2015年の旅 スコットランド

花花

第7日 6月24日(水) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。

今日の行程        Muirholm Bed & Breakfast --- Loch Fyne Oyster Shop --- Crarae Garden ---
                Loch Fyne Oyster Shop (Tree Shop) --- Inveraray --- Argyll Adventure (Trekking) --- Ards House
今日の走行距離     216 km
今日の万歩計       24,100 歩
今日の出発時気温    11 ℃

ミュアホルム B&B  Muirholm Bed & Breakfast

Muirholm Muirholm Muirholm

今日はオバーンまでの移動日だ。前2日より30分早い7時30分に朝食をお願いした。ドイツ人の2カップルはまだ降りてこない。
昨日の朝食の項で述べた"VisitScotland"のホームページにはさらに"Smoked salmon from Loch Fyne or Dunkeld Smokery"、 "Stornoway Black Pudding from the Isle of Lewis"と記されている。そこで、妻はスモークト・サーモン&オーツケーキ(写真上中・右)、 私は昨日のフルスコティッシュのソーセージの代わりにブラック・プディング(写真下中・右)をオーダーした。
それぞれのプレートが運ばれてきて写真を撮る時、私のプレートが何か物足りなく感じる(写真下中)。 するとフランチェスカが慌ててやってきて私のプレートを下げていく。次に戻ってきた時にはマッシュルームが追加されていた(写真下右)。 「キッチンへ戻ったらこれが残っていたので慌てたわ」と大笑いだ。
味は申し分なしだ。妻は大好物のサーモン、とりわけスモークときたら文句のつけようがないだろう。私のブラック・プディングはというと、 今まで食べたブラック・プディングの中で最高のものだ。ということで今までは進んで食べることの少なかったブラック・プディングだが、 この先何度もいただくことになる。
因みに"Loch Fyne"は今日訪れる湖で、"Dunkeld"も後日訪れる予定だ。"Isle of Lewis"はスカイ島の北に浮かぶ島だ。
食事が終わる頃にドイツ人カップルが2組現れた。暫し話をしたが、いつまでも付き合っていると、食事を早めた意味がない。適時退散。

Muirholm Muirholm Muirholm

ファイン湖牡蠣店  Loch Fyne Oyster Shop

Loch Fyne Oyster Loch Fyne Oyster Loch Fyne Oyster

Loch Fyne Oyster

朝食のミルクティーは利尿作用があるようだ。大概カップ3杯はいただくし、フレッシュジュースも1杯いただくから飲む量も多い所為もある。 ローモンド湖が見え隠れする辺りに来て尿意を催す。昨日訪れたルス湖のビジター・ショップの有料トイレを借りる。ルスの北、 A82脇のパーキンススペースに車を止めベン・ローモンドを眺める(写真右)。
そこから30分余りでファイン湖(Loch Fyne)の湖頭にあるファイン湖牡蠣店に到着する。店内は素晴らしい光景だ。牡蠣だけでなくロブスターやエビの類も豊富だ。 生のサーモン、白身の魚はタラ(Haddock)とヒラメ(Sole)だろうか。キッパーも並んでいる。ムール貝も見られる。これだけ並んでいて生臭さは一切ない。 奥のテーブルは10時30分だというのに満席状態だ。
しかし、まだお腹は全く空いていない。目が欲しいからといってガッツく歳でもない。ここは目の保養ということで済ませておく。

Loch Fyne Oyster Loch Fyne Oyster Loch Fyne Oyster

カントリーサイド  Countryside

今日のメインの行事は“乗馬トレッキング”だ。"Argyll Adventure"の11時15分スタートの"1hour Seanic Treks"に参加したい。 朝から生憎なことに小雨が降っていたが、今は小康状態だ。10時40分、予定通りに到着した。
入口で声をかけると若い女性が出てきてレセプションに案内してくれる。受付の若い男性に11時15分スタートの"1hour Seanic Treks"を申し込むと 「水曜日は11時15分のトレッキングはない。16時30分スタートのみだ」と連れない返事だ。 「ホームページには水曜日もあると載っているはずだ」と反論しても「ないものはない」がこちら流だ。ホームページを確認するでもなければ、 変更したことを詫びるわけでもない。事前に確認しなかったこちらが悪いのだ。
「今日は16時30分だけ。11時15分は明日ならある」の一点張りだから「どちらもダメだ」と引き返す。それでも諦めきれずに 車に戻り今日と明日の日程を検討してみる。今日の午後にしているガーデン2軒は優先順位△印だ。この2軒をカットすれば16時30分からのトレッキングができる。 そうすれば、ファイン湖牡蠣店に戻ってランチの時間も取れることになる。思わぬ怪我の功名だ。 レセプションに戻り16時30分のトレッキングを申し込む。二人で50ポンドだ。

