2015年の旅 スコットランド

花花

第12日 6月29日(月) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。

今日の行程        Rosegrove Guest House --- Loch an Eilein (Walking) --- Ballindalloch Castle ---
                Balmoral Castle --- Ballater --- Corgarff Castle --- Tomintoul --- Rosegrove Guest House
今日の走行距離     228 km
今日の万歩計       24,000 歩
今日の出発時気温    12.5 ℃

ローズグローブ・ゲスト・ハウス  Rosegrove Guest House

今日は朝一でウォーキングを予定しているのでお天気が気になるところだが、今朝も曇り空だ。
今日のブレックファストはフル・スコティッシュ。妻はスクランブル・エッグ、私はフライド・エッグとした。 素朴な感じでボリュームたっぷりに出てきた。フルーツ・コンポートにバナナ、ヨーグルトを含めたっぷりといただく。 ウォーキングへの備え十分だ。
ダイニングはサンルーム風になっており全面ガラスの窓からは今朝も 赤リス(動画 2分36秒)が盛んに餌をついばむ姿が見える。
小鳥達も目まぐるしいほどに入れ代わり立ち代わりバードフィーダーに遣ってくる。 見飽きることはないが、そろそろスタート時間だ。19時スタートでディナーを予約して出発。

Rosegrove Rosegrove Rosegrove

アン・アイリン湖(ウォーキング)  Loch an Eilein (Walking)

この地域のアクティビティーで検索したところ"Walkhighlands"にも "Walks - The AA"にも “廃墟の城が残る小島が浮かぶ美しい湖の周りをめぐるウォーキング・コース”として アン・アイリン湖が見つかった。 所要時間も難易度も丁度良い。

Loch an Eilein Loch an Eilein Loch an Eilein

30分でアン・アイリン湖のパーキングに到着した。9時15分だ。何と一番乗りだ。朝一番のお客が東洋人でパーキングの係員もびっくりしている。 人気のウォーキング・コースの筈なのに少し気勢をそがれる。ビジター・センターもまだ開いていない。トイレを借りてウォーキングスタート。
湖畔に出る。雲が厚く低く垂れ込め陰気な雰囲気だ(写真上左・中)。右方向に小さな島が見える(写真上右)。 "Loch an Eilein"はゲール語で"Loch of the island"(島の湖)という意味なのだ。この島にお城の廃墟があるのだろうか?  お楽しみは後回しにして時計回りに散策開始。

Loch an Eilein Loch an Eilein Loch an Eilein

最初は湖畔の水際を進んだ散策路はやがて林の中に続く(写真上左)。右手には林を透して常に湖が遠く近く垣間見える(写真上中)。
進むこと30分、湖に注ぎ込む浅瀬を渡る(写真上右)。左に行くと"'Lairig Ghru and Glen Einich"という道標がある。 オプションで進んでみるが20分歩いても何も出てこない。周囲は一面の荒野だ(写真下左)。諦めて引き返す。

Loch an Eilein Loch an Eilein Loch an Eilein

元のルートに戻り散策続行。相変わらず林間コースだ(写真下左)。湖面のさざ波が幾分か強くなってきただろうか(写真上中)。 静かな林の中に響くようだ。何だか背筋がゾクゾクしてくる。
ルートの所々に長い棒が置かれている(写真上右、下左から2枚目)。"Fire Brooms"と表示されている。山火事の初期消火に用いられる道具のようだ。 他に"Fire Beater"、"Fire Swatter"、"Fire Flapper"などとも呼ばれるらしい。
写真で分かるように妻も私も手袋をしての散策だ。しかし、山の冷気が山歩きには心地よい。曇っていても雨の心配はなく散策にはぴったりだ。

