第23日 7月10日(金) 水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。
今日の行程 Bellevue House --- Dryburgh Abbey --- Scott's View --- Leaderfoot Viaduct --- Mellerstain House & Gardens ---
Abbotsford House --- Melrose (Shopping , Priorwood Garden , Harmony Garden , Abbey) --- Plant Nursery --- Bellevue House
今日の走行距離 91 km
今日の万歩計 22,200 歩
今日の出発時気温 13.5℃
ベルビュー・ハウス Bellevue House
ダイニングに行くとホストが「今朝は忘れずにヨーグルトを出しておいたよ」と笑って言う。
フレッシュのみかん、バナナ、青りんごにヨーグルトをたっぷりかけていただく。
ホットミールもボリュウムたっぷりだ。ベーコンが2枚、スクランブルエッグも溢れそうだ。トマトはちょっと焼きすぎた感があるが、ご愛嬌。
こちらのマッシュルームはどこでいただいてもどうしてこんなに美味しいのか?キノコ好きには羨ましい限りだ。
反対にこちらのソーセージはどこでいただいてもどうしてこんなに・・・。
スモイルホルム・タワー Smailholm Tower
ドライバラ・アビーに向けてB6404を西に進むと右側の小高い丘にタワーが見えてくる。
スモイルホルム・タワー だ。
15世紀にこの地の地主であるプリングル家(Pringles Family)が建てた高さ20mの4階建てのタワー・ハウスだ。
1645年にスコット家が購入し、詩人・小説家として著名なウォルター・スコット(Sir Walter Scott エジンバラのスコット記念塔でも登場した)
の曾祖父が借り受けたのだという。ウォルター・スコットは1771年にエジンバラで生まれたが、病弱だったため18ヵ月の時にここに住んでいた祖父母に預けられたのだ。
大自然の中で祖父母からボーダーに伝わる素朴な民間伝承(Border Ballads)をたくさん聴かされ、スコット自身が"Standing stark and upright like a warden"と
評したこのタワーを見て育ったのが詩人・小説家の才能を育んだといわれる。確かに“校長のように飾り気なく真っ直ぐに立っている”
ドライバラ・アビー Dryburgh Abbey
ドライバラ・アビーに遣ってきた。
ボーダー四大アビーの1つである。他の3つが街中の賑やかなロケーションにあるのに比べ、ドライバラは蛇行するツィード川に三方を囲まれた静かな森の中にある。
3度目の訪問だが、その静謐さに敬虔の念を呼び覚まされる。
ドライバラ・アビーは1152年にプレモントレ会の修道院として創設された。しかし、3度の火事やイングランドとのたび重なる戦いで破壊と修復が繰り返され、
宗教改革により16世紀以降荒廃したのは他の四大アビーと同じだ。
パーキングに車を止め森の中を進むと左手に美しい廃墟が見えてくる。200m余り進んだウエストフロントの美しく装飾されたアーチ門が入口だ(写真下左)。
アーチ門を潜ると華麗なゴシック様式の建物が見える(写真上中)。左側に見えるのが北翼廊(North Transepts)部分の廃墟だ(写真上右)。
ここには上述のウォルター・スコットや第一次大戦で陸軍総司令官を務めたダグラス・ヘイグが埋葬されている(写真下左)。
写真上中の右側の建物が南翼廊(South Transepts)の破風だ(写真下中)。北翼廊もそうだが、この修道院の石は淡いピンク色を帯びている。
黄色味を帯びているジェドバラ・アビー、黒っぽいケルソ・アビー、赤味を帯びているメルローズ・アビーと比較して四大アビーの中で最も美しいと思う。