クララエ・ガーデン  Crarae Garden

ファイン湖の西岸を南下、クララエ(Crarae)という集落の少し先にナショナル・トラスト所有の クララエ・ガーデンがある。
このエステートは1825年以降キャンベル 家(Campbell family)の所有であった。1912年にグレイス・キャンベル夫人(Lady Grace Campbell)が ガーデンの開発をスタートする。夫人の甥のレジナルド ・ジョン ・ファラー (Reginald John Farrer)はアジアの植物を集めた プランツ・ハンター(Plant-hunter)で日本にも8ヶ月滞在し、日本庭園からロックガーデンを学んだといわれる。
キャンベル夫人はレジナルド ・ファラーがヒマラヤから持ち帰った植物をファイン湖沿岸の渓谷に植栽してウッドランドガーデンとしたものだ。 ヒマラヤン・スタイルのウッドランドガーデン(Himalayan-style Woodland Garden)としてイギリスでも有数なものだという。 2002年にナショナル・トラストに寄付されている。

Crarae Garden Crarae Garden Crarae Garden

ビジター・センターのコテージを抜けると深い渓谷を背景に芝生が敷かれたなだらかなスロープが広がっている。その一隅の小塚に苔むした石が立っている(写真上左)。 新石器時代・紀元前2500年ころの墓(Chambered Cairn)の跡だという。
その並びにヒマラヤン・ポピーの大きな花壇がお洒落なデザインで広がっている(写真上中)。
パンフレットには5種類のウォーキングコースが載っている。普段はウッドランドガーデンは敬遠しがちなのだが、時間はたっぷりあるので 受付で勧められた赤色のコース"Himalayan Gorge"に紫色のコース"Fyne Vew"と一番短い黄色のコース"Spirit of the Garden"を組み合わせて オリジナルのコースを考え出す。渓谷に入るとヒマラヤスギなどの大きな木の下にまだツツジやシャクナゲが鮮やかな色を見せている(写真上右)。
とても分かり易いウォーキングマップの上、要所には色別の標識も休憩のベンチも備えられている。高い稜線に出ると林越しにファイン湖が見られる。 対岸の山々の穏やかで雄大な山容が心地よい(写真下3枚)。

Crarae Garden Crarae Garden Crarae Garden

Crarae Garden Crarae Garden Crarae Garden

このガーデンの林の樹木はブナやカエデ、ユーカリなどが有名だ。ユーカリ(Eucalyptus Trees)の新芽が健やかに伸びている(写真上左)。 花かとも思ったが、ユーカリの花はこんなのこんなのらしい。 陽だまりでも何年も育てているがまだ花を見ていない。咲かせてみたいものだ。
花木ではシャクナゲとツツジが有名だ。今はいたるところにシャクナゲの花が見られる。色も白、黄、オレンジ、ピンク、赤と多彩に楽しめる。
渓谷を貫く渓流に架かる吊り橋を3ヶ所渡る。橋の上からは流量の多いカスケードが見られ、清涼感に包まれる(写真下中2枚)。

Crarae Garden Crarae Garden Crarae Garden Crarae Garden

Crarae Garden Crarae Garden Crarae Garden

赤色コースの最高位からオプションの紫色コースへは急な坂道のアップダウンがある。青息吐息でたどり着いたビューポイントからは 稜線から見たより間近にファイン湖の姿が見られる(写真上左、中)。人には全く出会わない。静寂そのものだ。
谷を下った窪地には水生植物が群生している(写真下左)。林間コースにはシャクナゲの仲間で最も葉が大きいという"Forrest's Football"がある(写真下左から2枚目)。 このシャクナゲの花はその名の通りフットボールの形をしているのだ。
このガーデンにある600種のシャクナゲの中でヘッドガーデナーのお気に入りのシャクナゲが"Star of the show"だという(写真下中)。