Loch an Eilein Loch an Eilein Loch an Eilein Loch an Eilein

アン・アイリン湖は湖頭(南端)でさらに小さなギャナ湖(Loch Gamhna)と繋がっている(写真上右から2枚目)。 その水路には木橋が架かり清流が流れている(写真下左)。通り抜ける風もとても爽やかだ。
ガイドに時計回りが紹介されているせいだろうすれ違う人も少ないが、時にカップルが、時にファミリーがにこやかに挨拶をしてすれ違っていく。 サイクリングの人とも2組ほどすれ違った。穏やかな散策だ。
林は主にカラマツと思われる針葉樹だが、時に大木(写真上右)が見られたり、落葉樹の林も見られる(写真下中)。
最後にお楽しみの島が現れた。しかし、直径20mくらいの小さな島だ。ここに14世紀に建てられた城は10m×8.5mの 地下1階地上2階の城だったという。城は当時は陸続きたったが、18世紀に湖の水位が上がったため島になってしまったのだという。 だから、今見えている部分は多分2階の部分だと思われる。面白い現象だ。
2時間30分の散策を終えパーキングに戻ると車で溢れている。これだけの人が入っているとは思えない静けさだった。

Loch an Eilein Loch an Eilein Loch an Eilein

バリンダロッホ城  Ballindalloch Castle

バリンダロッホ城で検索するとトップに花と英国の2010年のガーデン紹介の記事が出る。 その記述は“16世紀からのマクファーソン・グラント(Macpherson-Grants)家の居城だ。 スペイ川(River Spey)とエイボン川(River Avon)が合流する広大な丘陵地に立ち、 別名"The Pearl of the North"と謳われるという。”となっている。印象深い城だった。
何といってもフォルムが優雅でロマンチックだ。どこから見ても美しく絵になる。写真下左は東から見たカッスル、中は北から見たカッスル、 右は南から見たカッスルだ。

Ballindalloch Ballindalloch Ballindalloch

タワーも美しい(写真下左)。とんがり三角屋根の小塔が堪らなく可愛い。トップに翻るのは “スコットランド国王旗(Royal Standard of Scotland)”だ。スコットランド人の矜恃を感じる。
タワーの正面入口の上に紋章が掲げられている(写真下左から2枚目)。2010年の記述によれば“紋章の彫刻に"TOUCH NOT THE CAT BOT A GLOVE"と刻まれている。 マクファーソン家の格言(Motto)のゲール語で英語に直すと "Touch not the cat without a glove"だ。“爪をむき出したヤマネコに触るな”ということらしい。 良く調べたものだ。紋章の下の桁石には"Ereected 1546"、"Restored 1850"とある。1546年の創設、1850年の修復を示している。

Ballindalloch Ballindalloch Ballindalloch Ballindalloch

城の南面の壁はつる性の植物で覆われている。季節により色合いが変わるのだろう。今は小輪のつるバラが品良く覆っている(写真上右から2枚目、下左)。 ピンクやアプリコットのバラの花と足元のキャットミントのブルーがマッチしている。
続いて北面の中庭(Courtyard Garden)のフォーマル・ガーデンに遣ってきた(写真上右、下中)。爽やかなブルーガーデンに歓声を上げる。 壁のつるバラ、ハニーサックル、アイビーのコントロールも完璧だ。ガーデナーの鏡だ。植栽はブルーとホワイトの宿根ビオラ。 周りの白い花はレウカンセマムと思われる。銀葉がとても効果的だ。 そんな中で中央のモニュメントの中に1点だけ赤色を使ってアクセントとしている(写真上右)。斬新だ。

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城からお洒落なバラのアーチ(写真上右)に導かれ東側の森に進むと緩やかな斜面にロック・ガーデン(Rockery)が築かれている。
ロック・ガーデンとはいうものの岩は全く目立たない程に潅木や匍匐性コニファーなどで覆われてる(写真下左・中)。 通路も芝生が貼られているところが多い。見事なコントロールに脱帽しかない。