身廊部分の南の回廊を囲む東側の建物が比較的保存状態が良い。参事会会議場(The Chapter House)の壁には13世紀のペインティングや漆喰飾りの痕跡が
かすかに感じられる(写真下左)。ここでは結婚式なども執り行われるようだ。
回廊の南側が食堂(Refectory)の跡だ。東西の破風だけが残っている(写真下中)。手前がイースト・エンド、奥がバラ窓(Rose Window)があるウエスト・フロントだ。
バラ窓の輪郭も完全に残っていて美しい(写真下右)。
食堂の南側を小さな小川が流れている。川の向こうの広場にオベリスクが立っている(写真下4枚)。4面に精巧な彫刻が施されている。 スコットランド王・ジェームス1世(写真下左から2枚目)とジェームス2世(写真下右)の像だ。
ドライバラ吊り橋 Dryburgh Suspension Bridge
地図を見るとドライバラ・アビーの北西500mに橋がある。グーグルのストリートビューで見ると吊り橋のようだ。
左岸をギリギリまで車で進む。途中から車は通行不可で歩行者専用の吊り橋だ。現在の橋は1872年に架けられたものだ。
長さは50m程のしっかりした造りでスリルに欠けるが、往復する。
黒い水の流れの中にはサーモン釣りを楽しむ釣り人の姿が見られる(写真右)。
スコッツ・ビュー Scott's View
次のガーデンを訪れる前に2つのビュー・ポイントに寄り道する。1つ目はスコッツ・ビューだ。ツィード川を北(上流)へ2.5kmの丘の上からのビュー・ポイントが
“スコッツ・ビュー”だ。B6356を登っていくと左手に美しい景色が展開する。丘の頂上付近にパーキングがあり、見晴らし台となっている。
ウォルター・スコットは執筆活動に疲れると自宅のアボッツフォード(Abbotsford)からお気に入りのここまで馬を駆ってしばしば訪れていたという。
真下をツィード川が蛇行し、豊かな緑の先に3つのピークを持つ丘が見える。雄大な景色だ(写真下)。私にとってもお気に入りのビュー・ポイントだ。
このグーグルのストリートビュー でご覧いただくとより鮮明だ。
3つのピークを持つ丘はメルローズの南1km程のところにあるエイルドンの丘(Eildon Hills)だ。ここから直線距離なら5kmもない。意外に近くなのだ。
1832年にスコットが亡くなり埋葬のためにドライバラ・アビーに向かう葬列がここ通った時、馬車を牽いた彼の愛馬は自然にここで止まったという。
リーダーフット・ビアダクト Leaderfoot Viaduct
2つ目のビュー・ポイントはリーダーフット・ビアダクトだ。私が今までに見た中で最も美しいビアダクトだ(写真上左・中)。ここも3度目の訪問となる。
2010年の旅行記の記述を再掲する。“Berwickshire Railwayの鉄道橋として1865年に架けられたというこの橋は、ビクトリア女王をして"immense"と言わしめたほど、
大きくて素晴らしい高架橋だ。 05年にこのビアダクトを見て以来、意識してビアダクトを訪れてきたが、未だ嘗て、これに勝る美しいものに出合っていない。
高さ37m、長さ245m、アーチ数19だ。使われなくなっておよそ100年、古き良きものを大切にするイギリス人の気概が伝わる。”(今も思いは変わらない)
このビアダクトのフォーカスポイントが1780年に架けられたオールド・ブリッジだ。オールド・ブリッジを渡り、
右岸(南岸)からその姿を写真に収める(写真上右)。オールド・ブリッジの向こうに見えるのが1973年に架けられたA68の鉄橋だ。
右岸を上流に向けて登っていく。ビアダクトの下辺りからハマナスの生垣が続く(写真下左)。ピンクに混じって白い花もちょっと混じっている。
さらに登って振り返るとビアダクト、オールド・ブリッジ、A68の鉄橋と新旧3本の橋をカメラに収めることができた(写真下中)。
その先にスコッツ・ビューで見たエイルドンの丘を見るための展望台がある。こちら側からだと3つのピークは1つに重なってしまうが、なだらかな美しい姿だ(写真下右)。
