第23日 7月8日(金) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
Craigiewood
今日も朝からピーカンだ。この旅も終盤を迎えたが、ヒースローは遠い。安全運転の旅を再度誓う。
ロンドンのテロに関してAramintaもGavinも一言も触れない。旅行者に余分な心配を掛けないためかもしれない。
二人が席をはずした時、デンマーク人の旦那がテレビのチャンネルを替えると画面はテロの様子を伝えている。
これから向かうエジンバラなどの大都市では注意が必要かもしれないとは思うが、ではどうすると言われても方策はない。
万一の場合もパニックにならない心構えだけはしておこう。
デンマーク人ご夫妻は国から車でやってきたとのこと。ガーデン巡りをしながらいろいろなプランツを求め、
車の中はプランツだらけだという。羨ましい。造園家のGavinにアドバイスをもらっている。私達にもあれこれ
ガーデンガイドをしてくれる。予定表を見せるとパーフェクトと言ってくれた。
少し塩辛目のフルスコティッシュをいただき、デンマーク人の旦那に記念写真のシャッターをお願いして今日の旅のスタートだ。
ここも思い出に残るB&Bであった。
Nairn
Nairnの街の花のディスプレーは素通りを許さない。昨日見たものとは違う飾り付けも多く見て歩いて飽きない。暫し足止め。
Glen Grant Distillery
昨日の予定であった
Glen Grant Distilleryに到着。
A941を少し外れた森の中の川沿いに静かな佇まいの工場がある。ほのかに良い香りが漂ってくる。
スケジュール変更の都合で蒸留所の見学はできないが、ショップで良いシングルモルトを探そう(実はこちらが本命)。
10時スタートの見学ツアーが出たばかりなのだろう店内に客の姿はない。可愛い店員にお薦めを尋ねると、
この蒸留所でしか販売していない商品を薦めてくれる。何とアルコール度は14年物は57.5%、
16年物は55.8%ではないか。思わず唾ゴックン、迷わずゲットして先ずはご機嫌だ。
Glenfiddich Distillery
続いてGlenfiddich Distilleryだ。
朝からスコッチ蒸留所のハシゴだ。朝、安全運転を誓ったので試飲は控えることにする。
Glenfiddichは世界で最も製造量の多いメーカーだと聞く。広大な駐車場にはコーチも数台停まっている。ショップの前には
ガーデンが広がっている。ラベルの鹿をモチーフにした植え込みがイギリスらしい。
蒸留所の独特な屋根の形が道路標識にデザインされている。これもイギリスらしくて楽しい。
ここでは21年物を奮発し、またまたご機嫌だ。
Leith Hallを目指しA941・A920・A96・A97・B9002と進む。ハイランドの長閑な田舎道のドライブは快適だ。
スコッチ蒸留所の屋根は蒸留所によって微妙に異なっているようだ。大きな樽が心を惹くが既に4本ゲットした。
持ち帰りを考えるともう限度だ。諦めよう。
広々とした丘の上に風力発電のプロペラが沢山並んでいる。地球温暖化・二酸化炭素対策が叫ばれる中、日本でも風力発電が
もっともっと導入されるべきだろう。
Leith Hall
Leith Hall
はナショナルトラスト管理のホールだ。お城ではないから小ぢんまりとした雰囲気だ。
1650年からの歴史に彩られたお屋敷のようだが私達が目指すはガーデンだ。
お屋敷の周りを広大なGrounds and Gardenが取り囲む。素晴らしいボーダー&ウォールドガーデンが展開する。
スコットランド一のボーダーと謳われるらしい。
広い庭なのに入場客は少ない。その上、緩やかに湾曲したボーダーは更に人影を隠してくれる。この素晴らしい花々を独り占めだ。
あのカーブの先には何が…?ついつい急ぎ足となる。振り返っては、あれあんな所に…と後戻り。縦横にボーダーを行きつ戻りつ、
なかなか先に進めない庭だ。
やはり北の庭だ。色合いがソフトでエレガントだ。奥行きも幅もある懐の深さを感じる庭だ。心の落ち着くゆったりした 雰囲気に包まれる。
Highland Cattle
Highland Cattleも興味あるところだ。
顔中を覆う前髪がユーモラスだがハイランドの厳しい環境の中を生き抜いてきた力強さを感じさせる牛だ。
ハイランドに入って間もなくどこかのガーデンかホールの脇で見かけて居る居ると思ったっきり、その後はとんと
見かけなくなってしまった。残り日数も少なくなり気にしていたところだが、A944を走行中、放牧場に見かけた牛が