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ロック・ガーデンの中にプールがある(写真上右)。ここでは岩も適度に見受けられる。池の中の噴水のモニュメントは中庭のモニュメントとお揃いだ(写真下右)。 他にもプールにふさわしいモニュメントがある(写真下中2枚)。池の周りはアルケミラモリスが垂れている。
城に繋がるアーチのバラはまだ蕾が上ったばかりだが、一部クレマチスが咲き始めた(写真下左)。バラとコラボする時期には見ものだろう。

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その奥にロック・ガーデンというにはあまりにフォーマルなガーデンがある。中庭にもあったレウカンセマムで縁どりした美しいガーデンだ(写真下左・中)。 それにつけても、このレウカンセマムの健やかな生育具合は羨望だ。高温多湿の日本ではこんな育ち方は難しいだろう。
次はメインのウォールド・ガーデンに向かう。名物のキングサリのアーチは残念ながら花が終わっている。しかし、シャクナゲは今が盛りと咲いている(写真下右)。

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ウォールド・ガーデンは1辺100m以上の台形だ。壁際は2辺はブルーの、他の2辺はホワイトの宿根ビオラで縁どられたバラの植栽だ(写真下左、中)。 バラはまだまだ先のようだ。壁をクライミングするつる性植物にも残念だが花はない。
その中にこのガーデン・マップのように約60m四方の "Rope and Post Fence"(写真下右)の囲いの中に、中庭同様に爽やかなブルー&ホワイト・フォーマル・ガーデンがデザインされている。

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中央は円形にバラの生垣で囲われたサンクン式ガーデンで丸いポンドと噴水がある(写真上中)。その周囲4ヶ所に少年の像(写真下4枚)を中心に 円形のバラ花壇がある(写真上左・右)。縁どりはいずれもキャットミントだ。
バラの蕾はまだまだ小さい。咲けばこんな風になるのだろう。 壁際のボーダーもこんな風になるのだ。バラの季節に一度訪れたいものだ。

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"Rope and Post Fence"のコーナーにはオリーブの木が植えられ、足元は何度も登場のレウカンセマムだ(写真下左から2枚目)。 シルバーでまとめられた素晴らしい植栽だ。使用している植物の種類はシンプルだが、スッキリ統一されていているのが気持ち良い
ウォールド・ガーデンのゲートのプレートに "God's Garden. The kiss of the sun for pardon the song of the birds for mirth. One is nearer God's heart in a garden than anywhere else on Earth." と記されている(写真下左)。 曇天で太陽の赦しのキスは受けられないものの気分は爽快で神のハートを感じることはできる。

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ウォールド・ガーデンの北側に出ると温室(Greenhouse)がある(写真下中)。とかく乱雑になりがちな温室だが、キチンと整理されている。 これほど整理された温室は見たことがない。ところで、“バリンダロッホ城”と命名されたバラがあるのだ。 多分この温室のバラがそれだろう。日本では“バリンダルロッチ・キャッスル”で流通しているようだ。
すっかりインスパイアーされてパーキングに向かう。径路にはシャクナゲの落花が絨毯を敷いたようだ(写真上右から2枚目)。
牧草地にはアルパカ(Alpaca)がのんびり寛いでいる(写真下上右)。ホームページによるとここにはリャマ(Llama)もいると記されている。 アルパカとリャマは見分けがつきにくいのだという。写真がどちらかは定かでない(写真上右)。 17世紀の鳩小屋(Dovecote)も見られた(写真下右)。
ショップを覗く。大きなショップだ。孫にキーホルダーを、友人にブローチを求める。