ビアダクトの先のBerwickshire Railwayの廃線跡がフットパスとなっている。スタイル(柵を乗り越える踏み台)を越えて歩き始める。
暫くすると展望台が現れた(写真右)。高い所があると直ぐに登りたがる性格の方が約1名、すかさず上ってご満悦だ。
メラーステイン・ハウス&ガーデンズ Mellerstain House & Gardens
メラーステイン・ハウス&ガーデンズに遣ってきた。
2010年には調査ミスで2日連続クローズドの日に訪れてしまった苦い思い出がある。10年振りにゲートを潜る。
ハウスはスコットランドで最も素晴らしいいわれるジョージ王朝風の城館だ。ジョージ・ベイリー(George Baillie)の依頼でスコットランドの良く知られた建築家
ウィリアム・アダム(William Adam)が設計し1725年から建築が始まり、息子ロバート・アダム(Robert Adam)に引き継がれ1778年に完成したという壮大で美しい建物だ。
例によりハウスはパスしてガーデン・オンリーのチケットを求めハウスの南東側のテラスに回り込む。このガーデンはウィリアム・アダムがハウスを設計した時に
周辺を当時イギリスで生まれたランドスケープ・ガーデン(英国式風景庭園)として造成したガーデンが元になっている。
エデン川(River Water)を堰止め湖を造り、その周りに森を造り、周回路を巡らせたものだ。
現在のガーデンは1910年にレジナルド・ブロムフィールド卿(Sir Reginald Blomfied)が設計したもので、ハウスの南東面に3段のテラス・ガーデンを造り、
元の湖を拡張し、2つを芝生の広場で繋いだものだ。グーグルの航空写真でご覧いただくと分かりやすい。
1段目のテラスはハウスと同じレベルにある。ハウスの壁はバラやフジ、クレマチスなどのつる性植物がクライミングしている。
そして、ハウスに沿ってバラやブッシュ、宿根草などが見事にコントロールされ咲き誇っている(写真上下)。実に美しい。
2段目との境には綺麗に刈り込まれた大きなイチイの木がずらりと立ち並ぶ。そして、美しいフォルムを見せる欄干がガーデンの品格を高める(写真上下)。
2段目のテラスはツゲと芝生でヘッジされたベッドにバラやハーブなどを植え込んだパルテール(Parterre)だ(写真上中、下中・右)。
そして、1段目との境にはハウスの壁同様にバラやブッシュ、宿根草などが見事なボーダーだ(写真上左・右)。
1段目から2段目繋がる階段も美しいフォルムの欄干で装飾されている(写真上下)。階段下の空間の飾り窓も優雅なフォルムだ(写真下中)。 正にとびっきり美しいイタリアン・テラスガーデンだ。
テラス側面も欄干で装飾されている。そして、ボーダーの植栽も他の場所と趣を変えてある(写真下左)。壁のニッチには豊満な女性裸像が艶かしい。
周囲の植栽の色遣いが素晴らしい(写真下中)。
2段目から3段目繋がる階段は1段目から2段目に比べるとスケールは小さいが半円形の池を囲む半円階段だ。
3段目のテラスは3つの中では最も小さなテラスだ。2段目との境にはボーダーが巡らされている(写真上右)。
3段目のテラスの先は美しく刈り上げられた芝生の広場が湖まで続く。そして、湖の向こうに雄大なチェビオット・ヒルズ(Cheviot Hills)が広がっている(写真下中)。
3段目を降りた直ぐ下に古い像がある。ローマ神話のマーキュリー(Mercury ギリシア神話ではヘルメース)の像だ(写真下左)。
芝生の広場を湖まで歩き振り返ると優美なハウスが見える(写真下右)。雄大で清々しく感じる。
広場と湖の境にも美しく欄干が巡らされている。どこまでも優美だ。
エデン川に架かる木製の橋を渡って(写真下左)湖の周りを巡る径路に進む。湖は400m×150m位の大きさで美しく整形された造りだ。
ハウスの対岸からハウスを望む(写真下中)。豊かな緑だ。しかし、これら全てが人工的に造られたものなのだ。