Crarae Garden Crarae Garden Crarae Garden Crarae Garden

1つのガーデンで約2時間の散策は我々にしては珍しいことだ。メリハリの効いた楽しいウォーキングとなった。危ぶまれたお天気も持ち直したようだ。

Crarae Garden Crarae Garden Crarae Garden

ファイン湖牡蠣店  Loch Fyne Oyster Shop

怪我の功名というか転んでもただは起きないといおうかファイン湖牡蠣店で シーフードを楽しむことができることになった。
レストランは満席で平日の昼だというのに大盛り上がりだ。オーダーを済ませ周りを見ると、 こんなシーフード・プラッターを2つも並べて喚声を上げている男女4人グループがいたり、 満足気な顔で頷き合う老カップルがいたりと期待が膨らむ。
オーダーは ・Todays Oyster Selection(写真下左) と ・ Crab Claws(写真下中)とした。“旅は非日常”としているが、 食べたいものを、食べたい時に、食べたいだけ食べていたら、帰りにはウェートオーバーになってしまう。それは美学に反する。 これくらいがちょうど良いところだ。白ワインもボトルでといきたいところだが、トレッキングもロングドライブも待っているので、 グラスで1杯ずつにしておく。
カキは産地の異なる3種類が2個ずつ出された。確かにそれぞれ違う味がする。それぞれに美味しい。カニの爪はプリプリで甘みが強い。 大満足で妻と何度も頷き合う。雰囲気が良いのでエスプレッソコーヒーで余韻を楽しむ。スコットランドの郷土菓子のタブレットがついてきた。 タブレットの甘さがエスプレッソの苦味に合う。

Loch Fyne Oyster Loch Fyne Oyster Loch Fyne Oyster

カントリーサイド  Countryside

Tree Shop

オイスター・ショップの隣に"Tree Shop"というガーデン・センター&カフェがある。 ギフトショップで娘のパートナーに似合いそうなシャツを1点、友人3人にテーブル・ウェアー、ポストカード数点を求める(写真右)。良い買い物をした。
A83をインヴェラレイ(Inveraray)方面に向かう。左手にファイン湖の美しい湖面が広がる。対岸の白い家々が湖面に映り美しい(写真下左)。 ケイルンダウ(Cairndow)の村だろう。
A83がシラ川(Shira River)を渡る時、湖側にカロン橋(Garron Bridge)が見える(写真下中)。シラ橋(Shira Bridge)とも呼ばれるという。 アーチと橋桁の精緻な装飾がなんとも美しい。1748年に造られた橋で現在は歩行者のみが通れるようだ。
さらに進んでインヴェラレイ(Inveraray)の街に入る手前でアレイ川(Aray River)に架かるアレイ橋(Aray Bridge)を渡る(写真下右)。 1775年に造られたもので一般的にはインヴェラレイ橋(Inveraray Bridge)と呼ばれているようだ。2連のアーチが美しい。 真ん中の円はオーバーフローした時に水を逃がすためのものだという。現役だが、狭いため信号による交互通行だ。
インヴェラレイの街を散策する。この街には3度目の訪問だが、いつもバグパイプの音色が響いている。ウォーターフロントからアレイ橋の写真を撮る。 ポストオフィスを見つけ切手を求める。日本へのポストカードの料金は1ポンドだという。また値上げされている。 この後トレッキングだというのに止んでいた雨が降り出した。

Countryside Countryside Countryside

アーガイル・アドベンチャー(トレッキング)  Argyll Adventure (Trekking)