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カントリーサイド  Countryside

Countryside

朝散策したアン・アイリン湖はスペイ川(River Spey)に注ぎ込んでいる。アン・アイリン湖からバリンダロッホ城までのA95は正にスペイ川沿って走っているのだ。
スペイといえば、スコットランド一(=世界一)のモルト・ウイスキーの生産地スペイサイド(Speyside)だ。密造時代には約1000の蒸留所が存在したという。 現在は、スコットランドの蒸留所の約半数を占める50の蒸留所がこの地域にひしめいているのだ。 (ひしめき具合はこの地図で実感いただこう) いたるところに道路標識が現れる。
スコッチ好きの身としては喉が鳴るところだが、今は機内持ち込みができないのでお土産として持ち帰れないので立ち寄っても仕方がないのだ。 (受託手荷物に入れるという人がいるが、私には怖くてできない)
スペイ川の豊かな流れがスコッチに見える(写真右 28日撮影)。バルモラル城に向かう道は支流のエイボン川(River Avon)に沿って走る。 この流域にも蒸溜所は幾つもある。

バルモラル城  Balmoral Castle

バルモラル城について2010年の旅日記では次のように記している。 (2015年の旅日記としては手抜きになってきた。省エネとご理解願おう)
“ビクトリア女王は1842年に初めてスコットランドを訪れ、この地を大変気に入り、"My dear paradise in the Highlands"と言ったといわれる。 1848年から15世紀に建てられたバルモラル城を借りて夏を過ごした。1852年には夫のプリンス・アルバートが所有者のロバート・ゴードンからこの城を購入し、 拡張を計画、1856年に完成したのが現在のバルモラル城なのだ。 爾来、歴代のロイヤルファミリーが避暑地として使用している。 そのためこの地域をロイヤル・ディーサイドと呼ばれるようになったのだ。”

Balmoral Castle Balmoral Castle Balmoral Castle

スペイサイドに続いてディーサイド(Deeside)が登場だ。パーキングから、そのディー川(River Dee 写真上左)を渡ってゲート(写真上中)に遣ってきた。 ゲートに取り付けられたモノグラムの“GR”と“MR”はジョージ5世(George Rex)とメアリー王妃(Mary Regina)のイニシアルだ。1925年に完成した。
ゲート左手のチケット・オフィスで入場券を求め、お城までは無料のトレーラー(写真上右)に乗って行く。 (2010年はディー川沿いを散策したものだが、今年は午前のウォーキングの疲れがあったので迷わずトレーラーに乗ってしまった)
城に着いてトイレを借りる。このトイレのトイレットペーパーが面白かったので紹介しよう。 左の円形ドラムがそれだ。真ん中にちょこっと出ているのを引っ張ると1枚ずつトイレットペーパーで出てくるのだ。

Balmoral Castle Balmoral Castle Balmoral Castle

お城を眺める。どこが15世紀のもので、どこが拡張されたものかはわからないが、タワーと左手の城館では少し異なるように感じる。 写真上左は中央の航空写真の左方向から、右の写真は航空写真の下方向からの撮影だ。戦のためでなく避暑地としての居城だけに美しくロマンチックなお城だ。
タワーのトップにはためいているのは“ユニオンジャック”でなく“スコットランド国王旗”であることが興味深い。王室のスコットランド人への心遣いか。
上の航空写真で下へ伸びる通路を進むとガーデン・エントランスに至る。

Balmoral Castle Balmoral Castle Balmoral Castle

ガーデンのオリジナルはアルバート公が造ったものだが、歴代のファミリーによって改善されてきたものだ。 ガーデンに入ると直ぐにエディンバラ公によって拡張されたフラワー&キッチン・ガーデンだ。述べたようにロイヤルファミリーの避暑地だから 8、9月に最も美しく花が咲き、野菜が収穫できるよう設計されているので今は花も少なく、野菜もまだ小さい(写真上3枚)。 残念ながら、その一番美しい時期は一般には公開されていないのだ。
そんな中、幾つもある温室(Greenhouse 写真上左)や美しいデザインのコンサバトリー(Conservatory 写真下左)の中は花盛りだ。 趣味は別として気持ち良いほど色彩に溢れている(写真下中・右)。
コンサバトリーのガラスにはバリンダロッホ城のウォールド・ガーデンにもあったフレーズ"One is nearer God's heart in a garden than anywhere else on Earth"と彫られている。 “1952”と“2002”の数字も彫られている。アルバート公がガーデンを始めた年とエディンバラ公がこのガーデンを造った年だ。