湖を一回りして芝生の広場にも戻る。広場の外の林の中にスカルプチャーが2つ展示されている。人の形をした石に無数の穴が空いていて先が透けて見える。
この旅行記作成のために情報収集していてこのサイトに出合った。
なんとこの作品は岡本敦生さんという日本人の作品だったのだ。"FOREST H-1"と題されている。(もう1つの作品は拡大写真からご覧下さい)
3段目のテラスからもう一度楽しみながら逆戻りする。こちらのニッチには像がなく周囲の植栽も趣が違う(写真下左)。 欄干下のボーダーの白いバラと紫のキャットミント、銅葉にピンクの花のセイヨウニワトコの組み合わせのセンスが良い(写真下中)。
2段目のテラスに戻る。どこを切っても2つと同じシーンはない。しかし、調和はしっかり取れている(写真上右、下左・中)。絶妙だ。
ようやく1段目に戻ってきた。所要時間1時間30分、ずっと歩きづめだが疲れは感じない。気持ちが高揚しているからだろう。
アボッツフォード・ハウス Abbotsford House
アボッツフォード・ハウスに遣ってきた。
この旅日記で何度も登場しているかのウォルター・スコットが晩年の20年を過ごした邸宅だ。スコットは1811年にツイード川の川辺の小さな農場を購入する。
当時はメルローズ・アビーの修道院長(Abbots)がツイード川の浅瀬(Fford)を渡ったことからスコットはここを"Abbotsford"と名付けたのだという。
スコットは自身の設計で次々と増築を重ね、現在の大邸宅にしたのだ。最初は110エーカーであった地所は数年で1400エーカーになったという。
(それだけ彼の小説や詩が売れたということだ)
2005年に訪れた時はそれほどの印象も受けなかったので2010年はパスしたのだが、2013年にリニューアルし女王陛下をお迎えして
リオープン・セレモニーが行われたという情報だ。再訪の価値ありと遣ってきたのだ。
ガーデンは3つのウォールド・ガーデンからなる。最初に入ったところが、サウス・コート(South Court)と名付けられたガーデンだ(写真上左)。
邸宅の南面に広がるガーデンだ。ガーデンのデザインもスコット自身がしているという。広がる芝生の中央に台座(Plinth)の上に水盤(Basin)が乗っている(写真上中)。
これはエジンバラの刑務所にあったもので1660年のチャールズ2世(Charles II)の王政復古の際にワインを注いで民衆と祝ったものだという。
2つ目のウォールド・ガーデンとの境にある回廊アーチ(Cloister Arches 写真下右)の前に4隅にイチイのトピアリーを配した芝の中に古代の日時計が立っている(写真上右)。
邸宅の入口横の窓の下には犬の像がある(写真下中)。スコットの愛犬の"Maida"だ。
"Maida"は旅日記7月7日のロイヤルマイルの項でスコット記念塔のスコット像の傍らに座っていた犬でもある。
サウス・コートの西壁の城門を思わせるゲート(写真上左)を潜ると比較的シンプルなデザインのハウスになる(写真下中)。 ここはガーデンと謳っていないが、壁周りやハウスの前には美しいアルケミラモリスやキャットミント植え込みがされている(写真下左・右)。
サウス・コートに戻る。南面と西面の壁にずらりとパネルがはめ込んである。壁の前にはイチイの生垣があるからパネルはイチイのニッチの中にある雰囲気だ。
それがなかなか趣がある。ストリートビューで良く分かる。
これらはスコットがスコットランド中から集めたもので全部で16枚あるが、かなり風化している。
1枚目は“古代ローマの石板”だ。何と“アントニヌスの長城(Antonine Wall 2世紀にローマ帝国がクライド湾からフォース湾までの60kmにわたる壁で
ハドリアヌスの長城に代わるものとして建設された)”からもたらされてものだという(写真上左)。
次から5枚のパネルは、これも7月7日のロイヤルマイルの項で述べた中世の"Mercat Cross"のメダイヨン(Medaillon メダル)なのだという(写真上中・右、下左3枚)。