ひょっとしたらと思いUターンする。正しくHighland Cattleだ。もっと毛色が黒いものと思っていたが、この毛の長さや
角は間違いない。カメラを向けると柵の直ぐそばまで寄ってくる。間に川がなければ恐ろしくなる迫力だ。
Craigievar Castle
Craigievar Castle
にやって来た。駐車場から城までの取り付けが風変わりな木肌の大木の並木だ。ロマンティックな雰囲気だ。
木陰を渡る風が涼しく心地良い。
17世紀の城だという。ディズニーのシンデレラ城のモデルとなった城との情報もある。小ぢんまりしているが
タワーのようで7階まであるようだ。
ナショナル・トラストの管理だが、城の周りにはチケット売り場のようなものが見当たらない。城の玄関に居たスーツ姿の
キャリアウーマン風の女性にガーデンだけを見たいのだがと尋ねるとこの周囲全てがガーデンよと言う。
私達とガーデンの概念が違うのだ。周囲のウッドランドがガーデンなのだ。フラワー・ガーデンはと尋ねるとノーと肩をすくめて
見せる。城内は見なくても良いのかと確認されてしまう。
Crathes Castle
続いてCraigievar Castle
もナショナル・トラスト管理の城だ。さっきのCraigievar Castleと良く似たタワー城だ。壁の色も良く似ている。
こちらは16世紀に造られたものらしい。
ここも良く手入れされ心地良いガーデンだ。300年前に作られたという大きなトピアリーが目を惹く。ウォールド・ガーデンの
壁の色合いが良い。花が引き立つ色だ。ハイランドのガーデンではバラの花は今一つの感があったが、
ここのバラの花には勢いがある。
ガーデンのそこかしこからタワーが見える。裏返せば城の周り360度がガーデンだ。ボーダーの花色にもわずかにビビットな
色合いが混じり華やかさがある。
それにしてもお天気の良いこと、半そででも厚いくらいだ。ハイランドに居ることを忘れそうだ。噴水が一層涼しさを演出する。
庭の一隅に温室があり、妻の大好きなフクシアの花が沢山並んでいる。妻は大喜びで入って行くが私はこれ以上温まったら
芽が出てしまいそうでパスして木陰で休む。
ところが中から妻が呼ぶ。この素晴らしいフクシアの全種類をカメラに納めろと言う。この暑いのに勘弁願いたいが…、
それを言っちゃー…。
ショップでガーデングッズをペイントした可愛いマグカップを発見ペアでゲット。アイスクリームとショートブレドを
求め木陰でランチとする。ショートブレドが余りにおいしいのでお土産として追加購入に走る。
Dunnottar Castle
Dunnottar Castleは
海に突き出した崖の上に建てられた廃城だ。一見小島に建てられた城に見える。映画の舞台ともなった旅情を誘う佇まいだ。
城のある面は平らでかなり広いスペースのようだ。この城に入るには一旦長い階段を下りて、再び登っていかなければならない。
このルート以外は断崖絶壁だ。城まで徒歩片道1時間との情報もある。途中の断崖の岩穴から見える海岸は白く透明で美しい。
北海の大海原だ。
私達は途中まで登ったところで写真を撮り引き返した。と言うのもこの後のSt Andrewsのために時間を残しておきたいからだ。
St Andrews Old Course
St Andrews Old Courseはゴルフ中退の私だが1度は訪れたいと憧れてきた”ゴルフの聖地”だ。Dunnottar Castleを
スタートしたのが既に16時20分だ。St Andrewsまでは100km余り1時間30分は掛かるだろう。A90をひたすら南下。
近付くにつれラウンドアバウトには特設の"The Open"の道路標識が目に付く。そうなのだ!来週の木曜14日から第134回
全英オープンが開催されるのだ。いやが上にも気が急く。
北海に面した小さな町St Andrewsの街外れに
Old Courseはあった。The Openの準備でClosedかと懸念したが
A91からOld Course Hotelへの門は開いている。道の両側は特設テントと大型トレーラーがギッシリと並んでいる。
物々しい雰囲気に包まれている。ホテルを過ぎた先の路上にスペースを見つけ駐車し、恐る恐るコースに近付いてみる。
カートに乗ったいかにも関係者らしき人に出会い、入ってよいか尋ねるとOKの返事だ。ついつい早足となってしまう。
右に大きな緑のスタンドが見え、左にコースが開けている。ウンッ!あそこに見えるのはひょっとしてSwilcan Bridgeでは?