Balmoral Castle Balmoral Castle Balmoral Castle

隣がメアリー王妃が発案したフォーマル・ガーデンだ。城の南面の芝生の広場の先に半円形の石垣を築きサンクン・ガーデンとし、 半円の中心に噴水を配している(写真下左・中)。広場からのフォーマル・ガーデンへのゲートの門扉にも“GR”と“MR”のモノグラムがついている。 こちらは上部にクラウン、下部に1923とデザインされている。このガーデンを造った年だ。(このゲートは一般のゲストは出入りできない)
こちらの航空写真がガーデンのロケーションを良く伝えてくれる。

Balmoral Castle Balmoral Castle Balmoral Castle

続いてキングサリのトンネルが現れる(写真下左)。ここのキングサリはまだ黄色を残している。
城へ戻る径路を進むとガーデン・コテージ(Garden Cottage)が左手に見える(写真下中)。“ビクトリア女王が時々朝食をとったり日記を書いたりした場所だという。 1863年に完成したコテージは木造だったが、1895年に現在のコテージが完成した。中の調度品もガラス越しに見られる。(2010年の丸写し)” しかし、何となく暗い建物だ。今年は横目で睨んで、素通りする。
お城の西サイドに2つのガーデンが並んでいる。テラスにはパルテール(Parterre 装飾花壇)がある。中心に鹿の彫像と噴水が鎮座している(写真下右)。 プールの水が豊かに満ち溢れる様は心地良い。ただ、周りのバラや草花は8月のピークに備え今は色彩に欠ける。

Balmoral Castle Balmoral Castle Balmoral Castle

その西にサンクン・ガーデンがある(写真下左)。サンクン・ガーデンは沈床庭園と訳され、周囲より1段低くして見下ろすガーデンのことだ。 ここは一段と低く造られている。しかし、春の草花は終わり、バラも女王様の到着をお待ちのようだ。 5月にはこんな景色が見られ、7月も終わりならならばこんな景色が 見られるのだ。女王様が滞在する8月はもっと美しいのだろう。
バルモラル城で唯一、一般公開されている部屋がボールルーム(Ballroom)だ。お城で一番広い一番広い部屋だという。 ここで王室に関するさまざまな展示がされているが、撮影禁止だ。ウェブ上でもその写真は見当たらない。 たった1枚見つかったのがこのポスターだ。この展示も8月になると片付けられて、本来のダンス場に戻るのだ。 そして、こんな情景が繰り広げられるのだろう。

Balmoral Castle Balmoral Castle Balmoral Castle

ゲートまでのトレーラーを待つ間に"Carriage Hall Courtyard"を覗く。ピカピカに磨き上げた古い馬車やクラシック・カーが展示してある(写真上中・右)。 (ブルーの車のアップ写真はこちら) 壁のハンギングバスケットの植栽はゼラニウムやロベリア、バコパなどありきたりだが、その色遣いが石の壁にマッチして映える(写真下右から2枚目)。
トレーラーの通り道の脇に変わった建物がある(写真下右)。"Deer Larder"といい狩猟で獲った鹿などの肉の貯蔵庫だ。 軒下にぐるりと鹿の角が取り付けられている。リアルだ。

