取り出して、 乾杯を始めた。陽気なことだ。God bless you!

Pollok House Pollok House Pollok House Pollok House Pollok House

Cardross
今夜のB&B Kirkton HouseはCardrossという街だ。例により大きな都市を外した郊外の原則で選んだ。グラスゴーを通り越し、国立公園の Loch Lomondに近い街だ。
Kirkton Houseでドライクリーニングとディナーの店を紹介してもらい出発。「通りへ出て、左に曲がり、大きな橋を越えて 少し行ったところを右よ。」と教えてくれた大きな橋まで5km。橋を越えて少しが2kmは優にあった。 こちらの人の少し・直ぐは当てにならない。
懸案を1つクリアーし、ゆっくり食事を楽しむ。スターターは写真撮影を忘れてたいらげてしまった。メインは共にサーモンで、 片やチリソース、片やフライドである。それぞれ付け合わせの野菜が非常においしかった。3、4年前はイギリスでは生野菜には お目にかかれなかった記憶があるが、今年はどこでも良く使われている。野菜好きには嬉しい。

Cardross Cardross Cardross

食事を終わってもまだまだ明るい。CardrossはClyde湾沿いの街だ。湾沿いのA814を暫しドライブする。 海を渡って猛烈な風が吹き付ける。湾の水も波打っている。しかしヒツジはのんびり草を食む。
B&Bの玄関のベンチからも馬場を挟んで湾が見える。部屋の窓の直ぐ下にウサギが現れ草を食む。可愛いものだ。

Cardross Cardross Cardross Cardross

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Rabbits

"Rabbits Control"という言葉をご存知だろうか?
今日は朝も夕も可愛い野生のウサギの姿が見られ、とても嬉しい気持ちなのだが、こちらの当事者の気持ちとは多いに 温度差があるようだ。
今朝Sheilaが"Thousands of rabbits"と顔をしかめたり、右の写真のようにガーデンの入り口で "Rabbits Control"を呼び掛けたりする事実を知ると、可愛い!可愛い!とばかり喜んではいられない気にさせられる。
キッチン・ガーデンの野菜や庭木の幼木などの食害が大きいようなのだ。

Rabbits

Rabbits

ところで、Beatrix Potterの"The Tale of Peter Rabbit"の主人公ピーターのお父さんはどうして亡くなったのかご存知だろうか。 お話の中の一節をご紹介しよう。
'Now, my dears,' said old Mrs.Rabbit one morning, 'you may go into the fields or down the lane, but don't go into Mr. McGreegor's garden : your Father had an accident there : he was put in a pie by Mrs. McGreegor.'
そうなのです。ピーターのお父さんはマクレガーさんのお庭で悪さをして捕まってしまい、奥さんにパイにされてしまったのです。 恐ろしいことです。でも、これが現実であり、子供向けのお話にこのように記されているのです。

Rabbits

日本でも”待ちぼうけ”という童謡にウサギが登場しコロリと亡くなってしまうが、こちらは古いしきたりに捕らわれて ばかりいてはいけないという戒めらしい。散々待ったあげく5番では”待ちぼうけ、待ちぼうけ、元は涼しい黍(きび)畑、 今は荒れ野のほうき草、寒い北風木の根っこ”となってしまいます。因みに北原白秋の作詞です。
脱線しましたがイギリスでは野生のウサギは害獣なのだ。レストランのメニューにも"Game"として狩猟で獲った肉料理がある。 当然ウサギ肉の料理もある。私は未だに試していないが…。


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