(そういえば、現在の"Mercat Cross"にも彩色されたメダルが掲げられていた)人物はそれぞれ名のある人なのだろうが情報が見つからない。
下左のメダルはエジンバラ市の紋章をデザインしているという。
写真上右と下4枚はカンブリア地方のペンリス(Penrith)付近のローマ人の砦・ボレダ(Roman fort of Voreda)から集められたものだという。 写真上右のパネルの説明にローマ神話の軍神・マルスとあるので他の4枚もローマ神話の神を表しているのだろう。
写真下左のパネルはスコットの義理の兄弟(東インド会社に勤務していた)から手に入れたものとの説明書きがあった。
他にも世界中の友人や崇拝者から贈られたものが展示されているとのことだ。
下右から2枚目はローマの地下墓地(Roman burial crypt)のものでハンティングの様子を表しているとの説明だ。
下右は十字架にかけられたキリストに見えるが・・・。
2つ目のウォールド・ガーデンは回廊アーチの東側にある。周囲の通路が一段高くなっているサンクン・ガーデンの様式だ。
通路の壁際は潅木やつる性植物で飾られている。一段下がった部分は中央はローン・ガーデンになっており2つのオーナメントがある。
その南北に花壇が切られ華やかな色合いを見せている。南の花壇は2005年にはなかったものでバラの植栽だ(写真下中・右の手前に見える花壇)。
2013年にリニューアルされたものだろう。全体に2005年の印象と大いに異なる。とてもよく管理されている。
写真下中の右に見えるゲートが3つ目のウォールド・ガーデンへのゲートでその手前の2本のイチイの木はスコット自らが植えたものだという。
スコットは樹木に大変興味があり、ハウスの周囲に沢山の木を植樹したので、その森の中に"Scott Walk"、"Forest Walk"、"River Walk"、
Borders Abbey Way"、"Play Trail"などの散策路が設けられている。
壁も高々として立派で植栽も大胆だ(写真上左)。北側の花壇はシャクヤクを主体とした植栽で色彩豊かだ。壁際のボーダーも目を見張る美しさだ。
壁のコーナーの小塔やハウスはまるでおとぎの国のお城のようだ(写真上中・右)。
ここはモリス・ガーデン(Morris Garden)と名付けられている。スコットの小説“ロブ・ロイ(Rob Roy)”登場人物の名前だ。
ローン・ガーデンの2つのオーナメント(写真下左)の1つが”モリスの像”だ(写真下中)。(10年前もモリスが容赦を請う姿を真似たはずだ 全く進歩がない)
彫刻家ジョン ・グリーンフィールド(John Greenfield)の作品だが、製作途中で亡くなってしまったので未完のままなのだという。そういえば手の辺りが不自然だ。
もう1つのオーナメントについては情報が見つからない(写真下右)。それにつけても、オーナメント足元の植栽といい、後ろのハウスといい絵になる。
スコットが植えたイチイの間を抜け3つ目のウォールド・ガーデンに入る。まず目を惹くのは正面の白いフレームのオランジェリー(Orangery)だ(写真上中)。
これもスコットのデザインだという。美しい。白の背景にあえて白色のバラを持ってくる辺りも憎い。
3つのウォールド・ガーデンの内、最も大きなガーデンだ。本来はキッチン・ガーデンとして、多くの来客を持て成すための野菜を供給するためのものだったのだ。
もちろん、オランジェリーからは果物が供給されたのだ。
現在はカラフルな草花で埋め尽くされている(写真上左・右、下左)。ここにも2013年のリニューアルが如何に熱のこもったものだったかが汲み取られる。
ビジター・センターによる。コーヒーとケーキで一休み。ケーキは"Lemon Drizzle Cake"と"Carrot Cake"をシェアする(写真下中・右)。
イギリスであり勝ちな強烈な甘さはなくなかなかに美味しい。ダイニングはビジターでごった返しの盛況だが、何となく品の良さが感じられるのは気のせいか?