Balmoral Castle Balmoral Castle Balmoral Castle Balmoral Castle

バラッター  Ballater

ロイヤル・ディーサイドで最も有名な街バラター(Ballater)に遣ってきた。しかし時刻は16時40分、大方の店が閉まる17時までほとんど時間はない。 "Old Royal Station"の前のパーキングに車を止め、近くのレストランでコイン・ランドリーの場所を訊ねる。街中にはなく郊外にあるという。 再び車に乗って探し当てた店は普通のランドリーで今出せば明日の朝できるというが、それはできない。諦めて街に戻った時は既に17時を回った。 ショッピングをしようとリストアップしていた店は皆んな閉まっている。イギリスでは観光地といえども労働者保護のため普通の店は17時には閉店してしまう。 一方、バルモラル城のラストアドミッション・タイムは16時30分だから、いずれにしろ、どちらかは諦めなければならないのだ。
ブリッジ・ストリート(Bridge Street)を南に下りながらリストアップした店を覗いて歩く。お洒落な街だ。
バルモラル城に近いので王室御用達マーク(ロイヤル・ワラント(The Royal Warrant))を掲げた店も多い。
ブリッジ・ストリートの中程に"Glenmuick Parish Church"が建っている(写真下左)。教会の周りは公園になっていて神聖にして清々しい雰囲気だ。
ディー川に架かる橋まで下って引き返す。写真下中は橋の近くから見たブリッジ・ストリートの様子だ。中央左に有名な王室御用達の肉屋が見える。 この街は前回も時間が遅くショッピングができなかったのだ。次回は余裕を持って訪れよう。
"Old Royal Station"の前のパーキングに戻って旧駅舎を探すが見当たらない。 5年前に見た白と赤にペイントされて可愛い駅舎は忘れようがない。 狐につままれたような気分で見回すとフェンスの向こうに黒焦げた屋根が見えた(写真下右)。信じられないことだが、火事にあったようだ。
1866年から1966年までアバディーンからの鉄道が通っていてバルモラル城を訪れる王室の方々やヨーロッパ各国の王室の方々も利用した 由緒ある歴史的建造物だけに残念だ。暗澹たる気持ちでバラッターを去る。帰国して調べてみると2015年5月12日の早朝に火事にあったという記事を見つけた。 次回訪問時には再建されていることを祈る。

Ballater Ballater Ballater

カントリーサイド  Countryside

Countryside Countryside Countryside

ディナーの時間までたっぷり時間がある。カントリーサイドのドライブを楽しみながら、のんびり帰ろう。
A939を北上中、ゲイン川(River Gairn)に架かる古い石橋を渡る。いつもは通りすぎるてしまうのだが、今日は路肩に車を停め写真を1枚(写真上左)。

Countryside

コーガーフ(Corgarff)の集落を通り過ぎ、しばらく行くと左手の丘にぽつんと白い小さなタワー・ハウス(Tower House)が見える。 コーガーフ城(Corgarff Castle)だ(写真上中)。 タワーは16世紀に建てられたもので、取り囲む城壁は18世紀に加えられたもので8角形の星型だという。ヒストリック・スコットランドの所有だ。
A939に戻り上り坂を登って行くと間もなく左手にスタンディング・ストーンが立っており、見晴らし台になっている(写真上右)。 ここからコーガーフ城が見下ろせるが、残念ながら星型はよくわからない(写真下左)。 ウェブ上で見つけたこの写真が星型を表している。
スタンディング・ストーンは新しいもののようだ。4面に文字が刻まれている。"As still skies or storms unfold, take a moment to behold, in sun rain sleet or snow, warm your soul before you go."と書いてあるらしいが、意味不明だ。
A393沿いにちょっとした街がある(写真下右)。1775年に格子状に計画的に造られた街トミントール(Tomintoul)だ。 ハイランドで最も高い位置にある街という触れ込みだ。南北約1kmの直線道路の両脇に行儀よく家が立ち並んでいる(写真下右)。 街の中心部の脇道に車を止め散策する。水瓶を頭上に捧げる女性像の水飲み場(Drinking Fountain)がある(写真右)。 プレートによれば1915年にこの街出身の医師ロバート・グランツ(Robert Grant)から”少年時代の記念”として贈られたもののようだ。
この街はシングル・モルトのトミントール蒸留所の名でも知られる。蒸留所は街とは離れたエイボン川沿いにある。