16時15分にアーガイル・アドベンチャーに到着。 ヤッケにオーバーズボンを着用し雨対策を図るも幸い雨は上がってくれた。
ヘルメットを着け馬とご対面。私が乗せてもらう馬は“ロウド”という名の牡馬、妻の方は“イーレン”という牝馬だ。 先ずは屋内馬場を2、3周回って腕慣らし。きっとレベルを測っているのだろう。
いよいよトレッキングスタート。なんと女性3人がサポートしてくれる。林を抜け見晴らしのよい稜線に出る。 雨後のもやったファイン湖と対岸の山が神秘的だ。カメラを含め全ての荷物は預けさせられてしまったので写真を撮れないのが残念だ。
再び林を抜け湖岸に下りる。引き潮で大きめな石がゴロゴロ露出し、海藻が付着して潮の香りがする。 ファイン湖はここから70kmほど南下するとアラン島(Isle of Arran)が浮かぶクライド湾 (Firth of Clyde)に繋がっている。 すなわち汽水湖なのだ。だから、カキが養殖され、カニやエビが漁れるのだ。更に砂浜の波打ち際を進む。馬には足場が悪く気の毒な気がする。
1時間はあっという間に過ぎ去った。記念の写真を撮ってもらい、ロウドとイーレンの労をねぎらい首筋を撫でながら礼を言いお別れする。

Countryside Countryside Countryside

アーズ・ハウス  Ards House

5年ぶりのアーズ・ハウスだ。5年前のホステスのマダム・マーガレットの素晴らしいホスピタリティーが 印象深かったので再びここを選んだのだ。しかし、予約や確認の電話には男性が出た。息子さんの代に代わったのだろうと勝手に判断していた。 出迎えてくれたホストのスティーブ(Steve)に話を聞くと、マーガレットはB&Bが忙しすぎて疲れてしまったので5年前にここをスティーブに売り、 現在はバーミンガムで元気に過ごしているという。娘さんが近くのオバーンでレストランを経営しているとのことだ。
「5年前は隣のザ・オイスター・インとオバーンのEEウスクで素敵なディナーをしたが今はどうかな?」、「両方とも素晴らしいよ。今日はどちらにする」、 「今日はザ・オイスター・インにして明日EEウスクにする」「インは予約なしで大丈夫だ。明日の分を予約しておこう。何時にする?」、 「19時30分でお願い」、「よし分かった。楽しいディナーを」ということで荷物を解いてザ・オイスター・インに徒歩で向かう。

ザ・オイスター・イン  The Oyster Inn

ザ・オイスター・インは少し改装された感じだ。 海(のように見えるが、実はエティーブ湖(Loch Etive)の海への開口部に当たる)の見えるテーブルに席を構えるとメニューを運んできたウエイトレスが 「今日はオイスターはありません」とのたまう。“ザ・オイスター”を名乗っておいて何と気勢を削いでくれることか・・・。 とはいえ、ないものはないのだ。そこで前菜として
・ "Steaming Pot of Mussels from Shetland" Just Natural - cooked in their own steamed flavours. をオーダーする。
ムール貝をそのまま蒸しただけのものだ。写真下左のようなポットに入って出てきた。ムール貝の貝殻をトング替わりに使って身を外して食べる。 殻はフタに捨てる。ポットの底の汁も貝殻をスプーン替わりに使って全て飲む。完食後が右の写真だ。

Countryside Countryside Countryside

メインは ・ "West Coast Seafood Linguine" Selection of local fish and shell fish in a saffron and chilli broth. と
・ "Grilled Salmon from Loch Duart" Served with a warm potato and pepper salad, drizzled with a honey musterd dressing. とした。
リングイネは危惧した通りクタクタだ。アルデンテという言葉はまだイギリスにはないのだ。サーモンと貝柱、エビが ゴロゴロ入っているのでそれだけを掘り出して食べる。グリルド・サーモンを含め海の幸は文句なしに美味い。白ワインが進む。
アーズ・ハウスでアイスキューブを頼むと共用の冷蔵庫から自由に出して使えるとのことだ。ナイトキャップも進む。

Countryside Countryside Countryside

F.U写真集  F.U Photo Album

今年も妻が撮影した写真を掲載させていただく。異なった視点からの写真も面白いかも知れない。

写真はいずれもクララエ・ガーデン 左から順に
        稜線からのファイン湖の眺望          橋の上から見下ろす渓流           シャクナゲの仲間で葉が最も大きい
                                                              "Forrest's Football"を見上げる

F.U Photo Album F.U Photo Album F.U Photo Album

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