メルローズ(ショッピング&プライアーウッド・ガーデン) Melrose (Shopping & Priorwood Garden)
メルローズの街に遣ってきた。アビーの真ん前のパーキングに駐車する。まずはショッピングをしよう。アビー・ストリートを200mほど南に進むと
タウン・センターのランドアバウトだ。ランドアバウトの中心にマーケット・クロスが立っている(写真右)。台座には2段にフラワー・ボックスが積まれ花が溢れている。
ポールの上の彫刻はスコットランド王家の象徴のユニコーンだ。台座の底辺を見るとランドアバウトが平らでないことが分かる。なかなかにスリリングである。
ランドアバウトに入る4本の道にショップが並んでいる。幾つかの店を覗き、友人二人に羊のオーナメントを求める。
ガーデニング仲間にはコンクリート製で少々重いがふくろうのオーナメントがピンときたので求める。
一旦荷物を車に置きに戻り、目の前のプライアーウッド・ガーデンに入る。
ナショナル・トラストのプロパティーで3度目の訪問だ。このガーデンの売りの一つはスコットランド唯一のドライフラワー専用の花壇があり、
そこで採れた花をドライフラワーにして販売していることだ。ドライフラワーは好きでないのでショップは素通りしてガーデンに入る。
その花壇には今が盛りと草花咲き誇っている(写真上3枚)。もう少ししたら切られてしまうのだろう。良い時に来た。
もう一つの売りがリンゴの木の種類だ。90種類が有機栽培されているという。古木も沢山植わっている(写真下中)。
アビー・ストリート沿いの壁のデザインがお洒落だ(写真下左)。リンゴ園の中に斬新なデザインの彫刻がある(写真下右)。
デイビッド・アナンド(David Annand)の作品でタイトルは“鳩(Dove)”だ。
こういったオーナメントがガーデンの品格を左右する。
ハーモニー・ガーデンに向かってアビー・ストリートを北に向かうとメルローズ・アビーのウエスト・フロントの真向かいのストリートの西側に
余りにも整然とコントロールされた花壇が現れた(写真下左)。
どうやらアビー・ガーデンであるらしい。かたわらの白さも眩しい温室の中には妖精に捧げられたビーナスだろうか? 美しい像がより白く輝いている(写真右)。
このガーデンに関しての情報は極めて乏しい。沢山のアビーを見てきたが、ウエスト・フロントの前にガーデンがあったことは他にない。
過去2度の訪問時にはどうだったのかも記憶にない。不思議なガーデンの出現だ。
ハーモニー・ガーデン Harmony Garden
ハーモニー・ガーデンも3度目の訪問となる。 ジョージ王朝風(Georgian house)の邸宅は1807年にロバート ・ウォー(Robert Waugh)が建てたものだ(写真下左・中)。 窓枠周りの植栽が素晴らしい(写真下右)。
壁に囲われた3エーカー(1万2千平米)の中に4つのボーダー・ガーデン(写真上左・中)と2つのローン・ガーデン(Manicured Lawns 写真下左)と
ベジタブル・ガーデン&温室(写真上右)がゆったりと配置されている。花の盛りには少し早いようだが十分に美しい。
もう一つの素晴らしさは景観だ。南の方向に近くにメルローズ・アビー、遠くエイルドン・ヒルズを眺めることができるのだ(写真下左・中)。
ハウス横のローン・ガーデンのベンチに座り上空を見遣る。ハウスと木々に囲まれた空が美しい。身も心も寛げぐ贅沢な時間を過ごす。
メルローズ・アビー Melrose Abbey
メルローズ・アビーも3度目の訪問となる。
1136年にスコットランド王デイビッド1世(King David I )の命によりシトー会の修道士らが10年の歳月をかけて建立したものだ。
他のアビーと同様に幾度となくイングランドの攻撃を受けては再建、修復されたものだが、現在残っているのは主に14世紀以降に建てられたものだ。
赤みを帯びた砂岩でできているのだろう、長さ79m、幅42mという荘厳なものだ。ウエスト・フロントの部分はすっかり壊れている。
写真下左 : 西からの眺望 正面の大きな窓が身廊部分 右に続くアーチ部分が南側廊 左は北翼廊
写真下中 : 北西からの眺め 身廊の下の壁は十字部分の塔の西側部分 現在残っている部分の高さは26m
写真下右 : 西からの眺望 身廊からイーストエンドのウインドーを望む