Countryside Countryside Countryside

ローズグローブ・ゲスト・ハウス  Rosegrove Guest House

Rosegrove Rosegrove Rosegrove

Rosegrove

18時30分ローズグローブに帰還。予定通り19時よりディナー開始だ。
ナビ子ちゃんのショートカット好きにも困ったものだが、時に良いこともある。アン・アイリン湖からバリンダロッホ城に向かう際にも素直にA95に入らず、 B970を選んだ。お陰でカントリーサイドのドライブを楽しんだし、途中ネシー・ブリッジ(Nethy Bridge)の村では"SPAR"を見つけ、 今夜のディナーのためのワインを仕込むことができたのだ。
テーブルセットは小鳥の絵が描かれたプレートが沢山並んでいる(写真上左)。この絵と同じ小鳥が窓の外のバードフィーダーにやってくるから楽しい。
スターターは ・ Asparagus Poached Egg だ(写真上中)。 生ハムも付いてなかなか豪華だ。ボリュームもスターターとは思えない。
メインは ・Salmon Vegetables だ。お皿の半分が空いている(写真上右)。付け合せの野菜(写真下左)のスペース、

Rosegrove Rosegrove Rosegrove

Rosegrove

だがポテトとオニオンはどうして初めから盛ってあるのだろう。その差がわからない。 初めから写真上中のように盛り付けて出してくれればよさそうに思うが、シェフのこだわりなのだろう。
デザートは ・ ???? buns Raspberry Ice Cream だ(写真下右)。????は達筆すぎて解読不明だ。皮が厚いシュークリームのようなものだ。 チョコレートもかかり、アイスクリームもたっぷりあって満足だ。
シェフに美味しかった旨伝えると、喜んでくれたが、近々ディナーの提供は中止になるのだと悲しそうな顔でいう。 (確かに2015年末現在のホームページにはディナーのことは記載されていない。)
いつの間にか赤リスも遣ってきて盛んな食欲を見せている。朝晩必ず遣ってくるが、いつも1匹なのだという。 野生で1匹だけで生きては行けないだろう。頬袋に餌を詰めて家族の元に持って帰るものと推測する。
可愛い仕草はいつまで眺めていたも飽きない。しかし、赤リスの方がお腹も頬袋もいっぱいになったのだろう。森に帰っていく。 驚いたことに、屋根の上でなく垂直の壁を伝って行くのだ(写真下中・右)。

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F.U写真集  F.U Photo Album

今年も妻が撮影した写真を掲載させていただく。異なった視点からの写真も面白いかも知れない。

写真下左から
 アン・アイリン湖   異郷の地で人っ子一人見当たらない静かな湖畔 得難い感傷だ
 バリンダロッホ城   レウカンセマムの健やかな生育具合は何としたことか 下から蕾がどんどん上がっている
 バリンダロッホ城   ガーデンに不可欠なものが建物 ましてやこのロマンティックなお城が背景なら・・・

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写真下左から
 バリンダロッホ城   ロマンチックなお城の壁際 折り重なる植栽・色彩に喝采
 バリンダロッホ城   樹木・花木・潅木・草木 丈・色・形・質 カラー・スキムの手本だ
 バルモラル城     エリザベス女王の雰囲気が伝わるようだ 華やいだ心持ちになる
 バルモラル城     キッチン・ガーデンにて 平凡だが存在感のある草花 陽だまりにもと種を捜し求めているが 未だ

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写真下左から
 バリンダロッホ城   優しい色遣いでいながらボリューム感溢れる植栽 真似るのは難しい
 バルモラル城     アルバート公のビクトリア女王へのお思いが偲ばれる
 バルモラル城     とんがり屋根 ドーム屋根 三角屋根 風見鶏 国王旗

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