テレビや写真でお馴染みのSwilcan Bridgeにこんなにあっさりと対面できてしまうとは…。(写真上中、下右)
全英オープン開催のわずか6日前だというのに、信じられない。It's unbelievable! 思っていたよりは小さな橋だが、
私の心には大きく残ることだろう。そしてこれまたお馴染みのホテル群を背景に記念写真を撮る。
(ホテル群に並び18番グリーンのギャラリースタンドも見える)
と言うことはここが18番。そしてあれが1番グリーン。(写真上左から2枚目)では、17番グリーンは? と、思いは廻る。
17番グリーンにプレーヤーが現れた。ギャラリーを大勢引き連れている。誰かと思い近付くとイギリスのNick Faldoではないか。
人気な訳だ。18番のティーショットを間近で見られた。さすがメジャー6勝(マスターズ・全英オープン各3勝)、
見事なスイングだ。Nick FaldoとキャディーはSwilcan Bridgeを堂々と渡って行く。絵になる。しかし、ギャラリーは皆
別の橋を渡る。いつの日かプレーヤーとしてSwilcan Bridgeを渡れることを祈念する。
The Open開催を祝う各国の国旗だが、ユニオンジャックだけは昨日のロンドンのテロの犠牲者を悼み半旗が掲げられている。
リンクスは大自然が造りだしたコースでその難しさは聞き及んでいるが、今日の好天ではそれを実感できない。
フェアウエイの起伏やラフも想像よりずっと穏やかだ。しかし、海岸沿いに出れば異なった顔を見せるのだろう。
17番のトミーズバンカー(写真下左)も思ったより浅い。
The Openの準備もすっかり整ったようだ。写真下左から18番ティー(17番グリーン)ギャラリースタンド・
18番グリーンギャラリースタンド・17番ティー・17番ティースコアーボード・特設テント群だ。スケールがでかい。
The Seafood Restaurant
まだまだ見て歩きたいし興奮は覚めやらないが、今日はThe AAのSeafood部門のAwardに輝く、その名もズバリ
"The Seafood Restaurant"を予約してある。B&Bに戻りシャワーを浴びてお洒落をして出かけることにしよう。
レストランはOld Courseの直ぐ近くの海岸沿いの全面ガラス張りの明るい店だ。コース料理をオーダーし、
憧れのSt Andrews Old Courseにカンパイする。暑さと興奮で渇いた喉にシャンパンが心地良い。
白ワインも楽しみつつ、おいしく料理が進む。とここでハプニング。カメラのバッテリーが切れた。いつもは交換を
リュックに入れ携帯しているのだが、今日はお洒落をしてきたので置いてきてしまった。そんな訳で肝心のメインディッシュの
写真はお見せできない。
全面ガラス張りの明るい店内に白いテーブルクロスに白い食器と清潔感を感じる。盛り付けがとても綺麗で楽しい。
従業員のサービスも気さくでリラックスした雰囲気だ。ノーネクタイで良かったようだ。
食事を終わって一旦B&Bに戻りバッテリーを交換し、再びSt Andrewsに戻り街の散策をする。 観光客が多いのだろう活気に満ちた街だ。
帰りにもう1度Old Courseによる。今度は17番のティーの脇に車を停める。あのホテルの上をショートカットしていくコースだ。
22時になろうとしているのに夕涼みの散策の人々が大勢いる。プレーを終えバッグを担いで柵をくぐり車に戻る人がいる。
本当に来週からThe Openが始まるのだろうかと疑問に思うほど開放的だ。
しかし、1週間後にはここでタイガー・ウッズが完全優勝を飾りダブルグランドスラムを達成したのだ。地元スコットランドの