写真下左 : 北西からの眺め 右が身廊 現在残っているのは全体の8分の1だけ 中央が十字部分の塔 左が北翼廊
写真下中・右 : 回廊跡の北の塀と塀際 バラ、クレマチス、バーバスカム、スカシユリなどアビーにはちょっと派手な植栽だ
写真下左 : 南側廊を西から見通す
写真下左から2枚目 : イーストエンド南面の窓 エイルドン・ヒルズが見える 窓枠がしっかり残っている
写真下右から2枚目 : イーストエンドの天井を支える支柱 美しい彫刻が施されている
写真下右 : イーストエンドのウインドー 高さ17m 幅8.5m メルローズは全体に窓が大きく数も多い印象だ
写真下左 : 南側の墓地からアビーの全体像を 側廊の窓が大きい
写真下中 : 左が南側廊と身廊 中央が十字部分の塔 右は南翼廊
写真下右 : 南翼廊の南面窓 比較的保存状態が良い 十字部分の丸窓も美しい
スコットランド王ロバート1世の心臓(Robert the Bruce's Heart)が埋葬された場所を示す飾り額(Plaque)が墓地にあったはずだが見落とした。
コンテンティッド・バイン Contented Vine
一昨日に予約しておいたコンテンティッド・バインに再訪する。2度目ともなると待遇が違う。奥目のゆたったりした席に案内される。
昼間ケーキをいただいたのでそんなにお腹がすいていない。スターター3品とメインにパスタ1品をオーダーする。 スターターは
・ Greenland Prawn Salad resting in leaf of Icaberg, Marie Rose Sauce, a Lemon wedge, dusted with Paprika and served with Homemade Bread と
・ Tempura Battered King Prawn with a lemon wedga and 'chef secret' sauce と
・ Scottish Smoked Salmon salad platter served with dotted Yogurt, Wasabi crispy Capers, a Seared Scottish Scallop and Lemon wedge メインは
・ Big Carbonara - Chunky Pasta with crispy Bacon, Garlic, Mushrooms and Parmesan in a Creamy seasoned Sauce だ。
一昨日いただいてとても美味しかったので“てんぷら”を再びオーダーする。
3品目のスターターのスモークト・サーモンとスカロップの写真がピンボケになってしまった。
清潔な店で、静かな雰囲気の中スコットランド最後のディナーを楽しむ。料金もリーズナブルでとても良い店だ。
F.U写真集 F.U Photo Album
今年も妻が撮影した写真を掲載させていただく。異なった視点からの写真も面白いかも知れない。
写真下左から
ドライバラ・アビー 食堂(Refectory)の跡のバラ窓をを南西から望む 静寂に包まれている
リーダーフット・ビアダクト 美しいビアダクトだ 中でもこの角度が美しい
メラーステイン・ハウス&ガーデンズ ハウス前のボーダー 見事なコントロールだ
写真下左から
メラーステイン・ハウス&ガーデンズ 1段目のテラスから2段目のテラスのパルテールを見下ろす
メラーステイン・ハウス&ガーデンズ 逆に2段目のテラスからパルテールを通してハウスを望む
メラーステイン・ハウス&ガーデンズ 各テラスの段差には美しい欄干が巡らされハウス前とは違う趣のボーダーが走る
写真下左から
アボッツフォード・ハウス サウスコート西の新しい邸宅の壁際の植え込み バラ キャットミント ホリホック ゲラニウム等々
アボッツフォード・ハウス モリス・ガーデンからハウスを望む
アボッツフォード・ハウス 3つ目のウォールド・ガーデン 本来はキッチン・ガーデンだが今は草花で溢れている
写真下左から
プライアーウッド・ガーデン ドライフラワー向きの草花が多く植えられている
アビー・ガーデン 呆れるほど艶やかでコントロールされた花壇だ
ハーモニー・ガーデン メルローズ・アビーが借景とは贅沢この上ない
メルローズ・アビー 大きな窓が印象的なアビーだ
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