英雄モンゴメリーもタイガーに食い下がり2位となり、いやが上にも盛り上がった大会だ。ニック・ファルドも11位タイと
健闘した。2005 The Openは私にとって忘れられない大会となった。
ようやく陽の入りを迎えたようだ。特設スタンドの先の西の空が赤く染まっている。明日も良いお天気に恵まれそうだ。
”Topic” 特集 ”橋” 石橋編 その2 Topic一覧はこちらへどうぞ
今日のトピックはSt Andrews Old CourseのSwilcan Bridgeに遭遇したことを記念し特集”橋”最終回をお届けしよう。
自慢のコレクション石橋編その2だ。勿体つけた割には数が少なくて恐縮だ。
今回はFootbridgeが6つ、城・宮殿・ゴルフ場の橋など前回とは趣の違う橋が登場する。
Eilean Donan Castle Bridgeは湖上に浮かぶ古城(!?)への唯一の橋だ。湖面には水草が繁って少し景観を削ぐ。
Lealholm BridgeはNorth Yorkshireの小さな村で出合った。青みを帯びた石が印象的だ。橋の下では子供達が泳いでいた。
Sinnington BridgeもNorth Yorkshireの小さな村にあった。その隣の広場に古い石橋が残っている。水は流れていない。
Swilcan Bridgeはゴルファー憧れの橋だ。私はゴルフは優秀な成績で中退したが、何時かはイギリスで復学したいと夢見ている。
Burford Bridgeは今回唯一の幹線道路の橋。交通量が多く、信号による交互通行だ。拡幅だの架け替えだのと考えないらしい。
PackbridgeはBathに近いイギリスで最も可愛い村と謳われるCastle Combeの静寂の中に美しい姿で佇む。
Upper Slaughterの橋は小さな小さなFootbridgeだ。手前は車が通るFordだ。4年前にはライダーが馬で渡る光景にも巡り合った。
Lower Slaughterの橋もダブルだ。手前は手摺りもない石橋。後方は白い手摺りが片方だけ付いた、擦れ違いもしかねる橋。
コメントは @ 橋名、 A 道路ナンバー、 B 川名、 C 訪問日の順だ。
Eilean Donan Castle Bridge Castle Road Loch Duich 7月6日 |
Lealholm Bridge Unclassified Road River Esk 7月11日 |
Sinnington Bridge Unclassified Road 右は、今は River Seven 使われなくなった橋? 7月11日 広場に保存されている |
Swilcan Bridge St. Andrews Old Course Swilcan Burn 7月8日 |
Burford Bridge A361 River Windrush 7月13日 |
Packbridge Unclassified Road By Brook 7月14日 |
Upper Slaughter Footbridge & Ford River Eye 7月14日 |
Lower Slaughter Footbridge River Eye 7月14日 |
Vanbrugh's Grand Bridge Blenheim Palace 左右は宮殿入り口の橋 River Glyme(Qeen Pool) Vanbrugh's Grand Bridge 7月15日 中はGrand Cascadeの前の橋 |
写真たっぷりの旅行記をご覧ください
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